LIVE LOVE LIFE

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春なのに

2005-03-01 18:57:48 | お仕事
わしの顔見知りの入居者がお亡くなりになった。
公にはしていなかったが、姉の同級生の母であった。その訃報を聞いたのは夜勤前で、泣いてしまいそうになった。ぐっとこらえていた。難しい性格なので職員から煙たがられていた。職員で人が亡くなったのに、中傷する言葉を口にする人もいた。いくらなんでも、それは言ってはいけない。自分もそういわれたら嫌だよ。
お互い何度もぶつかった。いいことでも悪いことでも泣いた。でも、もうそれも出来ないんだね。
難しい性格ゆえにお見舞いに行く事を止められていた。別にいいんじゃないかと思ったのだけれど・・・前回入院したときに
「誰も、職員はお見舞いに来てくれない。」
と、話していた。実際には担当者以外足を運ばなかったのだが、きっと寂しかったのだろう。わしは様子を見てお見舞いに行こうと思っていたが、退院してきた。その後は居室にいる生活を過ごした。状態が悪くなり、再度入院。
「お見舞いなんて、行かなくっていいんじゃないの?」
と、担当職員が話していたが、わしは言う事も聞かずに病院に足を運んだ。ずっと胸騒ぎがしてたまらなかった。病院は通勤経路にあるので難なくいけた。病室に向かうとすぐにわしだとわかったようであった。
世間話をしたが、
「あんたにきてもらったのが、一番嬉しかったよ。」
と、涙ながらに話していた。励ましにきたのにわしは涙があふれた。わしの手を握りずっと離さない。
夕食の時間になったので
「また来るからね。」
と、挨拶すると
「元気になって苑に戻ってバカ話するよ。」
と、話した。
何度も何度も握手をし、手を振った。名残惜しそうに見送られた。帰り道、号泣した。

夜勤中に入居者がいた居室に行ったので、合掌した。手先が器用だったのでまた何か始めてもらえるといいなあ。
人がいなくなるのは本当に寂しいものです。