クロイドンノース

メルボルン郊外のクロイドンノースでの主婦の生活。
息子の言語発達遅滞のことやクロッシェの記録も。

言葉の遅れ

2013年12月18日 | 言語発達遅滞

LHは4歳半になりますが、言語の発達が遅れているので数ヶ月前から言語聴覚士?臨床言語士?(Speech Pathologist:以降「SP」)に診てもらっています。

わが子に「異常」があることを前提に産む親は少ないでしょう。
ただでさえ子供の成長には不安なことだらけなのに、自分の子供には普通ではないところがあると認めるには心の中でかなりの葛藤があります。

LHの言語の遅れに気づき始めたのはLHが2歳から3歳になるまでの間。
「Language Delay」の言葉が私の頭を何度かよぎり、インターネットで検索したこともありますが、他に比べる子もいず、家族はみんな声をそろえて「大丈夫、大丈夫」と言うので、う~ん、そんなもんかな?と放置してきました。

実際、その段階ではLHの言語の発達は正常範囲内の「ゆっくりめ」のほうで、遅れてはいなかったのもあります。

が、3歳の誕生日を過ぎると私の目にははっきりと「遅れ」ているのが分かってきたのですが、相変わらずGや家族は「大丈夫」の一点張りで私の不安はすべて疑心暗鬼で片付けられてきました。

私自身も、わが子の「異常」を認めるよりは、
「ただ遅れているだけ」
「幼稚園に入ったらおいつくかも」
「もう少し様子を見よう」
と自分に言い聞かせ、どうしても「普通の子」のカテゴリーに入れておきたかったので、今振り返ると、間違った判断をしてきました。


LHの言語の発達は、実際、幼稚園が始まってからうんとよくなったのですが、2月の新学期から半年近く経ってもまだかなり遅れているのが目立ちました。

本来、ものすごくフレンドリーで楽天的な息子は誰とでも遊びたがり、幼稚園でもみんなにHelloと話しかけに行き本人は毎日楽しんでいたのですが、相手が何を言っても返事ができず、基本的なコミュニケーションがほとんど取れないという状態でした。

ある日、早めにお迎えに行ってLHの様子を見たのですが、子供達がLHとおしゃべりができず歩き去る姿を見て、大きな石で頭をガツンと叩かれたようなショックを受けました。

これ以上はこの問題を無視できないとはっきりわかった瞬間でした。


相変わらずオウムのように「大丈夫、大丈夫!」と繰り返すGや彼の家族の楽天的な意見を無視して、ネットで色々とSPを調べ、予約となりました。

予約の際に色々と用紙に記入したのですが、その際に詳しくLHの言語の発達段階を書いておいたので、SPは初めてのセッションですぐに検査にとりかかることができました。

検査の結果、LHにはLanugage Delay「言語発達遅滞」があると言われました。

検査時点で4歳5ヶ月のLHの話す能力(Expressive language)はだいたい1年遅れで、聞き取り(理解)能力は半年遅れ程度だと言われました。
語彙数の問題が話す能力や聞き取りの能力に影響しているとのことでした。

幸い、LHの場合は言語発達遅滞だけで、脳に異常はないし、舌、喉の動きにも異常はなく、本当にただ単に言語の発達が遅れているだけという結果でした。

言葉の遅れに対し「バイリンガルだから」というのがGやGの家族の楽観視の原因の一つでもあったのですが、バイリンガルの子でもモノリンガルの子と同じスピードで言語の習得をしていくことは可能です。

では何が原因でLHは言語をうまく学んでこなかったのかと言うと、うちの場合は大きく分けて2つあったようです。


1.日本語話者は私だけで、英語話者である父親Gは忙しくて家での会話が少なかったし、幼稚園以前に行っていた託児保育はたったの週一回の3時間だけ。
なのでLHは日本語環境にも英語環境にあまり恵まれなかったのが原因の一つかと思われるとのことでした。

でも、プレーグループは週に2つ行ってたし、公園もできる限り行っていたし、うちはたくさんTVを見せるけど、私もなるべく見て内容について話すなどし、LHをテレビゾンビにはしないように気をつけてはいました。
それに、外出先から帰って来ると必ず私から「今日何したっけ?どこ行ってきた?」と話しかけ、一日したことを話すようにしたりと、努力をしてないことはないんです。

でも何をしても効果はイマイチな感じでした。

内容は分かっているようだけど、話す能力が伸びないんです。

本の読み聞かせも効果なし。

このことから結構目についたのが、やはりLHの語彙を覚える能力がすごく弱いということ。

2.これがもう一つの大きな原因だったようです。
LHのようにすごく活発な子によくあるそうなのですが、遊ぶことに夢中でまわりで話されている言語に耳を傾けない傾向にあるんだそうです。

興味のないことに関する言葉や、実体験(見る・経験する)がない言葉は覚えるのに時間がかかるんです。


(後々、舌の動きや口内の神経にも何か…?
と疑問が出始めますが、このことはまた追々に^^;)

テストの結果にGは大ショックを受け、私はもっと早く専門家の意見を聞くべきだったと後悔しました。


が、何より、自分が「この子のここが心配」だと声高に言っていたのに周りから無視されてきた事を、プロに明確に説明してもらえたのにはホッとしました。

「これまでのことは後悔しても無駄ですから!」とSPからも励まされ(?)、これからプロの指導のもと、この問題に全力で取り組んでいくことができると思うと果然やる気が沸いてきました。

SPの指導を受けることにしたのは、LHの将来ために一つものすごく正しい決断をしたと思っています。

                             

実際、検査から3ヶ月が経ちましたが、LHの英語はかなりの進歩をみせていますよ!

検査の前までは主語+動詞の語順は怪しく、名詞・名詞句を適当につなげてただけのLHの英語は、今では"Can I watch TV please?"など簡単な文章を言えるようになり、ゲームをすると"You are going down!"とこっちをギャフンと言わせるような返事さえします。

が、何か「ごっこ」をしているような時に「何のお話か聞かせて」と言われた時や、幼稚園のShow & Tell(ちょっとした発表)の時などには、きちんとした文章を作り出すほどの文法力や語彙力がないのは明らかで、まだまだSPの助けと親の協力が必要な段階です。

                    
これからもこのブログでLHの言語発達の記録をしていこうと思っています。
SPの指導も大変興味深いです^^

言葉の遅れで悩んでいる親御さん、ただちに専門家の検査をオススメします。

悩むのは時間の無駄で、子供本人にも得なことではありません!