士幌町にある緑風荘。
太古に埋もれた植物が生成変化する過程で地下水に溶け込んだ「モール温泉」
肌がツルツルになる、北海道ならではの温泉です。
時間を決めて、お風呂から上がると、いつもアイスクリームの差し入れ。
イントラのダンが待つ自動販売機に群がる子どもたち。
みんながうれしそうに、おいしそうにしている中で、真顔になった小4女子のHNKが、ボクのところに来ました。
「どうした?」
「・・・・名札が、気づいたら名札がなくて、忘れてきたのかもしれなくて・・・・」
半泣きで訴える姿に、心の中で微笑んでしまう。
朝のAKTのこともあるので、どちらかと言うと「優等生」風に見えるHNKにとっては大事件だったのかもしれない。
脱衣所にないのであれば、ヌプカに忘れているのだから、今はどうすることもできない。
「わかった。同じことを繰り返さないために何ができそうだ?」
必ず問いかけをする。
答えがあっても無くても、問いかけてあげることはとても大切。
少し落ち着いた様子のHNKを見て、出発時刻少し前に、ボクはバスで待つことに。
ところが、待てど暮らせど誰もやってこない。
イントラがバスに走ってくる。
「今、RYOの名札がなくて探してます。」
「なにっ?!」
ボクはそのままバスで待つことにしました。
ところが10分待っても来ないので、今一度施設の中へ。
すると、全員が集まって話し合っているようす。
「何が起きてるんだ?」
「RYOの名札がなくて、探したけれどもどこにもなくて・・・・」
「とにかく時間だ。バスに全員乗って!!」
これから、上士幌の飛行場まで行って、熱気球の予定。
バスで移動しながら、あらためて
「何が起きていたのかちゃんと教えてくれ!」と子どもたちに。
シーンとするバスの中。
誰も何も言わない中、しばしばの怒声が響く。
「誰の事なんだ?立ってちゃんと説明しろ!」
後ろの方から、立ち上がって顔を見せるRYO。
顔をゆがめ、口元をまげ、何かを一生懸命に話そうとする。
どうやら、ヌプカを出る時にRYOは、HNKの名札をぶら下げてきたらしい。
泣きじゃくるRYO。
RYOは小2。
昨年の初参加で、見事にすべての実習をやり遂げた。
一年生ですべてをやりきる子どもはなかなかいない。
ただ、あんまりよくできる子どもだと、しばしばはなかなかチャレンジが出来なくなる。
必然的に関わりが少なくなってしまう。
大自然のなかでは、やんちゃが似合う。
だからボクは、心ひそかに、RYOがしでかしたことがうれしかった。
「HNK!お前のことでもあるだろ!立って説明しろ」
こういう時は、RYOやHNKだけのことにしてはいけない。
それを創りだした当事者は、RYOやHNKなのだけれど、実は他人事ではなく、自分のチームのメンバーの事であり、同時にグロース全体のこと。
だから、誰が起こしたことであれ、「自分の事」にしていくのがグロース。
自分の事として、そのことを受けとめれば必ず学びや気づきになっていくのです。
「今回のグロースは、忘れ物が多い。こんなことは今までにはあんまりなかった。いいか、これは朝のAKGとか、RYOやHNKだけの事じゃないんだぞ。
もう、こんなことが起きないように自分だけじゃなくてお互いにもっと関われよ!」
滞りなく、進んでいく事よりも、こういった一つ一つの事を子どもたち自身で乗り越えていく。
考えて、話し合って、みんなで協力して、そして自分自身で決めていく。
これが、グロースセミナー。
全員が緊張した面持ちで、このやり取りを聞いていた・・・・はずなんだけれども、一番前に座っていたAKTとKND.が寝てる・・・・(^^)
忘れ物の話を全員でしている中、それも今朝の忘れ物の話をしていて、2度も引き起こした当の本人のAKTが、寝てる・・・・。
思わず、笑いそうになってしまった。
「こらーっ!なに寝てるんだー」と、起こされる二人。
寝ぼけ眼で、ビックリして飛び起きる二人。
これがグロースの面白いところだし、子どもらしいところなんですよ。
ホントに、サイコーでしょ。
夕方6時。
熱気球が待っている。
そしてしばしばのグロース日記で何を経験してきたのかわかって毎回、楽しく読まさせてもらってます。
今回のHNKの件は何回聞いても本人が教えてくれなかったのでやっと何があって泣いてしまったのかわかりました(笑)
しばしばの言うように本人にとってもすっごい失敗をしてしまった感でいっぱいだったみたいですね。
ここから何かを学んでくれればうれしいです!
そうそう、HNKもROKも小4ではなくて小5です。
来年もよろしくお願いします。
もっと詳しい内容があるのですが、ざっと書いておきました。HNKに対する印象は、ボク自身のものなので、本人なりの言い分もあるはずですが。
小5ですね。失礼いたしました。
読んでくださって、ありがとうございます。
が、どうも長くなりすぎてしまって。まだ二日目が終わりません。