おちればおちるほど、
『人』に気付く。
下に。
奥に。
底に。
夜に。
闇に。
何処かに。
暗いところに。
堕ちていく。
暗い。
そこは寒い。
自分から、堕ちていく。
明るいところから、温かいところから、
離れていく。
離していく。
自ら。
なのに、そのはずなのに、
光る。
僕の目には、光る。
光は、光る。
明かりは、光る。
温かさは、光る。
『人』は、光る。
優しさは、光る。
まぶしいくらい、光る。
届かない。
何も。
掴めない。
僕には。
堕ちていく。
暗いところには底なんてない。
どんどん、堕ちていくだけ。
静かに。
音も無く。
何もしないで。
無気力に。
堕ちていく。
『自分』しか、居ない。
『自分』さえ、見えない。
『自分』だけの、存在。
『自分』の為の、存在。
『自分』だけの、温度。
『自分』だけの、声。
『自分』しか、信じられない。
『自分』が、信じられない。
『自分』以外は、敵。
『自分』も、敵。
僕 は一人だけになる。
僕 は独りになる。
優しさが
愛しさが
温かさが
『人』が
『自分』が
欲しくなる。
無理でもいい。
望んでしまう。
気付いてしまう。
「気付かなかっただけ」だと。
僕は気付いてなかった。
『光』に気付いてしまったら、気付いてしまう。
『人』は優しい。
『人』は、『自分』は、温かい。
暗闇の中に居るのは、僕のなかの僕でしかなくて、
暗闇も、僕の中だけのモノで。
『僕』はちゃんと『世界』で生きてて。
『人』はいつも傍にいて。
誰かが誰かを支えてる。
『人』はみんな『独り』だ。
だけどみんな一人にはなれない。
誰にでも『誰か』がいる。
嫌でも、優しさは光る。
すぐ横で、光る。
解らないって人は、きっと気付いてない人だね。
でも、気付かなくても、いいと思う。
気付いてしまうと、重い。
ひどく重い。
弱い僕らは、潰れそうになる。
誰かに同じだけの重荷を背負わせながら、
潰れたくなる。
『人』は重いのだ
『人』にとって『人』は重いのだ。
転んでしまう。
非力で、不器用な僕は、何にも耐えられない。
自分で決め付けてるだけなのかもしれない。
「僕は無力だ」
「僕は弱い」
「僕は小さい」
「僕は死ねない」
バカだなぁ。
感情なんて、どっかいっちゃえばいいのに。