アメリカ山公園

みなとみらい線「元町中華街駅」に新しい出口ができた。 　アメリカ山公園口である。 　この出口に設置されているエレベーターとエスカレーターは改札の外にあるので、誰でも通行することができる。 　さっそく訪ねてみた。 　 　まだほとんど知られていないためか、無人状態のエスカレーター。人が乗っていなくても、常に稼動している。 　　 　そんなエレベーターを乗り継いで４階まで上がり、さらに屋上へと向かう。 　飛び出した先には、こんな光景が広がっていた。 　アメリカ山公園である。 　振り返ると、あまり見かけない景色が。 　右の白いビルは、国の合同庁舎。中税務署や入管などが入っている。 　その向こうには、近頃リニューアルしたマリンタワーが、鈍いねずみ色に輝いている。 　左は新しい高層マンション。３０階くらいあるのだろうか、かつての眺望が失われてしまっている。 　上の写真と同じような位置から撮影した明治時代の風景。 　中央の建物はグランドホテル。今は人形の家とその駐車場付近か。 　切妻屋根の大きな建物は旧ヘボン博士邸。ここが現在の合同庁舎である。 　アメリカ山公園を進み振り返ると、こんな風景が見られる。 　山手側の公園出入り口。門があるということは、おそらく夜間は閉鎖されるのであろう。 　この一帯がアメリカ山と呼ばれるエリアだ。 　山手に居留地ができたとき、ここはアメリカ公使館の用地として確保されたのであるが、実際には公使は住まず、書記官のポートマンが住んでいたという。 　太平洋戦争後はアメリカに接収され、敷地には米軍住宅が建てられていた。 　そんな経緯からこの場所がアメリカ山と呼ばれてきたのである。 　ちなみに、谷戸坂を挟んだ海側の山をフランス山という。やはり開港後にフランス軍が駐屯していたことによる命名である。 　門を出て右に下る坂がある。見尻坂だ。下から登ってくると、前を歩く人のお尻が目の前に見えるほど急坂であることから、こう名づけられている。 　この坂を下らずに真っ直ぐ進むと、すぐ右側に外国人墓地が現れる。 　フェンスの隙間から覗くと、シドモアさんのお墓と、彼女がポトマック河畔に植樹し里帰りした桜が望めた。 　山手本通りの歩道は、横浜の市電の敷石を再利用して造られている。 　元町公園付近の歩道。ずいぶん間の石が抜け落ちていると思ったら… 　こんな字が描かれているのだった。 　ヨコハマ 　誰が考えたのか分からないが、役所の仕事としてはヒット作品であろう。 　でも、これに気づく人は、少ない… ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね 「ハマる横浜中華街」情報はコチラ⇒