12月5日に公開された『プシュパ 覚醒』(2021)の続編『Pushpa 2: The Rule（プシュパ2 君臨）』。英語版Wikiを見ると、日本の横浜港からお話が始まるようですが、前作『プシュパ 覚醒』でもトップシーンは日本でした。多分に文化摩擦的なシーンでしたが、日本では結婚式の時三味線を贈り合う、その三味線に使われているのが、チェンナイから上海を経由して日本に運ばれてきた高価な木、紅木（こうき）である、と説明されていて、そこから紅木の違法伐採と運搬に大活躍するプシュパことプシュパ・ラージュの物語が始まったのです。この続編では、横浜港以降、どのようにお話が展開して行くのかわかりませんが、公開から10日、インド中の観客の心を捉えて放さず、また海外でも高興収を記録して、現在の興収は何と132億7千万ルピーとなっています。このまま行くと、インド映画歴代興収第3位（118億8千万–138億7千万ルピー ）の『RRR』（2022）に迫り、抜き去るかも知れません。第2位（174億7千万–250億ルピー）の『バーフバリ 王の凱旋』(2017)にまで迫るかどうかは今後の勢い次第ですが、勢いがいまだ衰えないので、ひょっとしたら、という感じも漂い始めました。まずは、『Pushpa 2: The Rule』の予告編をどうぞ。
Pushpa 2 The Rule Trailer (Telugu) | Allu Arjun | Sukumar | Rashmika Mandanna | Fahadh Faasil | DSP
この記事を書くために、『プシュパ 覚醒』の日本版ソフトを見直したのですが、何度見ても非常に面白い、ピカイチの娯楽作です。日本での公開が、「熱風!! 南インド映画の世界」というJAIHO配給によるミニ映画祭の中の1本、という扱いだったため、インド映画ファンの間に広く行き渡った感がなかったのが残念ですが、続編がこれだけ大ヒットしたら配給会社も新たな公開の仕方を考えて下さるのでは、と思います。願わくば、①『プシュパ 覚醒』のダイジェスト版を作り、それを付けて『Pushpa 2: The Rule』を公開する、②『K.G.F』のように、2本を同時公開する、のいずれかでやっていただくか、劇場ごとに、あるいは期間ごとに両パターンを上映して下さるとかして下さると、ありがたいですね。
『Pushpa 2: The Rule』は公開初日だったかにハイダラーバードの映画館サンデャーで、詰めかけた観客による将棋倒しの事故があり、女性観客が押されて亡くなり、その人の幼い息子が大怪我を負う、という不幸な事故がありました。アッル・アルジュンはすぐに亡くなった女性とその息子にお見舞い金を贈り、ケアをしたのですが、この事故の責任は映画館のオーナーと共に映画の製作チーム、アッル・アルジュン、彼の警備チームにもあるとされ、アッル・アルジュンは一時警察にも留め置かれました。数時間後に釈放された時の様子がYouTubeで見られますが、奥さん始め家族がとても心配していた様子がわかります。インド人の映画に対する熱狂ぶりはわかるものの、それが観客の不幸に繋がっては困りますね。
『Pushpa 2: The Rule』のソング＆ダンスシーンですが、現在YouTubeにアップされているものはまだ正式版とは言えないので、『プシュパ 覚醒』の方のシーンを付けておきます。私の大好きなソング＆ダンスシーンが2つあるので、それをぜひご覧下さい。最初の「Srivalli」は、プシュパ（アッル・アルジュン）が牛乳屋の娘シュリーヴァッリ（ラシュミカー・マンダンナ）に恋した状態を見せてくれるもので、私が「純情ステップ」と名付けた蟹の横歩き（！）みたいなステップが印象的です。２番目の「Oo Antava Mawa...Oo Antava（おじ様 認める？）」はいわゆるアイテム・ソングで、サマンタがとってもセクシーな踊りを見せてくれます。
Srivalli (Video) | Pushpa | Allu Arjun, Rashmika Mandanna | Sid Sriram | DSP | Sukumar |Aditya Music
Oo Antava Mawa..Oo Oo Antava Video Song (Telugu) | Pushpa Songs | Allu Arjun| DSP |Sukumar |Samantha
日本でも『Pushpa 2: The Rule』が公開されることを願っていますが、その前にロングランして、インドに行った時に見られますように。ガンバレ、プシュパ！
