これまでグータラな生活だったことと、加齢もあって
引っ越しの荷造りや不用品引き取りなどの対応やらで
脚も常に身が入ってだるいし、ぎっくり腰になってはないけど腰も怠い。
常に腰を庇うようにかがめがちな姿勢でいるからか
時々グーっと逸らして伸ばしていますが、何か作業すると
すぐまた怠くなって、さっさと色々な作業が進みません。
年齢がいくってちょっと哀しいですね。
ようやく3日の日にマンションに引っ越しました。
身体の怠さを感じながらも、そんな忙しさの最中(さなか)
一度はスルーしたけれど、行けるかもとチケットをゲットして
ショパンコンクールの覇者のブルース・リウさんのコンサートに
引っ越しの二日前、妹と行ってきたことから書きたいと思います。
このコンサートを見逃したていたら、きっと一生後悔したと思うほどの
圧巻の演奏でした。
黒の光沢あるシャツに黒のパンツという
細身のスタイルの若者といった風情で登場でした。
お育ちの良い、気を衒うようなものは一切なく自然体で
時には愛らしく優しく、はたまた雄々しさ満載の、男性的な力強いダイナミックさで
聴衆を魅了してくれました。
最後のリストの「ドン・ジョバンニの回想S.418」という、難曲が終わると
会場がスタンディングオーベーション、拍手が鳴り止みません。
アンコールの1曲目は、ショパンの遺作のノクターン。
随分昔になりますが、ナチスドイツから命辛々逃げおおせた
ユダヤ人ピアニストの映画「戦場のピアニスト」のテーマ曲のノクターンです。
少しゆったり目のテンポで、これまで何人かの演奏を聞きましたが
これほど温かく優しい演奏は初めて。老齢のその深さとは違った
若々しくて温かい「品の良さ」がホールに満ち溢れて
思わず涙腺が緩んでしまいました。
反田さん小林さんも素晴らしいけど、全然違いました。
こういう言い方をすると叱られるかもしれませんが、反田さんは「策士」
日本の音楽界をいずれリードしていかれる事業家でもありますが
ショパンコンクールの覇者ブルース・リウさんは、天性の感性の持ち主。
計算されたものがあるとしたら、それぞれの曲に
FAZIORIのピアノでそれぞれの色を魅せて、聴衆を虜にしてしまいます。
アンコール曲の5曲目の「ラ・カンパネラ」が鳴り出すと
会場から一瞬の響めきが響きました。
いろんな方が弾かれていますが、猛烈な速さの連打はまさしく「鐘」
この曲で最後という感じで、胸に手を組まれて感謝の表情と共に
深々とお辞儀をされて引っ込まれても、みんな全く席を離れようとしません。
最後にマズルカか?ワルツ?と思いましたが、短い作品で終わられました。
妹と、これまで聴いた赤松林太郎さんも素敵だけど
やっぱり「別格」だったという評価で話が尽きません。
興奮冷めやらない気持ちで帰途につきました。
ほんとに行ってきて良かった‼️