中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

8月30日は衆議院選挙だけではない 国民審査もあるぞ!

2009年08月27日 | Weblog

 あと3日で衆議院選挙。
 世間では『政権交代!』だの、『景気後退!』だのと非常に騒々しいことになっていますが、そんな騒ぎに心を奪われていていいのでしょうか。
 たしかに、それは重要なことではあるのですが…

 候補者が宣伝カーから撒き散らす絶叫に隠されてしまっているようですが、みなさん! ここは、ジックリと調べて考えなければいけないことがあります。
 それは最高裁判所裁判官に対する国民審査です。

 国民審査というのは、国民に不都合な意見を述べたり判決を下した最高裁判所裁判官を、罷免するかどうかの貴重な一票を行使できる制度です。
 
 その対象となるのは、最高裁の全裁判官かというとそうではなく、新しく最高裁裁判官となった人たち。つまり前回の国民審査以降、最高裁裁判官に任命された方ということになります。

 しかし、ある裁判官を罷免した方がいいのかどうかの、その判断基準は、どこに求めたらいいのでしょうか?
 
 まず頼りにするのは、「審査公報」でしょう。
 これですね。


 衆議院議員候補者の「選挙公報」と似ていますが、そこに書かれているのは、裁判官の略歴、最高裁において関与した主要な裁判での意見、そして裁判官としての心構えなどです。

 一見、中立公正な公的機関が書いたもののように錯覚してしまいそうですが、しかしこれは、衆議院議員候補者が自ら書いた選挙公報と同様、裁判官自身が書いた“自己申告書”なのです。たいていは客観性の乏しい資料と思われます。

 こんな重要な判断材料を、“審査される人”が書いて出すなんて、いいのでしょうか。
 これは私が勝手に言っていることではなく、ちゃんと最高裁判所裁判官国民審査法施行令規定されているのです。

第二十七条
審査に付される裁判官は、審査公報の掲載文を審査の期日の告示があつた日に中央選挙管理会に提出しなければならない。


 私たちが判断するに当たって最も重要な部分は、「最高裁において関与した主要な裁判での意見」だと思います。
 しかしここで問題になるのは、“主要な”ということです。“すべて”ではありません。裁判官が自分でいくつかの判決をチョイスしているわけですね。

 そうなると世間的にいろいろ問題になっている“裁判での意見”などは、「審査公報」に掲載しない可能性もあります。
 その典型的な裁判が御殿場事件だと思います。

 私自身はこの事件が冤罪だったのかどうかは分かりません。しかし、「なんか変だな」という思いはあります。
 そんな事件を裁いたときの裁判長が、今回の審査公報のトップに掲載されている方なのです。(この裁判に関与した裁判官があと数名、今回の審査対象になっています)
 
 この裁判で彼女はどのような意見を述べ、どんな判決を下したのか、審査公報には書いてありません。“主要な裁判ではない”からでしょうか。はたしてそうでしょうか。多くの有権者が知りたいと思うはずです。

 “上告棄却”だったからでしょうか。これだって判決のひとつです。

 あるいは“掲載スペースがたりなかった”からでしょうか。いえいえ、左端にかなりの余白があります。これだけのスペースが残っているのだから、あと1つか2つくらいの裁判例を載せられるはず。
 

 ほかにこんなこともあります。
 さすがにこんなことは審査公報に書いてありません。


 私たちが国民審査で1票を投じるに当たっての判断材料が、すべて開示されているわけではないのです。
  
 さらに問題なのは、いつも言われていることですが、投票の仕方。
 罷免したい裁判官に×をつける、罷免したくなければそのまま無印で、という方法には誰もがおかしいと思っているはずです。
 判断できず仕方なく無印で投票した場合、それは「信任」に分類されてしまうからです。
 
 国民審査については、まだ問題があります。
 それは期日前投票の開始日です。衆議院選挙は8月19日(水)からであるのに対し、国民審査は8月23日(日)からと、4日の差があるのです。
 8月19日~8月22日の間に期日前投票をした方は、後日もう一度、国民審査のために足を運ばなければなりません。

 今回の選挙は、市長選挙や市会議員補欠選挙も絡んできて、期日前投票の開始日はかなり複雑なことになってしまいました。
 でもそれは別個の選挙だから仕方ないといえば仕方ないことです。しかし衆議院選挙と国民審査は常にセットで投票が行われるもの。なぜ同時にスタートさせないのでしょうか。不思議でなりません。

 話が前後してしまいますが、国民審査の対象となる裁判官は誰かという問題。
 上に書いたように新任の方が対象となっていますが、その他に前回の国民審査から10年経過した裁判官という方も対象なのです。
 しかし、最高裁の裁判官は60歳を超えてから任命されるのがほとんど。そして70歳で定年を迎えるわけですから、実質の国民審査は新任のときの1回だけです。
 

 今年、わが国は“国民の理解しやすい裁判を実現するために”裁判員制度を開始しました。
 すこしでも分かりやすく、そして国民が参加できるよう、裁判制度を改革しているなかで、なんだか国民審査だけは旧態依然としているような気がしてなりません。

 

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2 コメント

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Unknown (小津 杉三)
2009-08-28 23:34:20
市長に立候補すると噂されている人物からの表明がまだありません。その他、市長が交代すれば、副市長も一部または全部が変わる可能性もあります。先日、市役所に勤める知人と一献交わしながら、その辺の話題で大いに盛り上がりました。
返信する
市長 (管理人)
2009-08-29 06:55:16
◆小津さん
市長候補のうちの一人は、「前市長の傀儡だ」と言っている市会議員もいます。
その人が当選した場合、どうなるのでしょうかねぇ。
まあ、とにかく選択肢が少なすぎます。
返信する

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