国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

第093回国会 衆議院運輸委員会 第7号 第二三話

2015-12-01 00:08:11 | 国鉄関連_国会審議
しばらく開けてしまいましたが、国会審議の内容からまたアップさせていただこうと思います。
今回の質問では四国の鉄道について阿佐線並びに宿毛線、いずれも「土佐くろしお鉄道」として復活していますが開業しましたが、本来はこの2線は結ばれることで循環鉄道を構成する予定だったのですが、国鉄改革のあおりで中止されるということでかなり危機感を持っていたことがわかります。

> 、阿佐線の場合、徳島からずっと回ってくる循環線として予定をいたしておるわけですけれども、いままで高知県の後免から安芸市に至る間、この間には土佐電鉄の私鉄がありました。そして、国鉄がつくんだということでこの私鉄を取っ払った。四十九年に撤去してしまった。したがって、いままでずっとあったものがなくなったということで、いわゆる高知へ対する通勤、通学というものが全くできなくなった。

画像はwikipedia

阿佐海岸鉄道阿佐東線 と接続される予定で循環線を作る予定であったが国鉄改革のあおりで一部区間は未成線のままで終わっている。画像はwikipedia

ここで言われて言る「四十九年に撤去してしまった。というのは、1974年に廃止になった土佐電気鉄道安芸線と呼ばれる路線で4月1日付で廃止されています。

> 宿毛線につきましても、御案内のとおり四国地方の西南開発の地域なんです。したがって、ここに鉄道が一本もない、こういう中で西南開発を云々と言いましても、地域の発展、そして国土の均衡ある発展、そして定住圏構想、こういった面から考えましても、線路が一本もないというようなことでは地域の発展は期せられません。



こちらも、宇和島駅 - 宿毛駅間は未成線として終わっています。画像はwikipedia

確かに宿毛線が走る付近も鉄道が無いわけで、鉄道が無い街は衰退すると言われています。
実際に、三木鉄道などはその顕著な例と言えましょうか。
三木鉄道を廃止した結果、神戸電鉄の小野線も旅客減少が止まらず廃線の危機だそうですが、これはやはり鉄道の大量輸送性にあるかと思います。

鉄道輸送は自動車と比べればその輸送量は圧倒的に大きいですから、地域の発展という視点からは鉄道は必要であろうと思われます。

********************************************************
取材・記事の執筆等、お問い合わせはお気軽に
blackcat.kat@gmail.comにメール
またはメッセージ、コメントにて
お待ちしております。

国鉄があった時代 JNR-era
********************************************************

********************以下は本文になります。*********************************
     ――――◇―――――
    午後一時二十七分開議

○小此木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。平石磨作太郎君。

○平石委員 途中で休んだのでやりにくくなったのですが、先ほど私が申し上げましたように、高知県の国鉄関係は、いわば一本の線でもって、陸の孤島になっている、こういった地域的なあるいは地形的な状況があるわけです。そういった地形的な状況と、いままで余りにも国鉄の新線建設についての運びが遅かった、そしてさらには、在来線につきましても、ローカル線として輸送密度が非常に落ちておる。これにはやはり地域の事情だけでなしに、いままでの国鉄のダイヤを見るときに、非常に急行は多いのです。急行の本数は非常に多くなってきましたが、ローカル線については非常に少なくなってきた。そして、ローカル線を利用しましても、非常に時間がかかる。特に高知県の場合は単線でございまして、急行とすれ違うときは必ず一方の待機線で待機しなければならぬ。こういったような事情がありまして、非常に時間がかかる。だんだんと利用率が落ちるわけです。用事にならない、したがって車を、こういう形になってくるわけです。そういったいままでの国鉄の運営上からもお客さんを逃がしておる、こういうこともあるわけです。一方、いわゆる自動車網ができておるか、道路事情がよくなっておるかと申しますと、道路事情も全国ではまさに最下位です。それから、この前国鉄の資料をいただきましたが、これを見ましても、百キロ平米当たりの延長線を見ますと、全国で四十六番、まさに沖繩の次というような、国鉄においても延長が非常に少ない数字を示しておるわけであります。
 そういう中で今回の措置がなされようとしておるわけですから、特に新線建設については、阿佐線の場合、徳島からずっと回ってくる循環線として予定をいたしておるわけですけれども、いままで高知県の後免から安芸市に至る間、この間には土佐電鉄の私鉄がありました。そして、国鉄がつくんだということでこの私鉄を取っ払った。四十九年に撤去してしまった。したがって、いままでずっとあったものがなくなったということで、いわゆる高知へ対する通勤、通学というものが全くできなくなった。そのためにお子さんたちを高知市に下宿をさせて通学させるといったような不便をかこっておるわけです。そして、これがもうつかない、国鉄の運営はできない、第三セクターでなくてはならぬ、こういった状況に追い込まれてまいりますと、私、最前言葉が荒くて失礼をしましたけれども、そういった問題が地元に出てくるわけです。そういうことで、私は今後の基準の設定、そういった面の配慮を特にお願いを申し上げたい、こう思うわけです。
 また、宿毛線につきましても、御案内のとおり四国地方の西南開発の地域なんです。したがって、ここに鉄道が一本もない、こういう中で西南開発を云々と言いましても、地域の発展、そして国土の均衡ある発展、そして定住圏構想、こういった面から考えましても、線路が一本もないというようなことでは地域の発展は期せられません。
 そのように高知県には特殊の事情がある関係で地元としては非常に関心が高いし、また、この法案に対する不満が非常に多いわけです。そういうことを十分考えてのこれからの選定基準なりあるいは第三セクターの内容等についても十分配慮をお願いしたい。この点について大臣のお答えをお願いしたい。

○塩川国務大臣 いま地元の事情をお聞きいたしますと、それぞれの事情は私たちも深刻に受けとめておるわけでございますが、そうでございますだけに、われわれも地元の高知県のそれぞれの機関とより効率的な地域交通のあり方等につきまして今後とも協議をいたしたいと思っております。

○平石委員 どうも話がすれ違うような気がしてなりません。法律が仕上がってからだ、こういったようなことをお考えではないかというような気がするわけですが、私は、ひとつ高知県の地方交通について、親切心を持っての確保を特にお願いを申し上げたい。
 それから、鉄建公団にお伺いをするわけですが、用地買収にずっと協力をしてまいりました。この阿佐線につきましてもあるいは宿毛線につきましても用地の確保については大変な苦労を重ねてこられました。私も一、二件、地主さんとの間でむずかしい問題ができたので御協力を願いたいということで、そういったケースの中に入らせてもらったこともございます。そのように協力をしてまいりましたのですが、この阿佐線の状況を見てみますと、後免から奈半利、この間の進捗率、これが一体どれくらいになっておるか、ひとつ公団にお伺いしたい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 半自動ドアの話 | トップ | キハ17という気動車 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国鉄関連_国会審議」カテゴリの最新記事