前回のブログでご紹介したように、
神戸の大震災を契機として私の人生は
絶望への坂を転がり始めることになりました。
しかし溺れて沈む私の指先に倒産回避・再建指導
の第一人者である村松謙一弁護士につながる
最後の藁がありました。
当時私の回りにいた顧問弁護士・顧問税理士などの
専門家が例外なく「倒産やむ無し」と断言した
経営状況を村松先生に救っていただいただけでなく
倒産回避のための実務ノウハウや法律知識
それ以上に何物にも代えることのできない
人間として最も大切なものを
学ばせていただくことができました。
帝国データバンクが発行している日刊帝国ニュースで
村松弁護士が1999年5月から弁護士ウオッチングの
連載を開始され、血の通った再建の真髄が連載されて
いたことをご存知の方は少ないと思います。
貴重な村松弁護士のメッセージが歴史に
埋もれていくことは大きな社会的損失であると同時に
今の厳しい時代だからこそ、このメッセージを必要と
している方々に読んでいただきたいと思い、
村松弁護士に相談したところ、このブログでの掲載を
快くご了承いただくことができましたので
今後順次掲載させていただきます。
100回近く続いた非常に中身の凝縮されたコラム
なのですべてをご紹介するにはかなりの時間が
かかると思いますが、仕事の合間を縫って投稿
させていただきます。
この場をお借りして村松弁護士には改めて
心より御礼申し上げます。
なおご紹介するコラムの著作権は村松弁護士が保有
されています。
このブログ以外での引用等は固くお断りいたします。
弁護士ウオッチング 99年5月17日日刊帝国ニュース
弁護士 村松謙一
第1 「倒産」は決して悲惨ではないとの臨床的報告 1
相手を知り、己を知れば、百戦して危うからず
(孫子)
1. 夜逃げ、精神破壊、病気、最悪は自殺や
犯罪行為等、これら私が現実に目にした倒産に
起因した悲惨な光景は、とても一口で言い表される
ものではありませんでした。
しかし、これらの悲惨的結末は、倒産を「悲惨なもの
と考えた」(認知)その結果、倒産=悲惨という考えが
人間をして絶望感、不安感等の奈落の底に突き落とし
極限状態に人間を落としめらしたことによる
その人間の次なる行動パターンが、これら逃避、
破壊、犯罪等の悲惨的行動となるわけです。
これらの行動は、心理学にいうところのフラスト
レーション耐性なのです。
倒産(事実)→頭の中で倒産を悲惨と考えること(認知)
→夜逃げ・自殺・病気(行動)
2. 倒産=悲惨でない との仮説と
その立証をすれば、
事実→認知の段階で、そもそも倒産は本当に
悲惨と言えるのか(大前提)、即ちこの大前提が
否定され、「倒産→悲惨でない」との認知ができれば
この認知からくる夜逃げ、病気、自殺・犯罪などの
悲惨的行動に至らずにすむのではないか、との疑問
から、このコラムは出発しているのです。
私は、皆さんに倒産→悲惨でないとの認識を持って
もらいたい。
これは、単にプラス思考になりなさいと言っている
のではありません。
私のこれまでの体験から、「倒産→悲惨」との
大前提こそが、あまりよく解明されずに伝えられて
きたものであり、この大前提を否定するだけの事実が
数多くの倒産現場を扱った私の体験からも様々な
点で見えてきたからです。
3. ハイジャック事件での教訓
少し前になりますが、1995年6月に函館行きの
全日空機がハイジャックされた事件を記憶している
方々は多いでしょう。
あの事件は、犯人に某宗教の影がちらつくという
誤った情報が、毒物のサリン、プラスチック爆弾等を
連想させて、恐れ、恐怖の時間を過ごさせ、誰も
その間手が出せない状態を作り出してしまった
のでした。
その後、犯人は教団とは関係のない単独犯との
情報が入ったことで、その恐怖心も薄らぐことができ
全員救出という好結果が出せたのです。
4. 弁護士の使命
倒産もこの「情報→認知→行動」と全く同じなのです。
誤った情報の否定、最近の事例・情報を正確に
伝えることで、従来のような恐怖心を取り除き、
その結果、十分に悲惨的行動は回避できるのです。
悲惨的行動に出る人を少しでも少なくすることこそ、
人権擁護をむねとする弁護士の社会的使命であると
私は考えているのです。
第2 具体的不安内容の解明
もう少し分かりやすく説明しましょう。
皆さんは、倒産するといったい何が怖い・不安
なのでしょうか。
そもそも倒産に基づく不安・恐怖・悲惨とは具体的に
なんでしょうか。(思考段階を追ってみると)
(1) おそらく、金融機関に経営悪化が分かってしまう
(2) 融資ストップ、或いは返済の強制の怖さ
(3) 融資ストップによる資金の手詰まりの怖さ
(4) 資金手詰まりによる手形不渡りの怖さ
(5) 手形不渡りによる会社倒産および債権者の
憤りの怖さ
(6) 会社倒産によりこれまで手に入れた資産、
家を根こそぎ全部取られて無一文になってしまう
のではないかとの怖さ
(7) 家・屋敷を取られてしまうことにより、一家が
生活できなくなるのではないかとの怖さ
(8) 債権者に対する責任感および一家が生活できなく
なることにより、人生に絶望し、もはや死ぬしか
ないのではないか
多くの会社経営者の方々は、このような思考回路を経て
倒産=悲惨、恐怖、不安と何の疑いを持つこともなく、
言わば世の常識として考えていたのではないでしょうか。
しかしこれら(1)~(8)がそれぞれそのような怖さ、不安
は、昔と違ってそんなに怖いものではないのですよ。
或いは十分に回避することができますよ、と気休め
でなく、その具体的根拠・事例に基づいて答えてあげら
れれば、経営者の方々は、どんなにか勇気付けられ、
救われるのではないでしょうか。
現実に倒産=悲惨ではないということを理解した
おかげで、会社の再建に邁進し、今では立派に
会社を立ち直らせた経営者を私は何人も知っています。
次回は、倒産=悲惨ではないということを、法的根拠を
示して解説しましょう。
コラムは次回に続きます。
倒産回避のお手伝いをさせていただいている担当先の
皆様にこのコラムをお渡ししたところ、社長様以上に
奥様やご家族の方々の苦悩が和らいだとのお言葉を
多数いただきました。読者の方の周りで経営に苦しま
れている方に、このブログを通して村松弁護士の
メッセージが届くことを願っています。
神戸の大震災を契機として私の人生は
絶望への坂を転がり始めることになりました。
しかし溺れて沈む私の指先に倒産回避・再建指導
の第一人者である村松謙一弁護士につながる
最後の藁がありました。
当時私の回りにいた顧問弁護士・顧問税理士などの
専門家が例外なく「倒産やむ無し」と断言した
経営状況を村松先生に救っていただいただけでなく
倒産回避のための実務ノウハウや法律知識
それ以上に何物にも代えることのできない
人間として最も大切なものを
学ばせていただくことができました。
帝国データバンクが発行している日刊帝国ニュースで
村松弁護士が1999年5月から弁護士ウオッチングの
連載を開始され、血の通った再建の真髄が連載されて
いたことをご存知の方は少ないと思います。
貴重な村松弁護士のメッセージが歴史に
埋もれていくことは大きな社会的損失であると同時に
今の厳しい時代だからこそ、このメッセージを必要と
している方々に読んでいただきたいと思い、
村松弁護士に相談したところ、このブログでの掲載を
快くご了承いただくことができましたので
今後順次掲載させていただきます。
100回近く続いた非常に中身の凝縮されたコラム
なのですべてをご紹介するにはかなりの時間が
かかると思いますが、仕事の合間を縫って投稿
させていただきます。
この場をお借りして村松弁護士には改めて
心より御礼申し上げます。
なおご紹介するコラムの著作権は村松弁護士が保有
されています。
このブログ以外での引用等は固くお断りいたします。
弁護士ウオッチング 99年5月17日日刊帝国ニュース
弁護士 村松謙一
第1 「倒産」は決して悲惨ではないとの臨床的報告 1
相手を知り、己を知れば、百戦して危うからず
(孫子)
1. 夜逃げ、精神破壊、病気、最悪は自殺や
犯罪行為等、これら私が現実に目にした倒産に
起因した悲惨な光景は、とても一口で言い表される
ものではありませんでした。
しかし、これらの悲惨的結末は、倒産を「悲惨なもの
と考えた」(認知)その結果、倒産=悲惨という考えが
人間をして絶望感、不安感等の奈落の底に突き落とし
極限状態に人間を落としめらしたことによる
その人間の次なる行動パターンが、これら逃避、
破壊、犯罪等の悲惨的行動となるわけです。
これらの行動は、心理学にいうところのフラスト
レーション耐性なのです。
倒産(事実)→頭の中で倒産を悲惨と考えること(認知)
→夜逃げ・自殺・病気(行動)
2. 倒産=悲惨でない との仮説と
その立証をすれば、
事実→認知の段階で、そもそも倒産は本当に
悲惨と言えるのか(大前提)、即ちこの大前提が
否定され、「倒産→悲惨でない」との認知ができれば
この認知からくる夜逃げ、病気、自殺・犯罪などの
悲惨的行動に至らずにすむのではないか、との疑問
から、このコラムは出発しているのです。
私は、皆さんに倒産→悲惨でないとの認識を持って
もらいたい。
これは、単にプラス思考になりなさいと言っている
のではありません。
私のこれまでの体験から、「倒産→悲惨」との
大前提こそが、あまりよく解明されずに伝えられて
きたものであり、この大前提を否定するだけの事実が
数多くの倒産現場を扱った私の体験からも様々な
点で見えてきたからです。
3. ハイジャック事件での教訓
少し前になりますが、1995年6月に函館行きの
全日空機がハイジャックされた事件を記憶している
方々は多いでしょう。
あの事件は、犯人に某宗教の影がちらつくという
誤った情報が、毒物のサリン、プラスチック爆弾等を
連想させて、恐れ、恐怖の時間を過ごさせ、誰も
その間手が出せない状態を作り出してしまった
のでした。
その後、犯人は教団とは関係のない単独犯との
情報が入ったことで、その恐怖心も薄らぐことができ
全員救出という好結果が出せたのです。
4. 弁護士の使命
倒産もこの「情報→認知→行動」と全く同じなのです。
誤った情報の否定、最近の事例・情報を正確に
伝えることで、従来のような恐怖心を取り除き、
その結果、十分に悲惨的行動は回避できるのです。
悲惨的行動に出る人を少しでも少なくすることこそ、
人権擁護をむねとする弁護士の社会的使命であると
私は考えているのです。
第2 具体的不安内容の解明
もう少し分かりやすく説明しましょう。
皆さんは、倒産するといったい何が怖い・不安
なのでしょうか。
そもそも倒産に基づく不安・恐怖・悲惨とは具体的に
なんでしょうか。(思考段階を追ってみると)
(1) おそらく、金融機関に経営悪化が分かってしまう
(2) 融資ストップ、或いは返済の強制の怖さ
(3) 融資ストップによる資金の手詰まりの怖さ
(4) 資金手詰まりによる手形不渡りの怖さ
(5) 手形不渡りによる会社倒産および債権者の
憤りの怖さ
(6) 会社倒産によりこれまで手に入れた資産、
家を根こそぎ全部取られて無一文になってしまう
のではないかとの怖さ
(7) 家・屋敷を取られてしまうことにより、一家が
生活できなくなるのではないかとの怖さ
(8) 債権者に対する責任感および一家が生活できなく
なることにより、人生に絶望し、もはや死ぬしか
ないのではないか
多くの会社経営者の方々は、このような思考回路を経て
倒産=悲惨、恐怖、不安と何の疑いを持つこともなく、
言わば世の常識として考えていたのではないでしょうか。
しかしこれら(1)~(8)がそれぞれそのような怖さ、不安
は、昔と違ってそんなに怖いものではないのですよ。
或いは十分に回避することができますよ、と気休め
でなく、その具体的根拠・事例に基づいて答えてあげら
れれば、経営者の方々は、どんなにか勇気付けられ、
救われるのではないでしょうか。
現実に倒産=悲惨ではないということを理解した
おかげで、会社の再建に邁進し、今では立派に
会社を立ち直らせた経営者を私は何人も知っています。
次回は、倒産=悲惨ではないということを、法的根拠を
示して解説しましょう。
コラムは次回に続きます。
倒産回避のお手伝いをさせていただいている担当先の
皆様にこのコラムをお渡ししたところ、社長様以上に
奥様やご家族の方々の苦悩が和らいだとのお言葉を
多数いただきました。読者の方の周りで経営に苦しま
れている方に、このブログを通して村松弁護士の
メッセージが届くことを願っています。
社員。社員の家族や自分の家族・親族・孫末代まで人生救済する先生の命の救済には、感動しました。
あきらめていた人生も先生の言葉に、大変力付けられました
感謝
田中英輝