或る双子座の日々

這是一個雙子座的生活日記。
つれづれなるままに

出産と母

2008年05月04日 | ハンガリー(妊娠・出産)
そもそも論「ブダペストで産む」のが全てではありません。
もともと少数派で、日本に帰る人のほうが標準です。

それでも、現地出産したひとに話を聞きたいという方は多く
いらっしゃることでしょう。ですから、あくまで私個人の体験
ですが、それでもよければ参考にして下さい。

私の場合、母が半ば受難といった形になりました。
妊娠の報告と同時に、予定日の前後トータル1ヶ月ほどハンガリーに
来て欲しい、と当然のようにお願いしてしまったからです。

根拠は、まるっきり先入観でした。まだ妊娠もしていない頃、知人の
日本女性がブダペストで出産しました。後日、彼女から「1ヶ月間、
日本から母にきてもらった」と聞いて以来、「海外出産なら母を
呼びよせるもの」という意識が出来上がってしまっていました。

簡単に頼む娘に困惑している母の様子は受話器越しでも良く分かりました。
一人で飛行機に乗ること、英会話が必要とされる可能性が高いこと、
ブダペストへの直行便がないことなどプレッシャーが重くのしかかって
いるようでした。

そこで、少しでもプレッシャーを減らすため乗り継ぎを回避しました。
夫のほうからブダペスト・ウィーン間の車での送迎を申し出て
くれたのでウィーン止まりのチケットを手配しました。

(ウィーンの空港なら小ぢんまりしていて迷いにくい。ANAと提携している
オーストリア航空もあり、日本語の話せるスタッフもいるだろうと考えました。)

が、当の母にしてみれば単身海外へ向かうことには変わりないし、
無事に夫の車に乗り込むまで不安だったことでしょう。

出産のための入院5日間のうち最初の2日は、母に付き添って貰いました。
(家族も病院に泊まれます。詳細は「ハンガリーでの妊娠・出産に関して」
参照のこと)

退院して、生まれてはじめてのママ・ライフが始まると昼夜を問わぬ
授乳で細切れの睡眠。買出し、食事の支度、アイロン・掃除機かけと
いった家事も、母頼み。

いまでは、悪いことをしたと思います。毎日ココで暮らしている私に
とって日常でも、母にはどうだったか?何日か前に来て、一度か二度
案内されたくらいで一人で買い物してきてと頼まれるのはストレス
フルだったことでしょう・・・

母は、最初にノドや鼻を乾燥で痛めました。冬でしたので暖房と水の
違いからか肌はカサカサ痒くなり、ボディローションをマメに塗るよう
薦めたりしました。

時差と、長いフライト・濃い味付けの機内食など、もともと眠りも
胃腸の具合も悪いようでムリをさせるのに気が引けました。更に
なににつけ思い出すのは、留守宅の父のこと。心配そうでした。

このため、母を早く日本に帰してあげなくちゃ、と強く思いました。
半面、母の帰国後、ひとりでやっていけるのかとても不安でした。

産後の体調が回復し、ムリがきくようになってくると同時に夫と率先して、
普段通りの暮らしを取り戻そうと試みました。なるべく母には見守って
いて貰い、なんとか赤ちゃんのお世話を生活に組み込もう、そのリズムに
なれよう、としました。

そうなると家事を切り盛りし、忙しく立ち回っているのが好きな母。
折角来たのにすることがないと言って寂しげなばかりか、段々
腹立たしげになってきているようでもありました。

結局、夫と相談し、少しだけでしたが滞在予定を縮め、前倒しで
帰国してもらいました。

そういうわけで、私は里帰り出産ならぬ、呼び寄せ出産をしました。
やはり、いちばん身体のキツイ時期は母に食事の支度や買い物を
頼めたのは大きな助けでした。

しかし、「これが標準でしょう」と同じことを他のお母様に
強いるのはやっぱり酷なのではないかと思っています。

ご自身が現地出産か帰国出産かに悩む以前に、母君の
キモチも聞いてみると参考になるかもしれませんね。

(改めて、頑張ってくれたお母さん、有難う!


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2 コメント

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Unknown (piglet)
2008-05-08 19:33:34
こんにちは。
またまた、すっかりご無沙汰していました。
出産後2ヶ月が過ぎ、何となくペースがつかめてきたような、そうでもないような・・・毎日です。

私も当初は、ハンガリーでの出産を考えていました。そして、budapestlifeさん同様、当然のように母に3ヶ月程(budapestlifeさんより酷ですね!)来てほしいと思っていました。

が、実際に妊娠した時に、海外と言えば10年ほど前に家族で行ったハワイだけ、英語は全く駄目、おまけに肉が食べられないなど、母に無理をさせてしまうことと、母のストレスを受け止めきれる自信がなくて、結局は私が里帰り出産しました。

夫には単身生活を強いることになりましたが、住み慣れた日本、しかも実家、ということで、精神的に落ち着いて出産、育児に臨めたような気もします。

いよいよ、子供を連れてハンガリーに戻るまで1ヶ月あまりとなりました。
今まで、母に頼り切っていた私なので、不安大ですが、夫と2人3脚で育児に取り組みたいと思っています。

もちろん!「海外で安心して子育てする本」を購入予定です。
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そうそうそう (budapestlife)
2008-05-13 19:39:33
なんだかコメント欄では惜しいような貴重なご意見をいただけて嬉しく思っております。
今後、ハンガリーで妊娠された方々で私達が交わしたやりとりが何らかのヒントになれば幸いですね。

さて、2ヶ月、無事にお子さんを育てられて本当に良かったですね。たぶん、これからも大丈夫ですよ^-^ そんな気がします。

>母に無理をさせてしまうことと、
>母のストレスを受け止めきれる自信がなくて、結局は私が里帰り出産しました。

これ素晴らしいですね。私は、自分のことしか頭に無く、母が大変かもという以上に具体的なイメージを抱いていませんでした。

おっしゃる通りでした。母のストレスを受け止めきれませんでした。実家にいた頃と同じようなお決まりの激しい言い合いになってしまうことも何度もありました。

そういうときに客用のお部屋へ母が閉じこもってしまって、気晴らしにいける場所もありません。外出などできないのに、日本語のテレビがあるわけでなく、なにか気の紛れる雑誌や本があるわけでなく。

私自身、産前は予定日通りに行かないこと、初産であることから大変な緊張がありました。産後はホルモンバランスが崩れてなるというマタニティブルーと睡眠不足のダブルパンチ。情緒不安定を最小限に抑えるのが苦しかった・・・

もともと短時間ならともかく長期間に渡ってベッタリいっしょにいるのはお互いに苦手なほうでした。今にして思えば無謀でした。(笑)

先の先まで、よく考えてみることは大事ですね。それが母を大事にすることになるのも、真実。周りの意見より直感も重要だと思われました。
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