倒産回避・企業再生実務の最先端に携わる立場として、ここしばらくネットニュースで取り上げられて、
大きな反響を呼んでいる事例を通して、非常に大切なポイントをどうしても伝えたくて、
今日は予定を変更して、緊急メッセージとしてこのブログを書くことにしました。
すでに多くの方がご存じだと思いますが、都内にある運送会社の従業員解雇騒動について私の率直な意見と
過去の実務経験からのひとつの提案を述べたい。
まず簡単にこれまでの経緯のポイントだけを時系列で列挙すると、
①今回のコロナ騒動の影響で、大きく売上が減少した運送会社が、
会社の将来的な経営維持と従業員の再雇用を目的として、約600名の整理解雇を表明し、
従業員は失業保険などの給付を受けながら生活維持を図りながら、
コロナ騒動が落ち着いた際の再雇用に備えるという動きがまず起こった。
②一部従業員からは、失業保険給付を受けるための必要な勤務期間条件を満たしていないので
失業保険を受給できないことや、全員の再雇用が確約されるような保証がなく、
事業の本格的再開時には再雇用選別が行なわれるのではとの疑念が生じ、
疑念を持った一部従業員の方々が、労働組合に加入し団体交渉を会社側に要求する動きが表面化。
③労働組合による団体交渉の動きを察知した会社側が、解雇撤回を表明(令和2年4月26日現在)
この一連の流れを見て、皆さんはどのように考えられるでしょうか?
誤解を恐れず言えば、経営者や管理職の方々の意見としては、
おそらくコロナ騒動で仕事が無くなってしまっているのだから整理解雇もやむを得ないという意見や、
一方では、今のような経済環境で整理解雇されてしまったら、
たとえ一時的に失業保険などで食い繋げても将来的な生活基盤が失われてしまうという
従業員側の意見という、全く相反する見解が両立することになり、
実際のネットニュースにおいては、従業員側の立場に立った論調が目立っています。
一見何の疑問も生じないこの対立軸に疑問を感じられる方は果たしてどのくらいいらっしゃるのでしょうか?
この対立軸の先には、一体何が生まれるのでしょうか?
倒産の崖っぷち立たされた絶体絶命の会社の倒産回避・再生に特化した実務に
長年携わってきた私の率直な意見は、
この対立軸こそが、倒産という悪魔の思うつぼに嵌ってしまう
最悪の位置関係なのですと、どうしても声を大にしてお伝えしたい。
業績が悪化して倒産という悪魔が忍び寄ってきたときこそ、
労使対立ではなく、労使協調で一致団結して、
唯一の敵である倒産という悪魔に立ち向かわなければならないのです。
再生実務経験に乏しい一般的な弁護士やコンサルタントでは、
とかく業務報酬を拠出する側の経営者サイドに立った思考やスキームを考えがちですが、
数多くの再生実務経験を通じで幾多の修羅場を乗り越えてきたからこそ肌感覚で身に付いた、
また恩師村松謙一弁護士から身を持って学んだ村松イズムの神髄ともいえる
極限状態におけるこの労使協調の重要性と持つ意味について、次回のブログで、
実際の事例紹介という形でお伝えします。
キーワードは、会社が生きてる間に、先に倒産処理に準じたプロセスを実行するという、
金融機関の全面的な理解と協力を得たうえで行うという土壇場の会社も従業員も
全員守ることが出来たという起死回生のスキームです。
大きな反響を呼んでいる事例を通して、非常に大切なポイントをどうしても伝えたくて、
今日は予定を変更して、緊急メッセージとしてこのブログを書くことにしました。
すでに多くの方がご存じだと思いますが、都内にある運送会社の従業員解雇騒動について私の率直な意見と
過去の実務経験からのひとつの提案を述べたい。
まず簡単にこれまでの経緯のポイントだけを時系列で列挙すると、
①今回のコロナ騒動の影響で、大きく売上が減少した運送会社が、
会社の将来的な経営維持と従業員の再雇用を目的として、約600名の整理解雇を表明し、
従業員は失業保険などの給付を受けながら生活維持を図りながら、
コロナ騒動が落ち着いた際の再雇用に備えるという動きがまず起こった。
②一部従業員からは、失業保険給付を受けるための必要な勤務期間条件を満たしていないので
失業保険を受給できないことや、全員の再雇用が確約されるような保証がなく、
事業の本格的再開時には再雇用選別が行なわれるのではとの疑念が生じ、
疑念を持った一部従業員の方々が、労働組合に加入し団体交渉を会社側に要求する動きが表面化。
③労働組合による団体交渉の動きを察知した会社側が、解雇撤回を表明(令和2年4月26日現在)
この一連の流れを見て、皆さんはどのように考えられるでしょうか?
誤解を恐れず言えば、経営者や管理職の方々の意見としては、
おそらくコロナ騒動で仕事が無くなってしまっているのだから整理解雇もやむを得ないという意見や、
一方では、今のような経済環境で整理解雇されてしまったら、
たとえ一時的に失業保険などで食い繋げても将来的な生活基盤が失われてしまうという
従業員側の意見という、全く相反する見解が両立することになり、
実際のネットニュースにおいては、従業員側の立場に立った論調が目立っています。
一見何の疑問も生じないこの対立軸に疑問を感じられる方は果たしてどのくらいいらっしゃるのでしょうか?
この対立軸の先には、一体何が生まれるのでしょうか?
倒産の崖っぷち立たされた絶体絶命の会社の倒産回避・再生に特化した実務に
長年携わってきた私の率直な意見は、
この対立軸こそが、倒産という悪魔の思うつぼに嵌ってしまう
最悪の位置関係なのですと、どうしても声を大にしてお伝えしたい。
業績が悪化して倒産という悪魔が忍び寄ってきたときこそ、
労使対立ではなく、労使協調で一致団結して、
唯一の敵である倒産という悪魔に立ち向かわなければならないのです。
再生実務経験に乏しい一般的な弁護士やコンサルタントでは、
とかく業務報酬を拠出する側の経営者サイドに立った思考やスキームを考えがちですが、
数多くの再生実務経験を通じで幾多の修羅場を乗り越えてきたからこそ肌感覚で身に付いた、
また恩師村松謙一弁護士から身を持って学んだ村松イズムの神髄ともいえる
極限状態におけるこの労使協調の重要性と持つ意味について、次回のブログで、
実際の事例紹介という形でお伝えします。
キーワードは、会社が生きてる間に、先に倒産処理に準じたプロセスを実行するという、
金融機関の全面的な理解と協力を得たうえで行うという土壇場の会社も従業員も
全員守ることが出来たという起死回生のスキームです。