真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

似顔絵の描きやすそうな女流作家が科学の扉をノックする

2009-05-30 | 読書-自然科学
『科学の扉をノックする』
小川 洋子【著】
集英社 (2008/04/30 出版)

なかなか良かった。小川女史、科学好きなのね。
物語を紡ぐヒトなもんで、すぐに妄想がむくむくと生成されるというのが、なんとも愉快。

インタビューされた専門家たちは、皆さん楽しく話が出来たのではないかな。
数学者に色々尋ねてからこのかた、科学方面の注文も増えたのだろうな。

表面をさらりとなでた程度だから、(タイトルどおり)ノックして扉を開けるところまで行っていないかもしれないが、許す許す。

さてと、南面堂は科学方面の啓蒙書の類は好きな分野なので、少なくない数読んでいる。
乱暴に分類してみようか:
1)研究者自身が自分の専門分野について、一人で書いたもの
2)複数の研究者が、各自の専門分野について書いて集めたもの
3)研究者が非専門の話題を含んだテーマについて書いたもの
4)研究者の話を、別の元研究者(卵を含む)などが書いたもの
5)研究者の話を、自然科学の正式なトレーニングを受けたことのない人物が書いたもの

本書は5)にあたるわけだが、素人といっても色々ある。
立花隆大先生なんかになっちまうと、「ドーダすごいだろ」的世界に入っているので、「お前たちに教えてやる」と言われているような気がしてしまい、ちょっとねぇ。
(ノックしただけでなくて、扉を開けて入り込んでみたんだから、うるさい!と怒られそ?)
その点、小川女史は好感度高いな。
それと、やはりメメントモリな方でもあるのだな、と。

上記分類で言えば、2)は読みにくいケースが多いような気がする。
森羅万象S.J.グールド博士や、池内了博士の書評なんかも、3)の一種ということで。
4)は、よき書き手を得るとヒットする。博士号を取得してサイエンスライターになっているヒトが活躍している。怪しい系も少なくないが(笑)。

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