その方法はここでは通用しない、し
ここでは何も起こらない
しかし、 辺りから少しだけ
バニラのような香りが満ちてきて
ほんの一時、俺はまんまと
ほんの一時、俺はまんまと
おどけさせられる
憐みは不親切だ、
覗き窓のガラス板の様だ
転がったプラスチックのボトルの口に射しかかる鉛筆のように
無駄だ
情愛はますます無駄で小賢しい
小賢しい真似を俺にさせて
あの娘は、
翌日になって俺の名前を口にする
俺は知らぬふりをする
彼女は俺の空のグラスに焔のようなワインを注ぐ
仕草で
バニラのように甘い。
忘れたことは一度もないが俺は忘れた振りをして
知らないと言う。
そんな甘ったるいモノは俺は知らないと見栄を切る
忘れていたことを思い出すのは簡単だ。
忘れてしまう事は、
とても難しい