俺は何かをぶち壊した様な気がしているが、
また別の事にも係わり合っていて、それどころでもない
消え入りそうな冬の太陽を眺め
朝からウォッカを求めている、少々クレイジーだが
そんな日に、
電話一本でも気分は変わるものだ、と
あの女と話し終えて思う
大した話はしていない、
小さな娘のこと
これから産まれる子供の事
俺は全てを思い出す、
あの娘はその全てを知らなかっただろう、
ただその姿を見たかったためだけに
芝居がかった、ハイキングのようなチームを作ったことを
あの娘が好きだと言ったオレンジの色、
だから俺は20周年パーティーとか言うやつに
沢山のオレンジのガーベラやアルス、
グロリオサの花を会場中に飾ったこと
あの娘がランウェイを、モデルの様に歩いたらサマになるだろうか、
そう思って、夜のパーティーで
俺は音楽を鳴り散らかし、
彼女は、赤い帽子を着飾り、ポーズを取ったことを
全ての取るに足らないことは常に彼女の為にあったことを
この街を出て行く女たちに、俺は何度か花を贈ったが、
それも、最後にはあの娘に一番の大きな花束を
それも沢山のオレンジの花の、
それを贈る為の前説にしか過ぎなかったことを
しかし、あの娘に花束を贈るチャンスはもうないだろう
それでも今日声が聴けたことで
何かをぶち壊した様な一日は
クソのような日ではなくなった