待ったなしの案件がいくつも重なってしまい
長い間投稿できず申し訳ありませんでした。
東京で感じる好況感とは裏腹に、出張で訪れる
東京など限られた場所以外の都市で感じる景気感には
かなりの温度差があります。さらに今年は例年にない
長い梅雨と豪雨の影響で、7月の売上が低迷して
しまった企業も多いと思います。従来から何度も
お話しているように、天変地異などの不可抗力による
売上低迷に対する最善の防御策は、決して無理をせず
金融機関に協力を仰ぐことです。できれば今後半年間の
簡単な資金繰りを作成して、お金の入りと出の予測を
立ててください。簡単な家計簿を作成する要領でも
効果的です。安易にお金を借りて借入金残高を増やす
前に、元金返済をしばらく猶予してもらう協力を
金融機関に仰ぐことを真っ先に考えてください。
コラムの著作権は村松弁護士本人に帰属します。
このブログ以外での引用等は固くお断りいたします。
99年8月23日 日刊帝国ニュース
弁護士ウオッチング 弁護士 村松謙一
連鎖倒産を回避する方法(その1)
金融機関からの割引手形の買戻し要求対策
第1 自主再建方式のメリット
1.大規模な倒産事件が多発している半面、社歴の古い
地域に密着しているいわゆる老舗企業の倒産も多発
している。業界第3位、第4位といった中堅企業の
倒産も目につく。
批判を承知で言わせてもらえば、個人的には、破産や
会社更生といった法的倒産手続きにもっていくには
もったいないと思われる倒産も散在される。
私が法的倒産手続き(再建型にせよ、清算型にせよ)
を極力回避して、第一義的に、裁判所の関与しない
自主再建型の手続きを目指している理由のひとつ
には、法的手続きでは、関与先の債権者を、その
大小にかかわらず十把ひとかけらに取り込んでしまい
その被害、影響力が自主再建方式に比較し、大き
すぎるという点である。何も全債権者を対象に
しなくても、ある一定の大口債権者の協力だけで、
十分に再建できる企業も多数あるからである。
債権者の側においても、できる限り倒産の渦に
巻き込まれたくはないであろう。
2.そのひとつに、「割引手形の買戻し」という
問題がある。
①大企業、中堅企業、歴史の古い地元企業の倒産の
現場では、特に割引手形の買戻し要求による
連鎖倒産で、一般債権者までその傷口を広げる
傾向が顕著である。
これは、大企業や中堅企業ほど、取引高も多く、
必然その支払方法は、手形決済が多くなるからで
ある。取引先企業側も、受け取った手形をその
期日(サイト)である3~5ヶ月間も、後生
大事に自己の会社の金庫に眠らせておく企業は
少なく、多くは受取手形を直ちに取引先金融
機関に持ち込み、割り引いて現金化して、支払期日
までの数ヶ月を待つ余裕などなく、運転資金化
(現金化)しているはずである。
金融機関側においても、いくら「貸し渋り」と
いっても、大企業や著名企業、地元でのれんのある
老舗企業の手形ならば、割引にも応じていた
はずであろう。にもかかわらず、信用のある
はずの大企業、名門企業、老舗企業等が突然
潰れることは当事者以外、誰も予想だにしなかった
はずである。
そのため金融機関側としては、手形割引を申し込んだ
取引先に、「手形割引を直ちに引き取って、代金を
早急に返還せよ」と、いわゆる割引手形の買戻しを
要求してくるのである。
以下次回に続きます。
長い間投稿できず申し訳ありませんでした。
東京で感じる好況感とは裏腹に、出張で訪れる
東京など限られた場所以外の都市で感じる景気感には
かなりの温度差があります。さらに今年は例年にない
長い梅雨と豪雨の影響で、7月の売上が低迷して
しまった企業も多いと思います。従来から何度も
お話しているように、天変地異などの不可抗力による
売上低迷に対する最善の防御策は、決して無理をせず
金融機関に協力を仰ぐことです。できれば今後半年間の
簡単な資金繰りを作成して、お金の入りと出の予測を
立ててください。簡単な家計簿を作成する要領でも
効果的です。安易にお金を借りて借入金残高を増やす
前に、元金返済をしばらく猶予してもらう協力を
金融機関に仰ぐことを真っ先に考えてください。
コラムの著作権は村松弁護士本人に帰属します。
このブログ以外での引用等は固くお断りいたします。
99年8月23日 日刊帝国ニュース
弁護士ウオッチング 弁護士 村松謙一
連鎖倒産を回避する方法(その1)
金融機関からの割引手形の買戻し要求対策
第1 自主再建方式のメリット
1.大規模な倒産事件が多発している半面、社歴の古い
地域に密着しているいわゆる老舗企業の倒産も多発
している。業界第3位、第4位といった中堅企業の
倒産も目につく。
批判を承知で言わせてもらえば、個人的には、破産や
会社更生といった法的倒産手続きにもっていくには
もったいないと思われる倒産も散在される。
私が法的倒産手続き(再建型にせよ、清算型にせよ)
を極力回避して、第一義的に、裁判所の関与しない
自主再建型の手続きを目指している理由のひとつ
には、法的手続きでは、関与先の債権者を、その
大小にかかわらず十把ひとかけらに取り込んでしまい
その被害、影響力が自主再建方式に比較し、大き
すぎるという点である。何も全債権者を対象に
しなくても、ある一定の大口債権者の協力だけで、
十分に再建できる企業も多数あるからである。
債権者の側においても、できる限り倒産の渦に
巻き込まれたくはないであろう。
2.そのひとつに、「割引手形の買戻し」という
問題がある。
①大企業、中堅企業、歴史の古い地元企業の倒産の
現場では、特に割引手形の買戻し要求による
連鎖倒産で、一般債権者までその傷口を広げる
傾向が顕著である。
これは、大企業や中堅企業ほど、取引高も多く、
必然その支払方法は、手形決済が多くなるからで
ある。取引先企業側も、受け取った手形をその
期日(サイト)である3~5ヶ月間も、後生
大事に自己の会社の金庫に眠らせておく企業は
少なく、多くは受取手形を直ちに取引先金融
機関に持ち込み、割り引いて現金化して、支払期日
までの数ヶ月を待つ余裕などなく、運転資金化
(現金化)しているはずである。
金融機関側においても、いくら「貸し渋り」と
いっても、大企業や著名企業、地元でのれんのある
老舗企業の手形ならば、割引にも応じていた
はずであろう。にもかかわらず、信用のある
はずの大企業、名門企業、老舗企業等が突然
潰れることは当事者以外、誰も予想だにしなかった
はずである。
そのため金融機関側としては、手形割引を申し込んだ
取引先に、「手形割引を直ちに引き取って、代金を
早急に返還せよ」と、いわゆる割引手形の買戻しを
要求してくるのである。
以下次回に続きます。