7日(土)に終了した第21回東京フィルメックスですが、本日、作品配信に関する詳細が送られてきました。いただいたリリースをほぼそのまま貼り付けます。
10月30日から11月7日にかけて開催された第21回東京フィルメックスの上映作品の中から12作品をオンライン配信いたします!
本年度もアジアを中心とした素晴らしい作品を取り揃えましたので、是非ご期待ください!なお、上映スケジュール、チケット販売方法は近日、公式サイトにて発表致します。
実施期間:11月21日(土)から11月30日(月)まで
料金:1作品1,500円均一
決済方法:クレジットカードのみ
視聴方法・諸注意:
・作品の購入後から48時間以内再生可能。再送開始時点から更に72時間以内に視聴可能時間が終了になります。
・配信は特設サイトよりご覧頂けます(11月21日よりアクセス可能)。詳細は映画祭HP からご確認下さい。
・日本国内からの視聴可能となります。海外からのご利用はできません。
・各作品には視聴可能者数制限があり、視聴可能者数は作品ごとに異なります。
・対象作品は11月16日(月)現在での予定です。急な変更の可能性がありますので、予めご了承下さい。
■オンライン上映対象作品
『風が吹けば』
フランス・アルメニア・ベルギー / 2020 / 100分 / 原題:Should The Wind Drop
監督:ノラ・マルティロシャン(Nora MARTIROSYAN)
アルメニアとの国境に隣接し、アゼルバイジャンからの独立を主張するナゴルノカラバフ地区。戦争で破壊され、停戦後に再建された空港を調査するために来訪したフランス人技師が見たものは……。「カンヌ2020」に選出されたノラ・マルティロシャンの監督デビュー作。
『死ぬ間際』
アゼルバイジャン・メキシコ・アメリカ / 2020 / 88分 / 原題: In Between Dying
監督:ヒラル・バイダロフ(Hilal Baydarov)
タル・ベーラの薫陶を受けたアゼルバイジャンの新鋭ヒラル・バイダロフの長編劇映画第2作。行く先々で死の影に追われる主人公の一日の旅を荒涼たる中央アジアの風景を背景に描き、見る者に様々な謎を投げかける。ヴェネチア映画祭コンペティションで上映。
※フィルメックスコンペ部門最優秀作品賞受賞
『迂闊(うかつ)な犯罪』
イラン / 2020 / 139分 / 原題:Jenayat-e Bi Deghat جنایت بی دقت / 英語題: Careless Crime
監督:シャーラム・モクリ(Shahram MOKRI)
1979年イスラム革命前夜、西欧文化を否定する暴徒によって多くの映画館が焼き討ちにされた。それから40年後、4人の男たちが映画館の焼き討ちを計画する……。奇抜な発想を知的な構成で映画化したモクリの監督第4作。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映。
『イエローキャット』
カザフスタン・フランス / 2020 / 90分 / 原題: Yellow Cat
監督:アディルハン・イェルジャノフ(Adilkhan YELZHANOV)
カザフスタンの草原地帯を舞台に、裏社会から足を洗って映画館を開こうとする前科者の主人公の苦闘をコメディ・タッチで描いた作品。その多くが国際映画祭に選ばれている俊英アディルハン・イェルジャノフの最新作。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映。
『アスワン』
フィリピン / 2019 / 85分 / 原題: Aswang
監督:アリックス・アイン・アルンパク(Alyx Ayn ARUMPAC)
麻薬患者や売人をその場で射殺する権利を警察に与えたフィリピンのドュテルテ政権。その政策の下で苦闘する人々を追ったドキュメンタリー。題名はフィリピンの民間伝承に登場する妖怪の名からとられた。アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で上映。
※すさまじいフィリピンの現実。ブリランテ・メンドーサ作品真っ青のドキュメンタリー。オススメです。
『無聲(むせい)』
台湾 / 2020 / 104分 / 原題:無聲 / 英語題:The Silent Forest
監督:コー・チェンニエン(KO Chen-Nien/柯貞年)
聾唖学校に転校してきた少年がスクールバスである“ゲーム”を目撃する。それは彼がその後目にする残酷な現実の序章に過ぎなかった……。台湾で実際に起こった事件を元にしたコー・チェンニエンの監督デビュー作。台北映画祭でオープニング作品として上映された。
『デニス・ホー:ビカミング・ザ・ソング』
アメリカ / 2020 / 83分 / 原題:Denise Ho: Becoming the Song
監督:スー・ウィリアムズ(Sue WILLIAMS)
ジョニー・トーの『奪命金』に主演するなど俳優としても活躍する香港の歌手デニス・ホー(何韻詩)を追ったドキュメンタリー。パワフルな数々のコンサート映像に加え、同性愛者であることのカミングアウト、雨傘運動に対する支援など、ホーの様々な側面がとらえられている。
※デニス・ホーの強靱さに打たれる秀作。彼女の政治活動の同志として「達明一派」のアンソニー・ウォン(黄耀明)が登場、またアニタ・ムイ(梅艶芳)の懐かしい映像も。香港映画好きは必見。
『日子』
台湾 / 2020 / 127分 / 原題:日子 / 英語題:Days
監督:ツァイ・ミンリャン(TSAI Ming Liang/蔡明亮)
郊外の瀟洒な住宅に暮らすカンは首の痛みをいやすために街に出てマッサージ師を呼ぶ。やがて一人の移民労働者がカンが宿泊するホテルを訪れる……。対照的な境遇の二人の男の出会いを描いたツァイ・ミンリャンの最新作。ベルリン映画祭でテディ審査員賞を受賞。
『海が青くなるまで泳ぐ』
中国 / 2020 / 111分 / 原題:一直游到海水変藍 / 英語題:Swimming Out Till The Sea Turns Blue
監督:ジャ・ジャンクー(JIA Zhang-ke/賈樟柯)
文学者たちへのインタビューを通して近代中国のこの70年の変遷を描いたドキュメンタリー。映画「活きる」の原作者として知られるユェ・ホァら世代の異なる4人の作家たちが自己の体験や中国の社会、文化に対するそれぞれの見解を語る。ベルリン映画祭で上映。
※ユェ・ホァ(余華)のお話が抜群に面白い。オススメです。
『平静』
中国 / 2020 / 89分 / 原題:平静 / 英語題:The Calming
監督:ソン・ファン(SONG Fang/宋方)
『記憶が私を見る』で高い評価を受けたソン・ファンの監督第2作。東京から越後湯沢、香港へと旅するアーティストを主人公に、友人や家族との会話の中で自己の“平静”を取り戻してゆく女性を描く。渡辺真紀子が出演。ベルリン映画祭で国際アートシネマ連盟賞を受賞。
『消えゆくものたちの年代記』
パレスチナ / 1996 / 84分 / 原題: Chronicle of a Disappearance
監督:エリア・スレイマン( Elia SULEIMAN )
ヴェネチア映画祭で最優秀新人監督賞を受賞し、スレイマンの国際的評価のきっかけとなった記念すべき長編デビュー作。普通の人々の何気ない日常生活を点描的に描きつつ、政治や社会を鋭く風刺するその後のスレイマン作品のスタイルが既に確立されている。
『D.I』
フランス、パレスチナ / 2002 / 92分 / 原題:Divine Intervention
監督:エリア・スレイマン( Elia SULEIMAN )
イスラエル領とパレスチナ自治区とに分断されたパレスチナ人カップルを主人公として中東問題を膨大なギャグとユーモアを交えて描き、カンヌ映画祭で審査員賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞したスレイマンの代表作。原題は「神の手」という意味であるという。
公式サイトには、「『マイルストーン』は作品権利者側の都合により、配信はキャンセルとなりました」というお断りも。インド映画をご覧になりたかった皆様、残念ですね。私も久々のフィルメックスでの字幕翻訳担当作品だったので、見ていただきたかったのですが、残念です。1本1,500円なので(シニア割引があればなあ...)、見逃した作品全部を見るわけにもいかず、目下厳選中。見ていただきたい作品には、※印で推薦の言葉を書いておきましたので、ご参照いただければ幸いです。アジア映画好きの皆様、フィルメックス応援のためにも、ぜひ1、2本ご覧になって下さいませ~。