いまだにマーク・チャオにハマっている私。
彼をネットで検索していて
2009年台湾でメガヒットしたアクションドラマに辿り着いた。
レンタルビデオ落ち、とか言う安いDVDを見つけて購入した。
僅かしかないマーク・チャオの台湾ドラマで
ディリラバと出ている「如歌」のヴィック・チョウとダブル主演。
2009年といえばマークは25歳。ヴィック・チョウは少し歳上のよう。
走ったり、駆け上ったり、飛び降りたり、すぐ熱くなって怒鳴る役どころの
直情的な刑事、呉英雄(ウー・インション)をマークチャオ。
ヴィック・チョウは、陳在天(チェン・ザイティエン)という
女好きなチャラい、軽薄な感じのどこか掴み所のない新米刑事。
二人は「双喜(ダブルジョイ)」というコンビ名で組まされて
麻薬の密売組織摘発に挑むところから始まる。
新型麻薬「ドリーマー」の常習者が引き起こす、地下鉄の暴走シーンは
危機一髪で最終駅の車両留めの手前で止まるが
一歩間違えば、撮影の事故になるかもしれないような迫真のシーン。
昔見たアメリカの、ブルース・ウィルス主演映画「ダイハード」を思い出す。
こちらは飛行機でスケールは違ったが。
マーク・チャオは、映画かドラマかで、監督さんからスタント無しと言われて
何十メーターかのビルから飛び降りる役もしたという。
役者さんの家庭の出身らしいその度胸にも感服する。
「双喜」という凸凹コンビは、考え方や捜査のやり方も違いいつも衝突ばかり。
捜査する闇の組織に翻弄されたり、追求して行くほどに撹乱や罠に落ち
警察内部の陰謀やら、真相に迫りそうになると捜査班から外されたり
誰も信じられないところに嵌められて行くという、よくある刑事ドラマだが
主役的な数人の女優さんたちの、東洋的な美しさと上品さは
同じアジア人の日本人として、違和感がなく引き込まれる。
主役のこの二人の生い立ちはかなり複雑で
最後にどんでん返しありの人間ドラマでもある。
マーク・チャオのアクションの格好良さと、粗暴のように見えて
正義感と内面の優しさを持った青年像に、自分の息子だったら良いなぁと
若い演歌歌手を追っかけるおばさんのような心境になる。
ここでのマークは、髪の毛ボサボサ、ヨレヨレのジーパンで駆けずり回っていて
アクション物に出ていることが多かった彼が「永遠の桃花」の主役に抜擢された時
当初「一番醜い皇太子になるだろう」とネットで大ブーイングだったとか。
しかし配信され始めたら、いわゆる現代的なイケメンとは違い
時代劇の彼の所作の美しさに、一転賛辞に変わったそうで
謝罪メールが殺到したという話が載っていた。
マークは化粧映えする時代劇向きな、オーソドックスな「男前」な顔立ちだと思う。
日本で言うと、私はあまり知らないけれど(ホントに)
萬屋錦之介や、長谷川一夫みたいな❓
一見男性向けのアクションドラマのようにも見えるけれど
男女の恋愛模様や、主人公たちの生い立ちも複雑に絡んでいて
呉英雄は最後に、実は国の総統候補の落とし子だったことが判明。
若い警察官の彼らが追う、国家への挑戦と真相究明は、最後の最後には
直前までたどり着いていた真相がひっくり返えされ、訳がわからなくなるほど。
解決したようではあるけれど、国の中枢の問題は結局解明されない。
どの国にも、私たち国民の計りしれない闇があるのだという疑問を残して
ドラマは日常のシーンに変わって終わる。
