真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

問題作『シークレットサービス―大統領警護の舞台裏』は問題のある作なのかも

2010-09-01 | 読書-現代社会
シークレットサービス―大統領警護の舞台裏
原書名:IN THE PRESIDENT’S SECRET SERVICE:Behind the Scenes with Agents in the Line of Fire and the Presidents They Protect
(Kessler,Ronald)ケスラー,ロナルド【著】
吉本 晋一郎【訳】
並木書房 (2010/08/05 出版)

アメリカ合衆国シークレットサービス

in the Line of Fire というのは、暗殺者の銃器の射線上に自らの身体を入れる(すなわち、文字通り身を挺して)警護対象者を守るわけね。

クリント・イーストウッドが出ていた映画も、原題はIn the Line of Fireだったよね。
『ザ・シークレット・サービス』(原題:In the Line of Fire)
暗殺犯役が印象的だった・・。

警護官ご活躍風景:
暗殺者の前に立ちはだかる最後の壁、アメリカ合衆国シークレット・サービスの画像

さて原書、賛否が分かれるところ?
暴露してくれるのは興味本位に面白いかも知らんが、将来高くつくことになる可能性がある、かもよ・・・との指摘には同意するものであるぞ。

James Bamford Reviews Ronald Kessler's 'In the President's Secret service ’
The Secret Service Spills Its Secrets
"What is truly dangerous is the kind of National Enquirer-style gossip in Kessler's book. In the future, without "trust and confidence" in their agents, presidents will want to keep them at a distance, out of spying range -- and out of safety range, when split seconds may count."

本の内容紹介は多くの皆さんがされていると思うので、追随せず。
♪追随ずっころばしゴマミソズイ・・・
なんのこっちゃ。

といいつつ、興味深いエピソード厳選カケナガシ。
え?親父ギャグ禁止?すまん。。。

1)シークレットサービス要員に嫌われていたジミー・カーター
…空っぽのスーツケースを「よっこらしょ」と。

freedomslighthouse.com/
Monday, August 10, 2009
New Book on Secret Service Says Jimmy Carter "Faked Carrying His Own Luggage" for Cameras - Video 8/9/09


そんなことより真にやばい(国家安全保障上の大問題だった)のは、核攻撃された場合にすぐ反撃できない状態だったこと。

newsmax.com/Thursday, 06 Aug 2009
Secret Service Hated Jimmy Carter

このくだり:
As president, Carter needed to have the "nuclear football" at hand to enable him to take action in case of a nuclear attack.

But the president — code-named Deacon — refused to allow a military aide with the nuclear football to stay in a trailer on his property in Plains. The aide had to stay in Americus, a 15-minute drive from Carter's home, a top military official confirmed to Kessler.

"Because of the agreed-upon protocols, in the event of a nuclear attack, Carter could not have launched a counterattack by calling the aide in Americus," Kessler writes. "By the time the military aide drove to Carter's home, the United States would have been within five minutes of being wiped out by nuclear-tipped missiles."

言語道断ツツジ。
・・・スマソ

脱線(元々脱線しまくりのようだが):ゴメス事件
カーター元大統領、最近久しぶりにTVで見て、「老けたなあ」と思った善男善女各位も少なくないことと思われるが、「私的訪問」でもなんでも役に立つのは好ましい。

これには爆笑。
和文メディアでも紹介されたので、原典に遡ってみた:
Philip J. Crowleyさんからの、短くてタイムリーなメッセージ2:38 PM Aug 27th

"We only have a handful of former Presidents. "ねえ。
このヒト、茶目っ気あるよね。

ひとり1回しか使えないというわけではないと思われるものの、以前クリントンは繰り出したし、こんどまた米国人が捕まって、北朝鮮に、「別の元大統領を寄越せば、連れて帰ってもいいぞ」と言われてしまうと、あとは共和党の親子にお願いするしかないことになっちゃうからね。

日本は、野党になったのでよければ元総理がたくさん居るけど、使い道ないかねえ。
拉致被害者ひとりずつでも連れて帰ってくれてもいいんだけど、先方が存在を認めていないから無理か・・・。

先方の代替わりの際にでも何とかできないものか。
代りに置いてきちゃうことでもいいけど(笑)。

閑話休題:
2)警護対象者にコードネームをつける件
オバマ大統領のコードネームはrenegadeである由。

「変革者」と説明しているのだが、renegadeって、ネガティブなイメージが勝るんではないのか。
どうせ当選なんかしないだろうと思っていたのかな?
(普通の候補者よりもはるかに早い段階で警護対象となった由)

renegade
英辞郎 on the WEB

Cambridge Advanced Learner's Dictionary

経営コラムニスト戸敷進一の航海日誌
2008年12月16日 落日と混乱・・・

A Former Naval Cadet's Weblog
オバマ大統領暗殺予告でてんてこまいのシークレット・サービス

Renegade and Renaissance Obama to replace Trailblazer and Tempo Bush in the White House
telegraph.co.uk/13 Nov 2008

じつは、警護対象になった時点から周知となっていたコードネーム。
「大統領候補のオバマ上院議員のコードネームが'Renegade'となりました・・」
Secret Service tags Obama 'Renegade'
upi.com/June 17, 2007

何を思い出したかというと、霊長類研究者が観察対象のサルのグループを固体識別して名前をつける場合のルール。

The Jane Goodall Institute of Canada
Chimps We Know / The "F" Family

「F」ファミリーは、皆「F」で始まる名前をつけるのです・・・というわけで、ジェーン・グドールの観察対象のチンパンジーも、シークレット・サービスの警護対象の大統領や副大統領らも、同じなんだね、というわけ。
(これは実務上当然のことであって、ケシカル/ケシカランというニュアンスは一切持たせていないので、誤解なきよう頼むぞ)

翻って(ヒョイ)、要人警護、日本ではどうかな?
役所の系統が異なる(日本では警察系だし、銃器の普及状況も違うし・・)ので、警護の手法等に関してもどこまで米国流を取り入れているのか知らないのだが(どこかに記載あるの?ないの?)、コードネームという点に限れば、つけていると考えたほうがよいかな。

(つけているという前提で)誰が何というコードネームか、興味津々。
これを公開してしまうと、それこそケシカル/ケシカランで大騒ぎになるかもしらんしな。

まさか、ヒョットコだとか、ETだとか、シバケン(目をシバシバ…)ではあるまい(笑)。
暴露するのはその程度にしておけばよいのかも。

警護する価値あったのかどうなんだか・・・
鳩山首相夫人に異例のSP 知名度高く警護対象に 2010年1月8日

3)ごくろうさんの一言もなかったマルタイもいた件
大統領などが週末に別荘などに滞在することになると、当然警護官も同行する必要があり、当番になった要員は、出勤。

で、エライさんの中には、「君たち週末家族と一緒に過ごせなくて、すまないねぇ」と声などかけたりも。
警護官:「いえ、仕事ですから」みたいな会話が交わされる(かどうかは知らんけど)場合もあれば、ごくろうさん/ありがとうの一言も、一切なかったといわれる人物もいるようだ。

ごくろうさんの一言もない人物というのは、選挙スタッフなどに対しても同様ではないかと考えられるのだが、どうなのだろ?
長丁場の予備選から大統領選を通じて、スタッフの士気を維持させて当選にまで導くのは並大抵の技ではないと思うのだが、それは有能な選挙参謀の仕事であって、候補者本人は退任後に警護官にぼろくそに言われるようなキャラであっても支障ない、ということ?

警護官に憎まれても馬鹿にされても、大統領としての仕事がきちんとできていれば、納税者としては文句はないのかもしれないが、そうでもなかったりするケースも?


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 川口先生が思いつく前に思い... | トップ | 長い順番待ちを経て『スギハ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書-現代社会」カテゴリの最新記事