中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

いやな気がしていたんだよね…

2011年07月02日 | 中華街いろいろ

 皆さんはご自分の験担ぎ(げんかつぎ)っていうものを何か持っているでしょうか。

 相撲取りなら勝っている間は髭を剃らないとか、「リーチ・一発・ツモ!」を狙うときは左手でツモルとか、人によって、事象によって、それはさまざまですが、タモリは毎朝出かけるときに「左足から靴を履く」と決めているそうです。

 私にもそういう験担ぎがあります。それは、中華街の牌楼を通過するときに、「左端をくぐる」ということです。
 毎朝、仕事に向かう途中に牌楼があり、いつも左端を通っています。

 ですが、28日(火)は暑さのせいかフラフラと真ん中を通過してしまいました。
 3歩ほど進んだところで「あ、いけない!」と気がつきましたが、時既に遅し…。
 戻って通り直すか、なんて考えながらも、時間が気になってそのまま先に進んでしまいました。
 それからしばらくは、何だかいやな気がしてなりませんでした。

 …まずかったなぁ~、朝のテレビで見た星座占いでも最悪だったし、今日一日無事に過ごせるのかなぁ…
 …なんで真ん中に行っちゃったんだろうか…

 なんて考えながら歩いているうちに、ものの3分ほどでそのことはすっかり忘れてしまいました。

 そして昼…

 ランチを食べる候補店を2つ3つ用意して、そこを巡回しながら決定しようと思っていたら、近くの店でこんなメニューを見てしまいました。

 冷やし生馬麺!

 冷やしサンマー麺といえば、本牧の「喜楽」が有名ですが、この中華街でもこれを出す店があるんだァなどと感激し、ついフラフラとその店に入ってしまいました。
 それが“日替わりランチ”だったから、余計に食指が動いたんでしょうね。

 ドアを開けて中に入ると、お客さんは半分くらい。
 しかし、先客が帰ったあとのテーブルは食器がすべて残っていて、座れる雰囲気ではありません。
 だから実質的には満席状態!

 お姐さんに一人である旨を告げると、「相席でお願いします」とのこと。
 適当なところに座って注文を取りに来るのを待ちますが、誰も来てくれません。
 周囲を見回すと、料理が運ばれてきていない先客が5~6名。時間は12時30分。従業員があわただしく動き回っています。

 なんだかヤバイなぁ…と思っていると、後ろの方から「まだですかぁ~」と催促の声が。
 すると今度はそれに重なるように、食事を終えて帰るお客さんが「お勘定、お願い!」とお姐さんを呼んでいます。
 
 姐さん:「あ、まだ杏仁豆腐が…」
 男性客:「仕事に間に合わなくなるからいいよ」

 どうやら時間切れでデザートを食べずに帰らざるを得なかったようです。
 カウンター横の冷蔵ケースを見ると、中は空っぽ。小分けした杏仁豆腐がすべて出払っていました。

 そこでお姐さんが、大きな容器からガラス製の器に杏仁豆腐を入れる作業を始めます。しかし、その間にも出来上がった料理が厨房からどんどん出されて、カウンターの上に並んでいきますが、それを待っているお客さんのところにはなかなか運ばれていきません。

 こんな状態ですから、私のところにお茶を持ってくるどころか、注文も取りに来れない。それでもなんとかお姐さんをつかまえて、「22番をお願いします」と伝えましたが、メモを取るわけでもなく忙しく動き回っているので、なんとなく不安……。

 相席の女性もソワソワしながら厨房を見たり、従業員に「あとどのくらいかかりますかぁ?」などと聞いたりするのですが、なかなか要領を得ません。
 かなり痺れを切らしているのは、見た目ですぐ分かりました。それでも、7分後には彼女の注文品が到着。
 
 《次は自分の番かな》と思いながらカウンターを見ると、さっきからずっと運ばれるのを待っている黄色っぽい料理がまだ残っているのに気がつきました。
 
 料理人:「これは? まだ出してないの?」
 姐さん:「お客さん、遅いから帰るって…」
 
 どうやら他にも痺れを切らして帰ってしまった人がいたようです。

 そんな状況を眺めているうちに、やっとお私のお皿が登場しました。しかし目の前に置かれた料理は、なんと、湯気を上げている炒め物じゃありませんか!

 わたし:「これ違いますよぉ」
 従業員:「えッ? 8番でしょ?」
 わたし:「いや、22番ですよ。今日の日替わり」
 従業員:「あれぇ…8番じゃなかったァ?」
 わたし:「いいえ、22番と言いましたよ」
 従業員:「じゃぁ、冷やし中華ですね」
 わたし:「冷やしサンマー麺だけど…」
 従業員:「冷やし中華ですね、すみません…」

 どうやら私のオーダーが厨房に正しく伝わっていなかったようです。
 そういえば、相席の女性が従業員に催促したときに、「8番ですよね」なんて言っていたのを思い出しました。

 これから作り直すのでは、もう午後からの仕事に間に合いそうもありません。
 かといって、間違って運ばれてきたものを食べる気も起きないし…
 
 それに「冷やし生馬麺」だと思っていたのに「冷やし中華」というし…
 まだ注文した品を作っていないし…

 ということでキャンセルし、思いっきり走った先は「聘珍茶寮」。
 こんなときに重宝なのが、「まるた小屋」とここ「聘珍茶寮」なのです。注文してから出てくるまでの時間が、いまのところ中華街の中でいちばん早いのではないでしょうか。

 暑いところに走ってきたから大汗…
 しかも残り時間がありません…
 
 そこで「マーライコウのアイス添え」をサックリと食べて行こうと思っていたのに…

 うっかり、こんなのを頼んでしまいました。





 熱くて、暑いです…

 さらに大汗が…

 あ~あ、朝、牌楼のくぐり方が悪かったからなぁ…
 残念なランチとなりました。


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2 コメント

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牌楼を (ふ゛り)
2011-07-02 15:27:03
くぐる際のジンクスは別として、テンパるお店を選んでしまうなんて、山下町ベテランランチャーの酔華さんらしくない。

山下町界隈の職場は昼休みは1時間でしょうか。
うちは45分なので、外で食事をする事自体が賭けであります。
返信する
たまたま (管理人)
2011-07-03 22:45:52
>ぶりさん
この店は、いつもこんなことがあるわけではないのですが、
たまたま運が悪かったようで…
昼休みが45分というのは厳しいですねぇ。
社食か弁当か、あるいはコンビニですね。
返信する

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