中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

「隆蓮」で芝海老と卵の炒めを食べながら知ったブクブク交換

2011年07月02日 | 中華街(開港道・広東道)

 オープン当初は空っぽだった「隆蓮」のショーウィンドーに、こんな挨拶文が出ています。

 総料理長は陳民楷さんというんですね。このお名前をキーワードで検索してみたら、こんな記事が出てきました。

 古代小麦を使った特注麺?

 そういえば、先日ここでランチを食べていたとき、テーブル席に数人の中華街関係者がいらっしゃって、「古代麺…云々…新聞で~」などと話されていたのを思い出しました。

 あのお話が、これだったんですね。

 そしてお店を開いた関野隆徳さん、どこかで聞いたお名前だと思ったら、中華街コンシェルジュじゃないですか。
 
 それであの日、菜香グループの総帥も食べに来られていたんだ…。


 これは総帥もお食べになっていた芝海老と卵の炒め。

 ここのランチの基本は、Aが料理+ライス+スープ(500円)。
 これにシュウマイ2個と杏仁豆腐を付けたのがBランチ(650円)。
 Cランチは料理+ライスが麺に替わるようです。

 さて、この日のランチ、芝海老となっていたから小さなものを想像していたのですが、なかなかプリッとした中型の海老でした。
 ややうす味の仕上がりで、穏やかに美味しい。
 昨今流行の「激辛過ぎて味も分からない」という“過激派ランチ”とは一線を画しているようです。
 
 「うす味と不味いは紙一重」と、どなたかが書いておられますが、ここのもまさに紙一重。
 美味しいです~。もちろんスープも。

 シュウマイはちょっと…あれかな。私には硬く感じました。

 でも、他の店ならトッピングなしか、せいぜいグリーンピース1粒なのでしょうが、ここのは海老が鎮座していました。
 「隆蓮」のこだわりなのでしょうか。


 食後の杏仁豆腐。

 フワトロでもない、ムースっぽくもない、流行のスタイルでもない、たぶん昔風でグレードの高いもの、そんな気がしました。

 美味しい杏仁豆腐を食べながら、壁の張り紙に眼をやると、なんだか面白そうな記事が。


 ブクブク交換を紹介する「図書環だより」の書き込みのようです。


 あらかじめテーマを決め、そのテーマに沿った本を持ち寄って交換する「BookとBookの交換」、略して「ブクブク交換」というものが紹介されていました。
 ブックブック交換と物々交換をかけてネーミングしたようですね。

 主催者が指定した会場に集まった人たちは、自分が持ってきた本に関してプレゼンしたあと、参加者同士でその本についていろいろなことを語り合い、持ち込んだ冊数と同じだけの本を頂いて帰るという仕組みだそうです。

 初めて知りました。
 この張り紙記事では会場が「バー」になっていましたが、それを中華料理店にしてもいいんじゃないでしょうか。
 テーマは「中華料理」、「華僑」、「中国文学」、「中華街」、「麻雀」…と、何でも考えられます。


 この方は「ニッポン放浪宿ガイド200」と、日本ナポリタン学会会長の「麺食力」の2冊を提供し、「アメ横の戦後史 カーバイトの灯る闇市から60年」と学園漫画をゲットしてきたとのこと。


 ブクブク交換の主宰者であるテリー植田さんが開催する交換会だけでなく、そこに参加した人が次は自分が開催者となることができるそうです。
 ということは、いずれ「ブクブク交換in横浜中華街」なんて可能性も!

 とりあえずブクブク交換のHPを確認しておきましょうか。

 
 ところで、これと似たようなシステムで「ブッククロッシング」というのもありますよね。私も会員になっておりますが。

 読み終わっても簡単に売ったり、捨てたりすることのできない本、でも、その本の良さを誰かに知ってほしい、さらにその感想を誰かと分かち合って楽しむ、それを可能にするのがブッククロッシングです。

 IDラベルを貼った本が世界中のどこかの拠点に置かれ、それを持ち帰った会員が読んだあとの感想などをHPに書き込み、その後は本をどこか次の拠点にリリースします。
 つまり1冊の本が個人によって運ばれ、世界中を旅していくわけです。このIDラベルによって本が今どこにあり、誰がどんな感想を書いているのかが分かります。

 旅する書籍とインターネットが、顔の見えない本好きの人たちを結び付けているといえるでしょう。1冊の本がつなぐ人との絆。
 横浜のリリースポイントは都筑区と中区黄金町。後者は京急高架下「黄金スタジオ」内の「カフェ&ライブスペース“試聴室その2”」というお店です。


 読書というのは極めて個人的なもので、子どもの頃はひとり、勉強机の前や寝床の中で読んでいたものです。
 読後の感想文を宿題として先生に渡すことはあっても、みんなで共有するなんてことはありませんでした。

 それが大学生になってからは仲間と読書会などを開催し、みんなが同じ本を読んで青臭い討論をしたりするようになりました。
 当時は読むのが早かったから、仲間内の回し読みも回転が早かったんですね。今じゃぁ、そんなのは無理ですけど…

 それがインターネットの普及と共に、ブッククロッシングのような仕組みが出来上がり、世界を股にかけた“壮大な回し読み”が可能となりました。
 しかも、読者はネットで繋がっていて、昔の読書会のように特定の場所に足を運ばなくてもいいのです。

 でも、会員の顔が見えない。まあ、オフ会でもやれば別ですが、通常は仮装読書会といった感じにならざるを得ません。
 
 そこで新たな手法として登場したのがブクブク交換なのでしょう。これは一冊の本を参加者全員が読んで中身を共有しているわけではないので、読書会とは異なりますが、ネットを通じて知らない人たちが集い、交換することによって本が旅をしていき、ついでに参加者同士が知り合いになる、素晴らしい仕組みを考えたものだと思います。

 そして、ブッククロッシングもブクブク交換も両方とも、カフェやバー、あるいは料理店などとコラボし、これらを巻き込んでいくことによって、雑誌的な発想になりますが、“立体特集”的な新しい動きが広がっていくのではないでしょうか。

 一方で、出版社や作家にとっては、販売が…ゴニョゴニョかもしれませんが…。


 こんなことを教えてくれた「隆蓮」。
 別な日のランチメニューです。

 ねぎチャーシュー麺、古代麺なのでしょうかね。
 食べてみたいです~。

 それと、ランチ以外のものもね。


←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね

「ハマる横浜中華街」情報はコチラ⇒




コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« いやな気がしていたんだよね… | トップ | ギョ、ギョッ! »

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
当初 (ふ゛り)
2011-07-02 15:13:00
お酒をメインに洒落たお店、という噂を聞いたのですが、前の「廣東」さんにも似た純広東な単品料理中心のお店で、夜のひとりメシ食いの私にも使いやすそうです。
返信する
 (管理人)
2011-07-03 22:47:50
>ぶりさん
酒もいろいろ置いていました。
「広東」と似ていますね。
今度は呑みに行ってみっか。
返信する
貸切 (陸羽)
2011-07-03 22:50:34
7/3に行ったら、「貸切」嗚呼。
返信する
あらら (管理人)
2011-07-03 23:09:45
>陸羽さん
残念でしたねぇ。
小さい店だから、こういうこともあるんですね。
火曜日が定休日だそうですよ。
返信する
輪番 (陸羽)
2011-07-03 23:57:21
>火曜日が定休日だそうですよ。
了解です。
職場が節電のための輪番対応で、9月いっぱいまで、
月・火・水休みになりました。しばらくは、いろいろ
ランチも楽しめそうです。
ただ、炎天下出かける気になれるかという難問が・・・
返信する
すごい (管理人)
2011-07-04 08:39:01
>陸羽さん
週休3日ですか!
中華街でランチ三昧ですね。
でも、暑い日は避けて……
返信する
行ってきました (ふ゛り)
2011-07-22 09:47:17
昨今の新店とは違う流れのこちら、期待が注がれておりますが、私にはとても合うお味でした。

華僑の作る広東料理とは何かを考えられそうです。
返信する
やっぱり (管理人)
2011-07-23 15:27:02
>ぶりさん
美味しかったでしょ。
お口に合うと思いました。
返信する

コメントを投稿

中華街(開港道・広東道)」カテゴリの最新記事