文左衛門・・・。
ゆきちゃんがいなくなったこと、わかっているみたい。
ハウスに入らなくなった。
ハウスの下に立っても、首をニョロニョロさせて威嚇しなくなった。
それに、なにより
私にまとわりついて来る。
うるさいくらいに、私の周りをチョロチョロ動き回り
手の平ベッドにはいりたがり
どこへ行くにもついて来る。
わかっているんだね。
守るべき「ゆきちゃん」がいなくなったって。
自分が寂しいから私にまとわりついて来るのか。
いや・・・、
私が寂しがっているのが分かるから、慰めようとしているのかもしれない。
『ねぇ、ボクがいるよ。』
うん、そうだね。