アジア映画巡礼

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「強制収容の記憶とテキストと視覚化―張先痴の著述をうけて」

2017-09-13 | 中国映画

専修大学の土屋先生から、お知らせをいただきました。下のように、中国のドキュメンタリー映画の上映と、その主人公を迎えての講演等が行われます。ご興味がおありの方はぜひ。

《癡》是關於老右派張先痴的紀錄片,美學風格非常獨特,個人經歷也很戲劇。《癡》電影海報

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「強制収容の記憶とテキストと視覚化―張先痴の著述をうけて」

今から60年前の1957年、中国の反右派運動で批判され、「労働教養」におくりこまれた張先痴さんは、強制労働に抵抗して脱走後、逃亡中に密告され、拘置所の独房に3年半監禁、労働改造所に入れられました。釈放・名誉回復後、その経験を書いて台湾の出版社から出版しました。本集会では、張先痴さんに強制収容の経験と、それを書くという行為について語っていただきます。あわせて、彼を題材とした映像(日本語字幕付)を上映します。

9月29日(金)18:45~21:00 専修大学神田校舎(神保町)1号館105教室
 邱炯炯監督『痴』(2015年、138分)上映

9月30日(土)13:30~18:00 専修大学神田校舎(神保町)1号館204教室
 一部
  13:30~13:50 主旨説明
  13:50~14:50 翰光監督による張先痴さんの紹介とインタビュー映像の上映
  15:00~16:30 張先痴さん講演「私はなぜ書くか」
  16:40~17:30 コメントと質疑(楊文婷夫人、秋山珠子)
 二部
  18:00~18:40 胡傑監督『グラーグの書(格拉古之書)』(2013年、38分)上映
  18:45~21:00 邱炯炯監督『痴』上映

*邱炯炯監督『痴』は、張先痴の幼少期(中国共産党による革命)から建国後の政治運動で批判されるまでを舞台劇にした映画で、そこに張先痴へのインタビュー映像を挿入している。

*胡傑監督のドキュメンタリー『グラーグの書』は、張先痴を収容施設のあった場所に立たせて、当時の生活について語らせるという手法をとっている。

張先痴:1934年生まれ。著書に『格拉古軼事』、『格拉古実録』、『格拉古夢魘』(近刊)
翰 光:1958年、中国東北部生まれ、ドキュメンタリー映画監督。1987年に日本留学、以後、日本で作品を作り続けている。代表作に『亡命―遙かなり天安門』(2011年)

コメント:秋山珠子(立教大学ランゲージセンター)
司会:土屋昌明(専修大学)  

■主催:専修大学視覚文化研究会 
■共催:科学研究費挑戦的萌芽研究「カルチュラル・アサイラム―中国インディペンデント・ドキュメンタリーの生成と流通―」(研究代表者:秋山珠子、課題番号:15K12846)
■協力:〈中国60年代と世界〉研究会、時代映像研究会
■問い合わせ:専修大学土屋昌明研究室 tuwuchangming@yahoo.ne.jp

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『痴(癡)』は以前、中国インディペンデント映画祭2015でも上映されましたね。『痴(癡)』の予告編はこちらです。残念ながら、日本語字幕も中国語字幕も付いていないので、上記のイベントで日本語字幕版をぜひご覧下さい。

邱炯炯《痴》预告片


もう1本上映されるドキュメンタリー映画『グラーグの書』の予告編も付けておきます。香港で2014年に上映された時のものです。「格拉古(グラーグ)」はロシア語の「ГУЛАГ(グラーク)」が語源のようで、強制収容所のことです。

華語紀錄片節2014-格拉古之書-預告片 Chinese Documentary Festival 2014 - The Book of Gelagu - Trailer





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