■昔話
《昔話》
昔話(むかしばなし)は、「民俗学で、口承文芸の一つ」。
言語学者ロマーン・ヤーコブソンの言葉をかりれば、「昔話は典型的な集団財産である。
精神文化の社会化した部分、たとえば言語あるいは昔話は、個人的な創造が支配的な分野よりもはるかに厳格で画一的な法則にしばられている」。
日本昔話は日本の民話のひとつ。「ムカシ」「ムカシコ」「ムカシガタリ」などとも呼ぶ。
民衆の生活のなかから生まれ、民衆によって口承されてきたもので口承文学、また民俗資料の一。テレビアニメ化やビデオアニメ化もされている。
▼概説
「むかし」という確かではない時や「あるところに」という不明な場所を発端句として用い、本当にあったかどうかは知らないけれどという心持ちで語り継がれる話。
そのため、固有名詞を示さず、描写も最小限度にとどめ、話の信憑性に関する責任を回避した形で語られる。
時代や場所をはっきり示さず、登場人物の名前も「爺」「婆」などのように性別や年齢などの特徴をもとにした普通名詞が多い。
「桃太郎」も「桃から生まれた長男」の意味しか持たない。 「めでたしめでたし 」、「てっぺんぐらりん」、「どんどはれ」、「とっぴんぱらりのぷう」等の言葉で終わることが多く、これを結句と呼称している。
結句は地域によってそれぞれの言葉が用いられる。
▼昔話の型
・異類婚姻譚
・呪的逃走譚
・貴種流離譚
・難題求婚譚
・冥界訪問譚
・末子成功譚
・動物報恩譚
・異常誕生譚
・人狼変身譚
・土地分割譚
・神隠し譚
・殺害蘇生譚
・異郷訪問譚
・幽霊出産譚
・継子いじめ譚
・立身出世譚
・死骸黄金譚
・観音霊験譚
・天人女房譚
・異類退治譚
・呪的勝負譚
・人身御供譚
・幽体離脱譚
・竜蛇変身譚
・致富譚
▼日本の主な昔話
●天の羽衣
●一休さん
●一寸法師
●因幡の白兎
●牛若丸
●うばすてやま
●浦島太郎
●うりこひめとあまのじゃく
●おむすびころりん
●親指太郎
●かぐや姫
●笠地蔵
●かちかち山
●聞き耳頭巾
●金太郎
●こぶとりじいさん
●さるかに合戦
●三年寝太郎
●三枚のお札
●舌切り雀
●力太郎
●鶴の恩返し
●天狗の隠れ蓑
●花さかじいさん
●貧乏神と福の神
● 分福茶釜
●耳なし芳一
●桃太郎
●雪女
●わらしべ長者
《説話》
説話(せつわ)は、広義には、古くより伝承されて来た話・物語一般を意味する。
狭義には、民話(昔話)、伝説を指す。また、民話と同義の意味で使用されることもある。
日本の文学史上では「今昔物語集」など表題に「~物語」とつくものが説話に相当するが、説話のうち長編を「物語」と呼び分け、短編を「説話」と呼ぶのが普通である。
※本項では狭義の説話を説明します。
ドイツ語のメルヘン/メルヒェン(Märchen)、英語のフェアリーテイル(fairy tale)を含んでいる。
メルヘンは、スティス・トンプソン以降、英語圏でもよく使われるようになった。
説話という単語は、近代に造語された言葉である。明瞭な概念規定なしに国文学・民俗学・民族学・神話学などの領域で使用される。
▼特徴
説話の多くは、元々口承文芸である。地域・言語によっては、ある時代から書き言葉で残されるようになったものもある。現代では出版されて活字で残されるようになったものも多い。
西洋の『ペンタメローネ(五日物語)』や『グリム童話』なども、口伝に取材して後年本にまとめられたものの一例である。
また、口承の場合は、地域や時代によって細部に異同が多い。語られるたびに内容が僅かに異なっていても、聞き手はそれを同一の物語として受け取っている点にも特徴がある。
▼昔話・伝説・世間話の違い
口承文芸は無文字時代から存在し、一般に、昔話・伝説・世間話などの民話、新語作成、新文句(新句法)、諺、謎、唱え言、童言葉、民謡、語り物などに分類される。
このうち、昔話には、発端句(「むかし」を含むものが多い)と結句(「どっとはらい」など)に代表される決まり文句がある。
また、固有名詞を示さず、描写も最小限度にとどめ、話の信憑性に関する責任を回避した形で語られる。時代や場所をはっきり示さず、登場人物の名前も「爺」「婆」や、出生・身体の特徴をもとにした普通名詞的である。
『桃太郎』は、「桃から生まれた長男」の意味しか持たない。
伝説は、同じ昔の話であっても、一定の土地の地名や年代など、その所在や時代背景が的確に示され、登場人物も歴史上の有名な人物やその土地の何と言う人物など、好んで詳細に示そうとし、定義において昔話との大きな相違点とされる。
これらの事から、伝説には伝記風の態度と要素があるが、昔話はフィクション(創作)として語られている。
しかし一部の土地では『炭焼き長者』や『子育て幽霊』などといった昔話が伝説化し、定着している例も挙げられる。 世間話は体験談や実話として語られる民話である。
▼歴史
おとぎ話の起源
狭義のおとぎ話(御伽話)は、太閤秀吉が抱えた御伽衆の語った面白話に起源があるとされる。
御伽という風習そのものは別名、夜伽(=通夜)にもあるように、古くからある徹夜で語り明かす伝統に基づいている(庚申待)。
その晩に話される話を夜伽話、転じて御伽話とされるに至った。
▼童話とメルヘン
大正時代に入ってきた「メルヘン(厳密にはメルヒェン)」というドイツ語は「童話、またはおとぎ話」と訳されたので、昔話(おとぎ話)と童話が混同して使われた事もあった。
〔ウィキペディアより引用〕