俺が雪山で自惚れたり、
体脂肪を絞って自慢したりしている間に
彼女は恋人と終わりにしたらしい、
実際、それは些細なことだろうか
俺は酔って吐いたり、上着を引きちぎったりと
好きなようにしていたが、そのあいだ
彼女には些細な苦しみが有ったのかも知れない
運命が運命でなくなった時、人は魂が切られるのか、
良くはわからない、絶望が死に値するか、
絶望も最早陳腐なのか、知恵が巡らない
彼女は当面の間一人で生きるだろう、
そしてそれを俺に当り散らしもしないだろう。
不十分で完全さに程遠い人間を羨むことは無いから
それでも俺は、悲しみを感じずにはいられない、
俺には関係の無いことだとしても、
此処では何も起きていないとしても
誰ももう今は涙を流してはいないとしても
俺は何かに敏感になっている
それはあの娘と同じ頃だった自分に向けた悲しみなのかも
過ぎ去った昔の女を、すがる事も無く解き放った時のような
あの感覚かも。
彼女を慰むものは大して無いだろう、
ましてや俺に何の手段も無い
いつかあの娘が晴れるまで、
その日記を読み続けるだけだろう
そして
いつかワイン一杯、
で、なければ天国や地獄の映画など
ちぇ、
当てには出来ないが