アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

グレゴリ青山さんの本「グレさんぽ」で癒やされる~

2017-09-07 | 日常

地獄の3日間集中講義がやっと終わりました。ある大学でやらせていただいている「アジアの映画」という授業なのですが、1学期分の15回を何と3日間でやってしまおうというハードスケジュールなので、終わるともうヘトヘト、廃人同然です。聞いている学生たちも大変なのですが、15回分皆勤賞の人も結構いて、朝早くから遅れずに1限目の授業に出席する姿に感心しました。面白いと言ってくれる学生や、一生懸命試験に取り組む学生との会話など、今年も楽しい思い出がいっぱいできました。でも反対に、何とかサボろうと「中抜け」する学生もいて、授業が始まるとそっと姿を消し、出席カードを集める頃に戻ってくるのですが、こちらがちょっと早く終わったりするともうバレバレです。授業中寝ていても許しているのに(ただし、いびきをかくと授業妨害なので起こす、と言ってあります)、とにかく座って辛抱していることができないスマホ世代人間たち。「ズルする」が限りなく「不正」に近くなっているので、最後にはきつく注意したのですが、わかってくれたかなあ。


そんなヘトヘトになって帰宅し、大急ぎで出席のまとめと試験の一部採点をしてバタンと寝る毎日の慰めは、先日グレゴリ青山さんが送って下さった上のご本「グレさんぽ~琵琶湖とかインドとか~」(小学館、1,111円+税)でした。以前ご紹介した「スケオタデイズ」(KADOKAWA 2015&2016/ご紹介はこちらこちら)のキラキララミネート風カヴァーとは違い、ぐっと和風で落ち着いたデザインの「グレさんぽ」。中身も琵琶湖巡りやら別府の温泉巡りやら、あるいは首都圏近郊へのミニ遠足風のお出かけやら、情緒たっぷりの旅のお話です。でも、そこはグレゴリさん、あっちこっちに笑いが潜ませてあって、「別府温泉のオキテ」や「羅漢像のつぶやき」には笑わせてもらいました。夜寝る前に10分読むだけで、集中講義の疲れも取れてスーッと夢の世界に入れるからあ~ら不思議。本当に助かりました。上の画像の帯を取った、和風総本家シール集みたいなグレゴリさんのカヴァー、じっくりと見ていただきましょう。(ホントに、シールにして発売してほしい。インドの踊り子さんとか、グレちゃん三色団子とか、デザインがどれも秀逸です)

この本のエピソードはどれもホントに面白いのですが、中でもエピソード丸ごと大笑いしたのが、最後の方にある「チチ松村境さんぽ」。有名なギタリストである「ゴンチチ」のチチ松村さんのお宅訪問時のエピソードで、そこはもう、「異境」と言っていい「チチ松村境」であった、というお話です。インド映画ファンも必見!のグッズも山とあり、これはマネしてみたい(?)「インドみやげゾーン」なのでした。チチ松村さんとは昨年の9月、福岡アジア文化賞でA.R.ラフマーンが来日した時に、グレゴリさんのご紹介でお知り合いになったのですが、その時もインド映画愛を示すものを見せていただきました。(その時のレポートはこちら。テンコ盛のラフマーンの写真を見ると、いろいろ思い出されます...)


そして、福岡と言えば、グレゴリさんの「グレさんぽ」のハイライトは何と言っても、2012年の1月21日から3月11日まで開かれた、福岡アジア美術館(略称:アジ美orあじび)の展覧会「魅せられて、インド-日本のアーティスト/コレクターの眼」の裏話シリーズ。「グレさんぽ」にも載っているチラシ、カラー版を上に付けておきましたが、ちょっと拡大して見ていただくと、サードゥ(行者)の右側にずらっと並んでいる出品者リストのうち、錚々たるアーティストの皆様のお名前に続く、我々コレクターの騒々たるコレクションにびっくりなさるはず。「そんな物が美術館での展示対象になるの!?」という品々を集めている我々も変わってますが、それを展示しようとするアジ美のIさんの発想も相当変わっています。「グレさんぽ」にはこのIさんが登場して、グレゴリさんと共に「グレゴリ堂ボリウッド本店」を作り上げるまでが描かれています。グレゴリさん、ちゃんとオタク魂の炸裂を自覚して描いているところが殊勝というか、笑えます。


上はチラシの裏側ですが、タイトルに添えられているガネーシャとハヌマーンの絵もグレゴリさんの作品で、これはよーく見ると非常に秀逸なデザインなので拡大して付けておきます。この本で初めて知ったのですが、「ガネ太郎」と「ハヌ次郎」という名前まであったそうな。知らずに大変失礼しました、ガネ様、ハヌ様。

私はこの時、2月12日に行われた講演会の講師に呼んでいただいて、展覧会もじっくりと見せていただいたのですが、これに合わせてグレゴリさんもわざわざ再度来福して下さって、Iさんと3人で楽しく打ち上げをしたのでした。その時、確か「グレゴリ堂」の写真を撮らせてもらったような気がしたのに、今いろいろ昔の画像を探してみても出て来ません。美術館なので写真撮影禁止と思って、自分のコレクションであるレターセットだけこっそり撮って、あとは拝見するだけにしたのかなあ(その時の報告ブログ記事はこちら)。あのすごい「グレゴリ堂」をここでご覧に入れられないとは、かえすがえすも残念です。ぜひ、「グレさんぽ」でご確認下さいね。インド映画ファンなら、よだれダラダラ間違いなしです! 「グレさんぽ」、アマゾン沼でのご案内はこちらです。

 


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2 コメント

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ありがとうございます! (グレゴリ青山)
2017-09-08 09:08:08
cinetamaさま
「グレさんぽ」丁寧に紹介してくださって感激です!ガネ太郎やハヌ次郎まで・・・ありがとうございます。あじ美での展示、楽しかったですね!自分以外のコレクターさんたちも熱くて。それを受け止めるIさん、タフでしたねー。思い出すたびにお疲れ様でした、とねぎらってしまいます。
この前いただいたお土産、タマリンドのお菓子、タマリンドの酸味と砂糖の甘さと、トウガラシのピリッと来る感じが絶妙で、くせになりそうです。それから、香港の月餅、中に卵黄が入っているのですね。月に見立てているのかな?こちらもとてもおいしいです。ごちそうさまです~~!
大学の授業、さぼる学生がいるなんて、その学生、もったいないことしてるなあ。cinetamaさんの授業なら私も受けたいです。
ではでは、また関西に来られることがあれば、遊びに来てくださいねー!
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グレゴリ青山様 (cinetama)
2017-09-08 11:04:21
あら~、早速にコメントをありがとうございます!
今、メールを出してお知らせしようと思っていたら、早くもコメントをいただいてしまい、すみません。

上に書いたように、本当に3日間助かりました。
先週のうちに大半は拝読していたのですが、最後のいくつかを読み残していたので、眠る前に扇風機にあたりながら読ませていただくのは「あ~極楽や~」でした。
ガネ太郎とハヌ次郎も、当時から素敵なデザインと思っていたものの、ハヌ次郎はヴィーナか何かを持っているのかなあ、と当時は的外れのことを考えていました。
今回、名前を知って、拡大鏡(老眼が進み、これなしでは仕事ができない...)で見てみたところ、あの「ラーマーヤナ」の「ハートを見せる」ポーズのパロディなんだとわかり、「ハートからコレクション」とは素晴らしい!と感動した次第です。

タマリンドの砂糖漬け、気に入って下さって嬉しいです。
実は私も、同じ物を昨日開けて、つまみ始めました。(やめられんがな~)
中の種を出す時の、あの舌触りも好きです。

月餅は、おっしゃる通り、塩漬け卵黄を月に見立てて、餡の中に入れてあります。
1個入り、2個入り等があって、餡も蓮の実の白餡、小豆の紅餡などいろいろあります。
今度香港にいらっしゃる時は、中秋節(今年は遅くて10月4日)前にいらして、榮華や奇華に積んである月餅の缶の山を見てみて下さいね。

「グレさんぽ」、続編、続々編と出ますように。
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