鄭容順の直言!

日頃気が付いたこと徒然に。

新緑がまぶしい。

2006-06-06 19:22:34 | 直言!
そんなとき待合室がまばらになってくると玄関の向こう側の新緑が目に飛び込んできた。萌える若葉だ。萌えるということは燃えることなのだろうか。いつのまにか背中をしゃんと伸ばしてみている。
萌える若葉に元気が出てきた。新しい芽吹きは自然に対する活力なのだろうか。
そこへ隣にすわっている高齢者の婦人は私に言う。
「さっき先生が出て行かれてまだ時間がかかりそうです」と話される。隣にかすわったのも何かの縁、右隣の人も話し出した。「患者の検査に行かれたので時間がかかりますわ」と男性が話した。しばらくして男性が先に名前を呼ばれて診療室にはいっていった。
「私来年、米寿です。これでも若いとき4回手術しています」といわれたがしゃんとして歩いておられる。
「元気そうですね」と話すと「そんなことないけれど」と言ったので「私は61歳と少しですがあちらこちらと痛んで元気もなくなって」というと「60はまだまだ若い。今は40代も50代もかわらへん」という。私は「そんなことないです」と言ったら「いや。まだ若いから働きなさいよ。私はまた゜そんな年にはまだ元気とおもっていましたから」という。
なるほど私の世代は根性無しなのか。社会が高齢者に見立ててしまったのだろうか。
戦前・戦中・戦後を生き抜いてこられた米寿を迎えるこの高齢者の婦人、私のいうことは甘い、甘いと思っておられるかもしれない。
地味なおばあちゃんなのにどこか粋があった。上品なおばあちゃん。その杖はかわいい花柄の入った杖だった。さりげないおしやれにどんな人生を歩んでこられたのだろうかとふと気になる人だった。診察を終えて会計の計算を終えると帰られるときに頭を下げていかれた。
さて今度あったら顔を忘れている。これは困った。さてとあの花柄の杖を目安にしよう。
しかし整形外科ははなんと高齢者の婦人が多いこと。膝治療が大方である。
そしてたまに若い女性の方がこられる。
なにかと思ってみていると「バイク」でひっくりかえったという人が今日2人きていた。
バイクは今も昔もかわらずこわい。注意してのらないといけない。
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私は37歳の冬、バイクで直進している。青信号で直進している。
それなのに右折してきた軽ワゴンが私のバイクは直進していた前のトラックで見えなくて横からあたってきた。
私はひっくり返って少し気を失った。
すぐ起き上がるとまわりから「生きている。生きている」と声がした。恥ずかしくて、恥ずかしくて---。そのまま近くの病院にいったが後で夫にものすごく怒られた。そんなときはすぐ救急車をよぶことですぐ俺に会社に連絡をしないといけないといった。現場状況の把握をしなければならないとものすごく起こられた。
当時はおとなしくてあんまりはなさない人だったがいざとなったときは家族というところを見せ付けたことは今も頭に残っている。
近鉄奈良駅近くのたかま交差点でのことだった。
入院はしなかったが毎日近くの病院に通院して2ヶ月から3ヶ月、絶対に安静だった。頭に内出血をしていた。
こうしてまた生かされている。目に見えないものが助けてくれた。
自動車学校に通う矢先だったが運転は向かないということを悟り、ぶつかった瞬間を思い出してされからバイクも乗れなくなった。また町のど真ん中での自転車もぶつかった瞬間を思い出していまだに自転車は田舎道しかのれなくなった。
そして警察はあんたは何も悪いことはないが1つだけ悪かったと言われた。私は何ですかと聞くと「バイクにのっていたこと。バイクにのらなかったら事故おこしていない」といわれて最初びっくりしたがこれもそうだなと思った。それからバイクの免許は捨ててしまった。
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そんなことでバイクで事故した若い女性にふと私の37歳の冬を思い出した。
萌える若葉に病気をしていたころ、この新芽の息吹に生きなければ、と元気付けられたものだった。気合のはいる萌える若葉、新緑の季節が病院の玄関の向こうにひろがっていた。
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