アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

ヤスミン・アフマド、あなたのことは忘れない

2012-07-10 | 東南アジア映画

間もなく、マレーシアの女性監督ヤスミン・アフマドの命日がまた巡ってきます。脳溢血の発作に襲われ、2009年7月25日に帰らぬ人となったヤスミン。7月が来ると、思い出してしまいます。下の写真は、昨年の今頃マレーシアで行われた回顧上映のフライヤーです。

彼女が生涯に残したのは、7本の劇映画(うち、1本は短編)とたくさんのCF。劇映画はこの7本です。

『ラブン』 Rabun (2003年/85分)

『細い目』 Sepet (2004年/107分)

『グブラ』 Gubra (2005年/113分)

『ムクシン』 Mukshin (2006年/97分)

『ムアラフ 改心』 Muallaf (2007年/87分)

『タレンタイム』 Talentime (2009年/120分)

「チョコレート」 Chocolate 『15 Malaysia』 (2009年/4分)

 個々の作品の紹介は、昨年の今頃ユーロスペースで行われたヤスミン・アフマド特集上映のサイトをどうぞ。YouTubeには、これらの作品の予告編のほか、ヤスミンのCF、それからインタビューやニュースなど、たくさんの関連映像がアップされています。そのうちのいくつかにリンクを張っておきましょう。

まず、遺作となった「チョコレート」の映像。それから、そのメイキング。メイキングはピート・テオが撮っています。ヤスミンのミューズ的存在である女優シャリファ・アマニが、「眠いの~」と訴えたり、その相手役のカーホウ君(『タレンタイム』に出ていたカレ)が、最初ピアスをしていて撮影ではそれをはずしているなど、裏側が見られてとても興味深いです。ミュージシャンのピート制作なので、もちろん素敵なBGMも付けてあり、ヤスミンの何ともチャーミングな笑顔も見られます。 

次は、ヤスミンの生涯を紹介した「Star」の番組。コンパクトによくまとまっており、彼女のCFディレクターとしてのキャリア時代から、彼女が最後を迎えた病院まで、2005年のインタビューを夾みながら、彼女の足跡が紹介されています。

そして、2009年7月21日に行われた「One Malaysia」(マレーシア政府のスローガン)に関するインタビュー。おそらくこれが最後のインタビューだと思われます。時々マレー語が混じりますが、基本的には英語です。

最後に、私の大好きな『ムクシン』ラスト。クロンチョンを歌うヤスミンのお母さんと、伴奏をするお父さん。そこへヤスミンが妹オーキッドさんの肩を抱いて加わり、やがて全スタッフが画面に入ってきて、手拍子したり踊ったりと祝祭的雰囲気に。型破りの、そしてとてもチャーミングなエンディング・シーンでした。 

今、兵庫県の地方紙「神戸新聞」に半月に1度の割合でエッセイを書かせてもらっているのですが、今日の夕刊には「ヤスミン・アフマドを偲ぶ」という拙文が掲載される予定です。1面の下の方ですので、神戸新聞夕刊を目にされた方はチラとご覧になってみて下さいね。

 


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2 コメント

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Unknown (りからん)
2012-07-10 21:43:15
ヤスミン監督が亡くなってから、いろんな上映の機会があって作品を見たので、逆に近くに感じるような気がしてました。でももう遠い遠い存在なのですよね。合掌。
昨年のユーロスペース回顧上映からもう1年…「タレンタイム」に2度目の恋(まさに恋でした)に落ちて、1ヶ月後にはKLに飛んでいた去年の夏でした。
今年は「ラ・ワン」にハマり、今日発表になったメインコピーの佳作(たくさんあるのですが)に応募作を入れてもらえました。上映館も増えて(新宿武蔵野館他)、宣伝部員になりきりの夏です。
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りからん様 (cinetama)
2012-07-11 09:33:20
コメント、ありがとうごさいました。
ヤスミン・アフマド監督作品の上映について、新しい情報が入りましたので、今夜にでもアップします。今年の夏も上映あります!

「ラ・ワン」のキャッチコピー、面白いのやらカッコいいのやら、いろいろありましたね。佳作に入選なんてすごいです。あ、りからんさんのを発見! 目いっぱい盛り込み型ですね、いいところが全部網羅されてます。
皆さんもぜひ下記「ラ・ワン」公式サイトでご確認下さい。
http://www.uplink.co.jp/raone/contest.php
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