初参加の小3男子AKTが動く。
他にも多少の移動があって、見た目には、ほぼ成立。
どういうわけか、毎回低学年か、初参加の子どもが移動して決まることが多い。
しばしばが見る限り、学年のバランスはいい。
初参加組も、ほぼそれぞれのチームに入っている。
(うーん、これでもうできたのか?)
さっきまでの雨が嘘のように、夏の日差しが照り始める。
自分たちで決めた2回目のチャレンジ≪10分≫と言う時間が、あと少し、と言う時になって、突然リーダーが、それぞれ意見を言い始めた。
「私のチームは、学年もいいし、初参加もいる。・・・・・・でも、〇〇のチームがバランスが悪いと思います。」
(ん?これは、お互いへの妥協のないチャレンジか?でも、もう時間ないぞー)
すると、
「私も、自分のチームはいいと思うけど、▽▽のチームは少し、偏っていると思います」
そして・・・・・時間切れ。
お決まりですが
「欲しい結果は作り出したのか?」
子どもたちは一様に下を向き
「できてません・・・。」
ボクから見て、もう十分にグループが出来ているように見えるのに、いったい何が「偏っているように」見えたのだろう??
一つ言えることは、意見を言うのは、大事な事だけれど、言いっぱなしじゃなくて、「どうすればいいと思うのか」までは伝えていないこと。
何だか、小学校や中学校のホームルームで、意見を出し合う優等生のように見えてくる。
「ナントカ カントカ だと思いまーす」
「私は、◇◇ちゃんとおんなじで、ナントカ カントカ だと思いまーす」
どうも、こういった本音の見えないやり取りが、しばしばは気に入らない。
「いいか、意見を言うのはいいことだ。でも、言いっぱなしじゃ、誰がまとめるんだ?しばしばがまとめちゃっていいのか?お前たちの5日間だ。リーダーだけに任せるな!お前たち一人一人のチームなんだぞ!!!」
しばしばのカツが入る。
だらだらとした空気が、暑い日差しとともにシャキッとしてくる。
ついに3度目のチャレンジ。今度は5分。
ようやく活発に意見が出始めて、ようやく完成。
その途端に、初参加のAIRがうずくまる。
疲れ?緊張?
おそらく、きっかけはしばしばのオソロシイ、チャレンジ。
その緊張と、早朝からの疲れと、急な暑い日差し。
今までにも、同じパターンで倒れる子どもはいたけれど、今回も同じだという保証はない。
こういう時は、いつもしばしばは本人と話をして見極めることにしています。
起きたことにパニック気味になり、泣きじゃくるAIR。
次第に、過呼吸気味になり、指先が典型的な「エビ」状態。
その対処をしながら、回復を待ちます。
おおむね、様子がわかったところで、何人かのサポーターに任せてボクは他の子どもたちのところ戻ります。
もちろん、グループは出来たけど、AIRをそのままにして、先には進めない。
こういう時には、子どもたちの集中が途切れてしまうことがある。
即座に、子どもたちを集めて、AIRの状況を伝えます。
「AIRが回復するまで、どうやって待ちたい?」
「そばにいる」
「見守る」
優しい子どもたちの意見が続く。
確かにそういう待ち方もあるけれど、体調の悪い時に、何十人も近くに居られたら本人だって気が気じゃない。
こういう時は、思いっきり楽しむ。
「コウモリと蛾、やるぞー!」
「なに?それ」
ネイチャーゲームで、子どもたちが大好きなゲーム。
全員で大きな輪を作り、その輪の中にコウモリを一匹。蛾を数匹。
コウモリは、目が見えないので、電波を発して餌である蛾のいる場所を突き止める。
そこで、コウモリは目隠しをして、「コウモリ!」と叫ぶ。
蛾は、それに答えて「蛾ッ!」と叫ぶ。
コウモリが蛾を捕まえる。
これがものすごく面白い。
逃げまわる蛾、手探りで捕まえようとするコウモリ。
終わると、
「コウモリやりたい」
「蛾やりたい」と、殺到する。
そして、ふと気づくと・・・・AIRがニコニコして回復している。
子どもたちの本気で楽しむエネルギーは、こんなふうに、広がっていく。
24回やってきたグロースで、大きなけがや病気がなかったのは、この本気のエネルギーだと、ボクは確信している。
その後、子どもたちはグループの名前を決め、イントラを決定しいて、ようやくお昼ごはん。
晴れ渡った空のもと、グループでお弁当!
ただの仕出しの弁当なんだけれど、子どもたちとワイワイやりながら食べるのは、いつもほんとにウマイ。
食べえ終わったら、いよいよこの森に入っていく。
六年間グロースにいってるけど、全部のプログラムが完璧に行くことって、もしかしたらあるかもしれないけどまれだね。
大体、何か事件があって次に進める。
とっても難しいけど、それで成長できる!
不思議なことだよね、グロースって・・・。
来年、ラストイヤー・・・。
次の年のグロースで、子どもとしての成長は最後。
来年もグロースでいっぱい成長するぞーーーー!!