今年も、カンヌ映画祭から戻った石坂健治さんがデータ本「MARCHÉ DU FILM」を送ってきて下さいました。毎年、本当にありがとうございます。このデータのおかげで、アジア映画の動向がよくわかります。
今年のデータを加えた、3年間データは次の通りです。(画像になっていますので、拡大してご覧下さい)
まず目を引くのは、中国の「観客動員数:16億2,000万人」という大幅な増加と、韓国の製作本数というか公開本数の右肩上がりのすごさと、インド映画の「自国映画占有率:93.0%」という奇跡の回復です。中国は10年前まで400本台だった年間製作本数が2010年あたりから急カーブを描いて増加、現在じりじりと1,000本に近づいているのですが、観客動員数も2017年は驚異的に増加し、インドの20億人前後という数に迫りつつあります。製作本数はまず抜かれないと思いますが、観客動員数はそのうち中国がインドを抜いてアジア第1位になるかも知れません。
韓国は、10年前までは100本台だった韓国映画公開本数が、2014、2015年には232本と増加傾向になり、あとは上記のようにホップ・ステップ・ジャンプで500本に迫ってきました。現在のアジアでは、「できのいい映画度」は一番高いと思われる韓国なので、まだまだ伸びるかも知れません。
そして、インドの自国映画占有率、つまり、全興行収入に占める自国映画が稼ぎ出した興行収入の割合は、何とまた90%超えに戻しました。昨年は『バーフバリ 王の凱旋』が4月にインドで公開され、日本以上のブームを巻き起こしたせいかも知れません。「知れません」ばっかりなのですが、このあたりを分析すると、各国映画界動向の核心に迫れそうです。アジア映画好きの若い皆さん、アジア映画研究の道に踏み込んでみませんか?
2015年: 91本
2016年:112本
2017年:116本
となっています。
一部、映画祭上映作品が後に一般公開された場合のダブルカウントが紛れ込んでいたりもしますが、だいたい間違いのない数値であろうと思っています。
いつも補足して下さってありがとうございます。
Wikiが取れるデータを、なぜカンヌが取れないのか、ちょっと謎ですね-。
お金も人脈もいっぱい持ってるくせに、情報収集しなさいよ、カンヌ映画祭!
ハイヒール履いてないとレッドカーペットは歩かせない、とか言ってるんじゃないわよ!(八つ当たり)
とか言いつつも、是枝監督の持っていたトロフィーを見て、「カンヌのヤシの木で、誰か会場までびよ~んと飛べばいいのに」と楽しんでいたのでした。