真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

[完訳版]第二次世界大戦 1 湧き起こる戦雲 ウィンストン・チャーチル著,伏見威蕃 訳 2023/082-1

2024-04-15 | 読書-歴史

[完訳版]第二次世界大戦 1 | 湧き起こる戦雲 | みすず書房

ノーベル文学賞を受けた英宰相が語る大叙事詩。全6巻の原典より新訳開始。1巻は20年に及ぶ前史から大戦勃発をへて首相となるまで。

みすず書房

 


続巻予定
第2巻 彼らの最良のとき(Their Finest Hour)  2024年夏
第3巻 大同盟(The Grand Alliance)  2025年夏
第4巻 運命の枢機(The Hinge of Fate)  2026年夏
第5巻 攻略の拡大(Closing the Ring)  2027年夏
第6巻 凱旋と惨禍(Triumph and Tragedy)  2028年夏=完結
なのだそうで、読者も頑張らねばw

完訳版 第二次世界大戦〈volume1〉湧き起こる戦雲

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第1編 戦争から戦争へ 1919-1939年

第1章 戦勝国のたび重なる愚行 1919-1929年
第2章 平和の絶頂期 1922-1931年
第3章 隠れ潜む数々の危険
第4章 アドルフ・ヒトラー
第5章 蝗に食い荒らされた年月 1931-1935年
第6章 昏くなる舞台 1934年
第7章 航空戦力の均等消失 1934-1935年
第8章 反抗と対応 1935年
第9章 空と海の難問 1935-1939年
第10章 イタリア制裁 1935年
第11章 ヒトラー、攻勢に出る 1936年
第12章 危険をはらんだ休止、スペイン 1936-1937年
第13章 軍備を固めたドイツ 1936-1938年
第14章 イーデン外相とその辞任の経緯
第15章 オーストリア凌辱 1938年2月
第16章 チェコスロヴァキア
第17章 ミュンヘンの悲劇的局面
第18章 ミュンヘンの冬
第19章 プラハ、アルバニア、ポーランドの保障 1939年1-4月
第20章 ソ連の不可解さ
第21章 開戦間際

第2編 不分明な戦争(トゥワイライト・ウォー) 1939年9月3日-1940年5月10日

第22章 戦争
第23章 海軍本部の責務
第24章 ポーランド滅亡
第25章 戦時内閣の問題点
第26章 フランスの陣頭
第27章 戦闘激化
第28章 磁気機雷 1939年11-12月
第29章 ラプラタ沖海戦
第30章 スカンディナヴィア、フィンランド
第31章 暗澹たる新年
第32章 嵐の前 1940年3月
第33章 海上での衝突 1940年4月
第34章 ナルヴィク
第35章 トロンヘイム
第36章 ノルウェーでの挫折
第37章 ノルウェー:終盤
第38章 チェンバレン内閣が倒れる

眼をむく厚さだけど、1章ごとが短いので、その点は読み易いかも。
映画 『英国王のスピーチ』 (The King's Speech) は再放送があるたびに観てしまうし、
テレビで映画 『英国王のスピーチ』 (The King's Speech) その1/2 - 真似屋南面堂はね~述而不作
TVで映画:ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 Darkest Hour (2017) - 真似屋南面堂はね~述而不作
も同様に。
さらに、BS既放送分を録画してある刑事フォイル - Wikipediaも引っ張り出して観返したくなった。

てか、映画やドラマの作者たちは、チャーチルの回顧録(本書の原文)も重要な参考資料として参照しながらシナリオを書いたのであろうと思うね。
チャーチルは、自分の演説や手紙等が歴史に残ることを意識しながら日々の政務に当たったのだろうと思わせる。

当方の予備知識というか、常識というか、当該時代の情勢の理解が怪しいので、意義が十分理解できないきらいが生じる。
本書に準拠した解説本を出しても売れるのではないかね?
このくだりはこういう背景なので、こういう意味があって云々、というような。

第7章 航空戦力の均等消失 1934-1935年
チャーチルらは、ドイツがベルサイユ条約に違反して航空戦力を着々と備え増強に努めてきたことを知って、防空戦力の充実が急務だと主張するが、平和祈念志向の野党にはとんと話が通じない。軍縮の流れに反するのは許せないといった受け止めで、不十分なのんびりした政府案に対しても問責決議案が出されてしまうなど。
「国際的な軍縮の先行きを危険にさらし、危険で無益な戦争準備の競争を復活させるような再軍備の政策に乗り出そうとしていることはきわめて遺憾」という趣旨だったという。

なんか、昨今の日本の与野党の見ているものの違いに似た気がするんだけど。
「3か国で共同開発した戦闘機を第3国に売るなど、平和国家として許せなーい」などと叫んでいられる神経ががが…
「とにかく皆で平和を唱えましょう。諸外国だってもう戦争はこりごりなんだし」というのは、WWⅡ直後の、日本国憲法制定時分のことだったのだが、いまだにその気分なのは正気でないというか、モノがまったく見えていないというほかない。
世界情勢の変化などよりも、最初に刷り込まれた理想の方が大切であるっ!!!!ということなのね。
わずかに故安倍晋三氏が、地球儀を離して見つつ長期構想を練る人だったような気がしてならないけどね。

閑話休題
ハリケーンとスピットファイアは、世代が違う感があったのだが、初飛行は4カ月しか違わないという基本事実を再認識して、近い将来に懸念された本土防空戦に特化して(次世代的なスピットファイアも急いで進めるものの)先ずは取り急ぎ既存設備で急造可能な旧世代的ハリケーンの増産に努めた慧眼は光る。
「欧州大陸から英本土に侵攻しようとする場合、航空優勢を確保できるかどうかが死命を制するため、まずは空軍力で英側の防空態勢を壊しに来ることは必至」だとみて準備していて、その通りの展開になったわけじゃん。
Hurricane vs Spitfire: The Difference Between Hurricane and Spitfire
スピ:The first Spitfire, a prototype, flew on March 5, 1936, and the first Spitfire Mk I’s were delivered to RAF squadrons in the summer of 1938.
ハリ:The prototype Hurricane flew on November 6, 1935, and the production version began to enter service with the RAF in 1937.

チャーチルがハリケーンとスピットファイアの開発促進に功があったと称賛しているのが、空軍相(5 November 1931 – 7 June 1935)だった
Charles Vane-Tempest-Stewart, 7th Marquess of Londonderry - Wikipedia
ロンドンデリー侯爵(チの親類で子どもの頃からの友人だった由)。

チャーチル政権下で創設された航空機生産大臣 - Wikipediaなんかは有名だけど、開戦のずっと前、開発時代に配慮した陰の功労者も、ね。

Secretary of State for Air - Wikipedia
1964年に国防相に統一されるまでの軍事関係各大臣の表がわかりやすいわ。

The forgotten fighter plane which won the Battle of Britain

Eighty years ago, a small single-seat fighter was largely responsible for defeating Germany’s attempts to invade Britain. But it wasn’t the Spitfire.

 

(スピットファイアばかりチヤホヤされて)不憫なハリケーンさん
『ふしぎなイギリス』著:笠原 敏彦 - 真似屋南面堂はね~述而不作

第20章 ソ連の不可解さ
p416 モロトフの人物評が鋭いかも。
日本は、太平洋戦争末期になってもモロトフを頼りにして「ソ連による和平の仲介」に期待していて(まんまと引き伸ばしに引っかかり)終戦のタイミングを逸した感があったけど。

第21章 開戦間際
p454 「この時期、組織化されたドイツ人のナチが2万人、イングランドにいることがわかっていた。」
まさに「刑事フォイル」の第1話Foyle's War (series 1) - Wikipediaが、在英ドイツ人の話で、当時の様子が生き生きと描かれていると思うわけ。

(以下翌投降)

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