アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

「解放されたSF」で呪縛は解けるか

2012-08-24 20:00:00 | フィリップ・K・ディック
SF作家がSFについて語らない連続講演



「解放されたSF」ピーター・ニコルズ編 浅倉久志他訳、東京創元社 1981年発行

「SFとミセス・ブラウン」 アーシュラ・K・ル・グイン
「側面思考とSF」 エドワード・ド・ボノ
「フィクションとファクトの科学的考察」 ジョン・テイラー
「SF以上の異常性」 ジョン・ブラナー
「世界のとなりの世界」 ハリー・ハリスン
「SFと変化」 アルヴィン・トフラー
「内なる時間」 アラン・ガーナー
「SFの気恥ずかしさ」 トマス・M・ディッシュ
「SF:怪物と批評家」 ピーター・ニコルズ
「驚嘆すべきものの探求」 ロバート・シュクリー
「人間とアンドロイドと機械」 フィリップ・K・ディック
 解説 安田均

「アジャストメント」の最後に
この企画講演会のためにディックが書いた原稿
(ディックは体調不良のためイギリスに渡れず講演会に参加できなかった)
が掲載されていたので
この本をまだ紹介していないことに気づきました(はずです)

講演会は1975年に行われ
その時点ですでに大御所だったアサー・C・クラークや
ロバート・ハインラインなどはあえて依頼しなかったらしい
そして、ル・グインで始まりディックがトリとなる予定であったらしい
先に書いたようにディックは体調不良のため実際には講演はできなかった

いい加減なディックファンなので
この講演原稿が他に掲載されていないのか確信がない
インタビュー記事やもっと混乱した自著の批評などから思うと
聴衆を意識して混乱の仕方は「整然」としている
ディックを意識しすぎて無理にそう言ってはいけない
まっとうなディックらしい講演になっているように思う
「アジャストメント」がディック作品を系統的に出版する
第一弾ということを意図しているとすれば
これを取り上げたこともまた納得できる気がします

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