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『大名倒産』を観る

2023年07月11日 | アート



最近は深刻な映画ばかり見ているように思えるし、ここのところの暑さばかりでなく社会の様子を思うと、何かスカッとした(古過ぎか(笑))映画を観たいなどと考え、上映中の『大名倒産』を観てきました。朝ドラ『らんまん』の主役、神木隆之介が主演しているのも面白そうだったからです。

ストーリーは、庶民がいきなり藩主に大抜擢、藩政の改革に活躍するというシンデレラもの。しかし、そこは陰謀渦巻き、何かと制度疲労が目立ってきた江戸時代後期。ルーキー殿様は大人社会や裏社会に翻弄されまくる。さて、藩政の改革やいかに。これ以上はネタバレ、ということで自粛。

キャストも申し分なく、まずは楽しめました。ただ、個人的には、もっともっと荒唐無稽に作ってほしかったところがありました。テンポよくとことん笑わせてほしかった。笑いというよりも哄笑で。


300年の長きにわたり、徳川一強の江戸時代。映画の捉え方はハチャメチャですが、これがなぜ笑えるか。
例えば、数々の見直しを藩主のリーダーシップでチーム一丸となって行っていくシーンがあります。これを笑えるのは実際の江戸時代には絶対にあり得なかったことだからでしょう。世襲制による絶対的な支配力によって考え方まで決まっていた時代にこんなことが起きることはありません。だから笑える。

その世襲制はそこここで現在も続いていることを考えれば、江戸時代の影響力の強さに驚かされます。そう考えると、この暑さも遠のくような気さえします。
そんなことを考えながら帰宅すると、半日以上締めきっていた家は炎熱地獄になっていました。夜になっても熱は抜けず、梅雨を嗤うかのような暑さを改めて実感したのでした。


『大名倒産』
監督:前田 哲、脚本:丑尾健太郎、稲葉一広、原作:浅田次郎『大名倒産』
出演:神木隆之介(松平小四郎)、杉咲花(さよ)、松山ケンイチ(松平新次郎)、小日向文世(間垣作兵衛)、佐藤浩市(一狐斎)ほか. 
製作:2023年.120分.「大名倒産」製作委員会

(ご参考)



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