墓石クリーニングの女

お墓と向き合うことで『大切なもの』を日々感じながら、あつく生きる女…それが、アタシ。

デリケートな玄昌石のメンテナンス

2015年04月13日 | 仕事
昨日に引き続き、今日は玄昌石のクリーニング施工例をお見せします。

玄昌石って聞いたことありますか?
聞いたことがなくても、多分殆どの日本人は触ったり、使用したことがあります。
え??アタシないよ~~!って言ってるそこのアナタ、小学校の時、書き初めをしたことはないですか?

実は全国の硯の90%を占めているのが、玄昌石(雄勝石)の雄勝硯なのです。


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【玄昌石】【雄勝石】
  玄昌石は黒色緻密な薄板状の粘板岩で、天然スレートとして全国的に有名です。産地は宮城県登米市(旧登米郡)登米町[登米玄昌石]と、石巻市(旧桃生郡)雄勝町[雄勝石・雄勝硯]及び女川町[女川石]に分かれて分布しています。それは二畳紀後期の登米層(中部層)が2地域に分断して分布するからです。この地域には、二畳紀後期に登米海と呼ばれる深い内海があり、粘土や泥が堆積し、それが白亜紀前期の地殻変動で褶曲を受けスレート劈開を形成して粘板岩化し、玄昌石となりました。従って、稲井石と同様、スレート劈開と地層の堆積構造とは著しく異なります。黒色の色味は粘土中の炭質物によります。
  登米町には日根牛・入谷・北沢や、その北東の米谷町鏡石に数多くの採石場があります。また、他方の雄勝町やその南の女川町では、二畳紀の登米層の他、三畳紀の大沢層中の、葉理の良く発達した灰色粘板岩からもスレートを加工しています。天然スレートは日本では二畳紀登米層と三畳紀大沢層のみから産出するだけです。
  玄昌石は天然スレートの屋根材の他、一般的には、薄い角板・乱貼り材、ないし薄い角丸の貼り床材として、内外壁・門柱・玄関床やアプローチに使われています。玄昌石は室町期以降に採掘され始め、年150万枚を産出します。雄勝石は雄勝硯として全国の硯の90%を占めると言われます。東京駅丸の内側の屋根がこの玄昌石の天然スレートです。現在では屋根用には使われないようです。

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そう、面白いことに、東京駅の屋根もこの石で出来ています。

以前記事にしましたが、東京駅を100年前の姿に復元した時も、再びこの石で屋根を作りました。

宮城の石巻市は地震で大きな被害にあい、雄勝町も津波にのまれ、雄勝石も流されました。
でも、この石を愛する人達の力で、多くの雄勝石が泥や瓦礫の中から掘り出され、キレイに洗浄され、復興への希望になったそうです。




アタシが玄昌石をなんだかとても好きな理由は、ここまで読んでいただければわかっていただけましたか?

でも実は、この石はとてもデリケートで、扱いが難しく、メンテナンスに困っている方も少なくありません。


一見汚れているように見えますが、実は保護剤の劣化。


保護剤を剥離し、クリーニングし、再度コーティング。








こちらはお風呂。





ついでに、裏口。木戸もカビを除去し、明るく。





おまけ。
豪邸のお庭で、ティータイム。ちょっとだけ、地主気分を味わった♪



毎日、お庭にお茶を用意してくださった旦那様、奥様、ありがとうございました~~!!!

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