今回は「サイコ」をモチーフにしたホラー映画です。
「サイコ」とは
サイコ【psycho】 読み方:さいこ
多く複合語の形で用いる。
※精神・霊魂に関する意を表す。
用法としては「—セラピスト」
〔情報元 :
『サイコ』(Psycho)
1960年のアメリカ合衆国のサイコスリラー映画。
監督はアルフレッド・ヒッチコック、出演はアンソニー・パーキンスとジャネット・リーなど。
全編モノクローム映像。音楽はバーナード・ハーマン。
ヒッチコック監督の前作『北北西に進路を取れ』に引き続き、タイトルデザインをソール・バスが担当。
脚本はジョセフ・ステファノ、作家ロバート・ブロックがエド・ゲインの犯罪にヒントを得て執筆した小説『サイコ』が原作。
撮影はユニバーサル映画のスタジオ。配給はパラマウント映画。 1992年に「文化的、歴史的、美学的に重要な作品」としてアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
《ストーリー概要》
アリゾナ州フェニックスの不動産屋で働くマリオンには恋人のサムがいるが、彼は経済的な理由でマリオンとの結婚に踏み切れずにいる。
マリオンは職場で客が払った4万ドルを銀行まで運ぶことになるが、その金を持ち逃げして車でサムのいるカリフォルニアに向かう。
途中で警官や中古車店の店主に不審の目を向けられるが、彼女の持ち逃げは表沙汰になっておらず、それ以上のことは起こらない。
夜になってマリオンはベイツモーテルという小さな宿に泊まることにする。そこはノーマンという青年が1人で切り盛りする小さな宿で、彼は隣接した丘の上に建つ屋敷に母と2人で住んでいるということだった。
応接室でノーマンと話をしながら夕食をとったあと、客室に戻ったマリオンがシャワーを浴びていると何者かが入ってきて彼女を刺殺し、出ていく。
丘の上の屋敷から「母さん、血まみれじゃないか」と叫ぶノーマンの声が響く。直後に飛び込んできたノーマンは殺人を隠蔽するために浴室を清掃し、死体と所持品を彼女の車のトランクに押し込み、近くの沼まで運ぶ。車はマリオンの死体と4万ドルを乗せて沼に沈む。
マリオンの妹のライラは、金を返してくれれば警察沙汰にはしないという不動産屋の社長の言葉を姉に伝えようとサムのもとを訪ねるが、マリオンが来ていないことを知り、2人でマリオンを探すことになる。
そこに、社長に雇われた私立探偵のアーボガストも加わる。ベイツモーテルを訪れたアーボガストはノーマンに不審を抱き、そのことを電話でライラに伝えたのち、丘の上の屋敷に上がり込むが、部屋から飛び出して来たノーマンの母親らしき人物に殺されてしまう。
一方、サムとライラは地元の副保安官を訪ねるが、助けを得ることはできない。副保安官は2人に「ノーマンの母親は10年前に死んだ」と告げる。
2人は手がかりを求めてベイツモーテルに乗り込む。サムがノーマンを引き留めている間に屋敷に忍び込んだライラは、地下室でノーマンの母親の干からびた死体を見つける。
その瞬間、女装したノーマンが刃物を振りかざして襲いかかってくるが、追いかけてきたサムに取り押さえられる。 精神科医が拘禁中のノーマンを診察し、関係者の前でその結果を説明する。
母親とノーマンは2人だけの世界で長く暮らしてきたが、10年前に母親が恋人を作るとノーマンは自分が見捨てられたと感じ、母親と恋人を密かに殺害していたのだった。
それ以来ノーマンの心の半分は彼の母親に占められ、彼は自分自身と母親の2人の人格を持って生きてきたのである。息子を女性から遠ざけようとする母親の人格がマリオンを殺したのだった。
その頃、留置場でじっと座っているノーマンの心は完全に母親に乗っ取られていた。
関連作品 ー ミザリー ー
『ミザリー』(Misery)
1990年製作のアメリカ映画。スティーヴン・キングの同名小説の映画化作品で、主演のキャシー・ベイツがアカデミー主演女優賞を受賞した。
ポールの小説タイトルであり、小説内のヒロイン名「Misery」とは、直訳で「哀れ・惨めさ・悲嘆」を意味している。
プロローグ
大衆向けロマンス小説『ミザリー・シリーズ』の作者である流行作家のポール・シェルダンは、「ミザリー・シリーズ」最終作に続く新作を書き上げた後、雪道で自動車事故に遭って瀕死の重傷を負ってしまう。
そんな彼を助けたのは、ポールの『ミザリー・シリーズ』の熱狂的な愛読者と称する中年女性アニー・ウィルクスだった。
元看護婦だという彼女は両足を骨折したポールを献身的に介護するが、看病と言いつつポールを帰さないアニーは、次第にその狂気の片鱗を覗かせ始める。
アニーの豹変 そんな時、ポールが書き上げたばかりの『ミザリー・シリーズ』の最新作の原稿を見たアニーは、出産によりヒロインが死んでしまうという結末に納得できないという理由で、原稿を燃やす事を強要してくる。
新作を灰にされたポールは、彼女の狂気に気づいて命の危険を感じたことから、決死の脱出を試みる。
車椅子を用意して、タイプライターと紙を買ってきたアニーは、「ミザリーを生き返らせろ」と強要してくる。
「高級な紙はインクがにじむ」と説明すると、再び激昂してアニーは新しい紙を買いに出かけた。
その隙を狙って、アニーが落としたヘアピンで、部屋の鍵を開けて脱出を試みるが、電話線すら繋がっていなかったため、鎮痛剤を少しだけ盗んで急いで部屋に戻る。
一方、FBIも加わってのポールの捜索は、ポールの車が雪の中から見つかったことで終了してしまう。しかし、車のドアの傷を見たバスター保安官は、ポールの生存を確信していた。
脱出計画
ポールが書いた小説はことごとくアニーに却下されてしまうが、ようやくアニーが納得できる「ミザリー」での執筆が始まり、ミザリー生還を祝うことになる。
ポールは溜めていた鎮痛剤の粉をアニーのワインに入れ、脱出の計画を立てていたが、アニーはワインをこぼしてしまった。
やがてポールの足の怪我も快方に向かい、小説も完成間近だと知るアニーは、ポールの逃走を警戒する。
彼女が買い物に出かけた隙に家探ししていたポールは、アニーのアルバムを発見するが、アニーの周囲の人々は常に謎の死を遂げており、新生児の殺人容疑で逮捕歴があったことも知る。
ナイフを盗んだポールは、殺される前に殺す決意を固めた。だが真夜中にポールは、アニーに注射を打たれて気を失ってしまう。
家具の位置が動いていたことで、ポールが部屋から出ていたことがバレてしまったのだ。
アニーはポールの逃走手段を断つべく、彼の両足を金槌で粉砕してしまう。
クライマックス
町でアニーを見かけたバスター保安官はアニーの過去を調べ上げ、彼女が「ミザリー」のファンだという事に気付く。
聞き込みでアニーがタイプ用紙を買っていた事を知り、アニーの家に向かった。
危険を察したアニーは、ポールを薬で朦朧とさせて地下に隠す。
アニーは何食わぬ顔で保安官を迎え入れ、自分がポールの跡を継ぐために小説を書いていると話し、手がかりを入手できなかった保安官はアニーの家を後にした。
その直後、目を覚ましたポールは助けを求めるが、アニーはそれに気付いたバスター保安官を射殺し、ポールに心中を強要する。
しかしポールは、その前にミザリーを完成させようと言い包める。
その後、アニーに完成祝いの準備をさせたポールは、「ミザリーを書き上げた」と告げた。
直後、アニーの目の前で原稿を燃やしてしまう。
狂ったように暴れまわるアニーと激しい乱闘の末、彼女の息の根を止めたポールは、辛くも九死に一生を得る。
エピローグ
1年半後、ポールの新作は大ヒットした。
しかし日々の生活の中で、アニーの幻影に悩まされ続けていた。
関連作品 ー サスペリア ー
『サスペリア』(Suspiria)
1977年制作のイタリアのホラー映画。監督はダリオ・アルジェント、出演はジェシカ・ハーパーとアリダ・ヴァリなど。
トマス・ド・クインシーの1845年の小説『深き淵よりの嘆息(英語版)』をモチーフに、ダリオ・アルジェントとダリア・ニコロディが脚本化し、ドイツのバレエ名門校に入学した若い娘を襲う恐怖を描いている。
アルジェント監督による「魔女3部作」の1作目。
ゴブリンが奏でる恐怖の音楽が音響立体移動装置(サーカム・サウンド・システム)により増幅され一世を風靡した。 日本では1977年公開当時のキャッチコピー「決してひとりでは見ないでください、、、」が流行語になり、同年公開の洋画でベストテンに入るヒットを記録、
その影響で翌年、アルジェントによる1975年の無関係な作品が『サスペリアPART2』として日本公開されている。
2018年にルカ・グァダニーノ監督により同名でリメイクされた。
《ストーリー概要》
バレリーナ志望のスージーは、ドイツにあるバレエの名門校に入学するために、ニューヨークからやって来た。
空港でようやく拾うことができたタクシーに乗ってスージーは学校に向かう。
激しい雨の中、彼女はバレエ学院に到着する。
学院の建物は赤い館であり、そこの玄関では、若い生徒であるパットが何者かに追われているかのように怯えながら叫んでいた。
そして、パットが「秘密のドア、アイリス、青いの……。」という言葉を発するのをスージーは聞き取った。
恐怖に顔をひきつらせたパットは、雷鳴の中をずぶ濡れになって走っていく。
この奇妙な光景を見たスージーは、インターホンを通じてドアを開けるように頼むが冷たく拒絶されたため、仕方なく出直すことにする。
一方、パットは友人のアパートにたどり着き、この世のものとは思えない呻き声を耳にする。
その直後、彼女は窓の外から突然現われた毛むくじゃらの腕に締めつけられ、執拗に胸や腹をナイフで突き刺されて死ぬ。
また、彼女の悲鳴を聞きつけて駆けつけた友人も殺される。
翌日、再び学校を訪れたスージーは、ようやく入学することができる。
そこには、海外旅行中という女理事長の代理のマダム・ブランク、厳格な主任教師のタナー女史、盲導犬に引かれる盲目のピアニストのダニエル、ルーマニア人の下男パブロ、マダムの甥で9歳になるアルバート少年らがいた。
レッスン中、突然スージーは体調不良に陥り、途中で床に倒れこむ。
校医の診察を受けたスージーは、増血のためとして葡萄酒を食事に加えられるが、この葡萄酒を飲むとスージーはいつもなぜか眠ってしまう。
スージーはサラという少女と仲良くなり、学院の様子をこと細かく知るようになる。
その夜、寄宿舎の天井から白い蛆虫が落ちてくるという事件が起こる。
学院はパニック状態になるが、屋根裏に保存してあったハムやソーセージに寄生したものだったと判明する。
そこで当分の間、生徒たちは全員、バレエ練習用の大ホールにベッドを移して寝起きすることになる。
真夜中、ベッドに入っても眠れないスージーとサラは、大きな仕切り用のカーテンの向こうから漏れてくる不気味な呻き声にひどく怯え、またその呻き声の周辺からどこかへ立ち去っていく奇妙な足音を耳にする。
サラは、呻き声の主が海外旅行中の理事長ではないかとスージーに告げるが、翌朝それをタナー女史に尋ねると、冷たい否定が返ってくる。
次の日、アルバートがダニエルの盲導犬に噛みつかれるという事件が起きる。タナーは烈火のごとく怒り、ダニエルを解雇する。
ダニエルは「私は目が不自由でも耳は良いんだ。こんな呪われたところ出て行ってやる」と捨て台詞を吐きながらその場を立ち去る。
こうした事件の起こる中、スージーとサラは、夜ごとタナーたちの靴音に好奇心をかきたてられる。
なぜ教師たちの靴音が響き、突然それが消えてしまうのか。
サラはその靴音を追って廊下に忍び出る。その夜、ビアホールからの帰り道に、ダニエルは自分の盲導犬に噛み殺される。
次の夜、スージーの寝室に来たサラは、最初に変死したパットから、死の直前に奇妙な話を聞かされ、謎めいたメモを預けられたことを告げる。
しかしスージーは睡魔に襲われる。仕方がなく自室に戻ったサラは、恐怖心に襲われ、廊下に逃げ出す。
何者かが追いかけてくる気配を感じ、屋根裏へ逃げ込むが、高い窓から工具室に転倒する。
彼女はそこにあった無数の細い針金にからまれ、何者かによってナイフで腹を刺された末、喉を掻き切られて死亡する。
翌朝、サラの姿が見えないことを不審に思うスージーに、サラが荷物をまとめて退学していったとタナーが告げる。
奇妙に思ったスージーは、サラの友人の精神科医フランクを訪ねて学院についての奇妙な出来事を相談するが、そこでフランクは学院の歴史と魔女についての話をし、より詳しいミリウス教授の話もその場で聞くことになる。
学院は1901年にギリシャから来た「エレナ・マルコス」なるギリシャからの亡命者によって当初バレエと神秘学の学校として創設されたが、マルコスには「溜息の母」という魔女ではないかという疑いがあった。
マルコスが富と名声を得るにつれて周りからの疑いはますます増えていったが、1905年に彼女は火事で亡くなり、学院はバレエ学校としてマルコスの教え子が引き継いだという。
また、魔女は長老となる者を中心に契りを結んで集まりを形成し、長老から力を発揮するが、もし長老が死んだ場合はその集まりに参加していた魔女たちも一緒に死ぬという。
その夜、自分以外の生徒はボリショイ・バレエ団の公演を見に向かったため、誰もいない寄宿舎に戻ったスージーは意を決して、葡萄酒を捨て、秘密を暴こうとする。
足音の数だけ廊下を歩くと、スージーは校長室にたどり着く。
そこでスージーは、学院に到着した日に会ったパットが発した言葉を思い出す。彼女は壁にアイリスの飾りがあるのを見つけ、青いアイリスを回すと秘密のドアが開いた。
奥の部屋では教師たちがスージーを呪う儀式をしている。
この学院は魔女たちの館であり、バレエ教室はもともと魔女の儀式の踊りから派生したものだったのだ。
姿を見られたスージーは別の部屋に逃げ込むが、そこには長老のマルコスがカーテン越しのベッドにいる。
スージーはカーテンを開けるが、そこには誰もいない。
すると、マルコスの嘲笑と共に突然、サラの死体が動きだし、スージーに向かって襲いかかってくる。
絶体絶命のピンチとなった時、雷の光がマルコスの透明な身体を光で浮かび上がらせた。スージーは全力を振り絞って、壊れたガラス製の孔雀の置物の羽根を取って、マルコスの喉を突き刺した。
マルコスの断末魔のサイコキネシスにより館が崩れはじめる。教師たちの阿鼻叫喚の中、やっとのことで館の外に逃げ出すスージー。
激しい雨の中スージーは笑みを浮かべながら去っていき、教師たちのものと思われる阿鼻叫喚の悲鳴の中、館が炎上する様をバックにエンドロールとなる。
関連作品 ー 鳥 ー
『鳥』(The Birds)
1963年のアメリカ合衆国の映画。
ジャンルは生物パニックもののサスペンス。アルフレッド・ヒッチコック作品。
原作はダフニ・デュ・モーリエによる同タイトルの短編小説。
1970年代に量産された動物パニック映画の原点でもある。
《ストーリー 概要》
若きソーシャライトのメラニー・ダニエルズ(ティッピ・ヘドレン)は、サンフランシスコのペットショップでミッチ・ブレナー(ロッド・テイラー)という弁護士と出会う。
ミッチは、11歳になる妹の誕生日プレゼントにしようとつがいのラブバードを探していたのだった。
ミッチに興味を持ったメラニーはラブバードを購入し、カリフォルニア州ボデガ・ベイにあるミッチの家に届けてやる。
しかし一羽のカモメが突如彼女を攻撃し、彼女は額に怪我を負う。
メラニーはミッチの家での夕食に招かれ、妹のキャシー(ヴェロニカ・カートライト)とも仲良くなるが、ミッチの母親のリディア(ジェシカ・タンディ)は息子がメラニーと親しくなることを快く思わない。
メラニーは、たまたま知り合ったアニー・ヘイワース(スザンヌ・プレシェット)という小学校教師の女性の家に泊めてもらうことになる。アニーはミッチのかつての恋人だった。
翌日、キャシーの誕生パーティの最中に子供たちがカモメの大群に攻撃される。
夜には大量のスズメが暖炉の煙突からミッチの家に飛び込んでくるという事件が起こる。 さらに翌日、近所の住民が鳥に目を抉られ殺されているのをリディアが見つける。
また、アニーの小学校では鴉の群れが子供たちを襲い、生徒を守ろうとしたアニーは鴉たちに殺されてしまう。
メラニーは港近くのレストランでミッチと落ち合うが、ここでもカモメの大群が人々を襲い、街はパニックに陥る。
メラニーとブレナー一家は、窓やドアに板を打ちつけて家に立て籠もるが、次から次へと鳥が家を攻撃してくる。
ついにはメラニーが屋根を壊して入り込んだ鳥の群れの攻撃を受けて気絶し、ミッチによって助けられたものの精神のバランスを崩してしまう。
ミッチたちはこの家を抜け出すことを決め、鳥が家の周りをびっしりと取り囲んでいる中をなんとか車庫にたどりつき、車を出す。
カーラジオでは鳥の攻撃が近隣に拡大していることを報じていた。
〔ウィキペディアより引用〕