今年のお花見

あたたかいというよりは、少し汗ばむくらいだった土曜日の午後、
風もおだやかで、子供たちが走り回る公園の雰囲気は明るい。
桜たちははらはらと花びらを散らしはじめていて。
やけに子供たちの声が響いているようにも感じるのだが、
それがかえって明るさの中の静けさを引き立たせているようにも。

明日にはもう散っちゃうんだろうね。

遠くにちょっと黒い雲の姿をとらえながら、
さっちゃんは水筒の水を口に運ぶ。
天気予報では、日曜日は朝から雪が降るという。
満開の桜を眺めるのは、今日がぎりぎりだろうね。
と言いつつも、今年はふたりでたっぷりお花見できたな～と。
あたたかい春の日のお散歩は、どこまでものんびりと進む。

このところの天気予報はほぼ外れていて、
土曜日の天気は終日雨予報だったはずなのだが、
いつの間にかしれっと予報が変わっている。
現在の天気を現在に報告しているっていう程度の情報しかおりてこない。
これじゃ天気実況だよね、って言いたくなるくらい。
実況を予報とは呼べない。
結局のところ、自分たちの頭上のお天気については、
自分たちで確かめなくちゃいけないわけだけど、
普通に考えればそれはあまりにも当然のことにも思える。
なにか文句を言おうという気にもならない。
はじめから信用してないなら、その情報に頼る方がどうかしている。
おだやかなお花見ができているのだから、それ以上に望むこともない。

雪はどれくらい降っているかな？
今朝、目覚めると、まずは窓を開けてみる。
どうやら雪は混ざっているようだけど、
言うのであればこれは雨。
空気はひんやりしているけれど、
いずれ春の雪になろうが、今日の予定にさほどの影響はない。

冷たい雨のなかで散っていくであろう花を思う。
花が散るならば、すぐに新緑が芽吹く。