イギリス映画のあと、
パブ、と言うほど気取っても無かったが
霞町の地下の店で
あの娘は薄いタンブラーに口をつけ、ビールを少々
仕事の話はする気が無いと言う
俺も同感だ
この夜を生きるのに、デスクワークには意味が無い
石油連盟もベンゼン環もまっぴらだ。
そして彼女は旅に出たいと口にする、
俺はそれも否定しない
ただ、”あなたもベトナムに暫く居たのよね”
そう言われて、
旅の後、何一つ持ち帰っても来ていないような気はするが
インド、もしくはパキスタン、
あの娘なら、あるいは何か持って来るかもしれない。
サラダをいじりながら
あの娘は”あなたの書いてるものの意味が良く分からない”と言う
のを聞いて、俺はホッとする
知識は暗がりのポン引きだ、手招きにはご用心
小難しい言葉を理解する必要は無い
ただ知性の下にいたい
そして彼女にも霊感が授かることを願いたい
単純な繰り返しにこそ、直感がある。
俺の住む街の日向の芝に座り、二日酔いの昼、そう考える、
あの木の下の仏陀のようにはいかないだろうが
この街では太陽はちょうど、彼女の住む街の方角から登ってくる、
そこに啓示めいたものは期待していないにしても
その陽は、あの娘を透かして来るように思えるよな
とは言え、俺は詩の話などしてしどろもどろになりながら
マーチンソールのポスターを無駄に眺めている
彼女は2杯目のビールを半分残し、
品良く、日の変わる前に、その街に帰って行った
俺はあと10杯くらいのワインをどこかで飲もうと思う
パブ、と言うほど気取っても無かったが
霞町の地下の店で
あの娘は薄いタンブラーに口をつけ、ビールを少々
仕事の話はする気が無いと言う
俺も同感だ
この夜を生きるのに、デスクワークには意味が無い
石油連盟もベンゼン環もまっぴらだ。
そして彼女は旅に出たいと口にする、
俺はそれも否定しない
ただ、”あなたもベトナムに暫く居たのよね”
そう言われて、
旅の後、何一つ持ち帰っても来ていないような気はするが
インド、もしくはパキスタン、
あの娘なら、あるいは何か持って来るかもしれない。
サラダをいじりながら
あの娘は”あなたの書いてるものの意味が良く分からない”と言う
のを聞いて、俺はホッとする
知識は暗がりのポン引きだ、手招きにはご用心
小難しい言葉を理解する必要は無い
ただ知性の下にいたい
そして彼女にも霊感が授かることを願いたい
単純な繰り返しにこそ、直感がある。
俺の住む街の日向の芝に座り、二日酔いの昼、そう考える、
あの木の下の仏陀のようにはいかないだろうが
この街では太陽はちょうど、彼女の住む街の方角から登ってくる、
そこに啓示めいたものは期待していないにしても
その陽は、あの娘を透かして来るように思えるよな
とは言え、俺は詩の話などしてしどろもどろになりながら
マーチンソールのポスターを無駄に眺めている
彼女は2杯目のビールを半分残し、
品良く、日の変わる前に、その街に帰って行った
俺はあと10杯くらいのワインをどこかで飲もうと思う