Linの気まぐれトーク

映画と小説の観賞日記

映画『男はつらいよ』寅次郎の縁談 寅次郎頑張れ

2021-11-08 13:44:00 | 映画
「寅次郎の縁談」はシリーズ第46作。
満男役を吉岡秀隆が。
実は彼が目当てでシリーズの初めからコツコツ観ていますが、20作も飛ばす気はなかったのです。

舞台は香川県の離島。
マドンナは松坂慶子。
「瀬戸の花嫁」が背景に流れる、そんな時代。
満男は就活が思うように行かず、ヤケになって家を飛び出す。
オイルショックの頃でしょうか。
私も新卒の就活に勤しんでいましたが、、企業は軒並み採用見合わせ、公務員に応募が殺到したのです。
わたしが受けた名古屋市の公務員試験の倍率はなんと50倍でした!

満男が行き着いたのは、瀬戸内海の小さな島。そこで松坂慶子の家に寄宿しながら、彼なりの生活を始めるのですが、
若い力を必要としてくれる島の暮らし、若い看護師との淡い恋、
満男は島の暮らしに手応えを感じ始めていた。
そこに迎えに来た寅さんは都会の人、
田舎暮らしを嫌がり早々に帰ろうとするが、松坂慶子を見て態度が変わるのです。
ここからはお馴染みのパターン。

ところで思いもかけない時計の早回し、
満男の成長は嬉しいけれど、おいちゃんやおばちゃんにかつての元気はなく、タコ社長の太宰久雄のやつれようといったら!
持病の糖尿病が悪化して、撮影も辛かったという。渥美清も病状が進んで、台詞も減らして配慮したらしいですが、
ああ、これが時の流れなんだと、しみじみ。

老化を避けることはできない、でもどう受け入れたらいいのか。
同じ悩みが繰り返される、それが映画なんですね。