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もの思う葦 ♯007

2023-07-28 21:00:00 | 日記

 ■ 穴

 『穴』という言葉で何をイメージされますか?

 “虎穴に入らずんば虎子を得ず”

 でしょうか?

 まぁ、それはなかなかないに等しいですよね。

 私の場合は、何かしら、隠秘で、好奇心を擽られているような気がします。

 名詞の「穴」から「覗く」という動詞へ移行する行為が居心地良かったりします。

 さて、タイトルでも、モチーフでも多数の著書に使ったりします。

 穴

 小山田浩子/著 の場合。


 奇妙な獣のあとを追ううちに、私は得体の知れない穴に落ちた――。
 仕事を辞め、夫の田舎に移り住んだ夏。
 見たことのない黒い獣の後を追ううちに、私は得体の知れない穴に落ちる。
 夫の家族や隣人たちも、何かがおかしい。平凡な日常の中にときおり顔を覗かせる異界。

 『工場』で新潮新人賞・織田作之助賞をダブル受賞した著者による待望の第二作品集。芥川賞を受賞した表題作ほか二篇を収録。

 『穴 HOLES』
      ルイス・サッカー著        
         幸田 敦子 訳の場合。 

 先祖のおじいちゃんがヘマをしたせいで、呪いをかけられ、不幸の家系になってしまったと信じる少年スタンリー。
 彼はある日、運悪く無実の罪で捕まってしまう。
 そして、自分の潔白を証明することをあっさり諦め、少年矯正施設行きを受け入れる。
 しかし、そこは想像を絶する過酷なところだった。
 砂漠のど真ん中に建つその施設では、恐ろしい女所長が恐怖支配を行い、“人格形成のため”と称して、来る日も来る日も少年たちに大きな穴を掘らせていた。
 だがその“穴掘り”には、ある別の大きな企みがあったのだった…。

 ルイス・サッカーの傑作児童文学を豪華キャストで映画化した日本劇場未公開の痛快ファミリー(コメディー)・アドベンチャー。映画化もされている。

 私の好きな作品は

 穴
    山本亜紀子著

 売れない作家として燻っていた真木栗勉がある時に見つけたのは、自宅の木造アパートに空いたふたつの穴です。
 両隣の部屋を除いて見聞きした出来事を題材に執筆を続けていくうちに、連載小説は評判を集めていきます。
 その一方では真木栗は原因不明の体調不良と、不可解な出来事に悩まされていくのでした。

 映画『真木栗ノ穴』


 《ストーリー概要》

 真木栗勉(まきぐり べん)は売れない作家です。
 もうすぐ40歳を迎えようとする真木栗は、ある雑誌に半年間の連載をしていました。
 築40年のボロアパート「みどり荘」に独りで暮らしています。
 連載の最終回の原稿を喫茶店で、担当編集者の男性に渡した真木栗は、次回からの連載のことを質問しました。
 真木栗は新たな連載を持ちたいと思っていたのですが、次の連載は先日新人賞を獲った塩田という作家が書くことに決まっていました。
 その次の連載を真木栗は聞きますが、真木栗に縁はなさそうです。
 喫茶店でコーヒー代をおごって編集者の歓心を買おうとしますが、経費で落ちるからと断られました。
 それでもしつこく真木栗は、おごろうとします。
 アパートには風呂がついていないので、真木栗は銭湯に通っています。
 風呂へ行く前に立ち寄る馴染みの中華料理屋へ行った真木栗は、店員の年増女性・沖本シズエに声をかけられました。
 シズエは真木栗に「うちでお風呂入ってかない?」と声をかけると、真木栗の手を引いて自分のアパートへ連れ帰ります。

 真木栗が浴槽で湯につかっていると、シズエも風呂に入ってきました。
 シズエは真木栗の下の名前を聞き、独り暮らしは寂しいと話します。
 真木栗は寂しいからという理由だけで交際を始めても難しいだけだと、真面目に答えます。
 しかしシズエに誘われて、身体を重ねました。
 そのあと真木栗が部屋に戻ると、部屋は泥棒に荒らされていました。
 足の踏み場もないほど散らかっています。
 安アパートの部屋の玄関で真木栗が途方に暮れていると、隣室から明かりが洩れていることに気づきました。
 普段は気づかなかったのですが、壁に小さな穴が開いていました。
 泥棒が入り、本棚が倒れたことで壁の穴が露出していました。

 翌朝、真木栗の部屋に訪問客があります。ノックの音で起きた真木栗は、覗き穴にカレンダーをつけてふさぎました。 
 部屋をノックしたのは、置き薬の営業をする若い男性・細見貢でした。
 細見は気弱で善良な男性で、真木栗の散らかった部屋を一緒に片づけると言い出しました。
 好感を持った真木栗が持病の片頭痛の話をしたところ、細見は自社の頭痛薬を置いていきます。
 真木栗はその後に、連載した雑誌の編集者に電話をかけ、折り返しの連絡を待ちますがかかってきませんでした。
 真木栗はそのまま部屋で無為にひと晩過ごします。

 電話を抱えたままその場で眠った真木栗は、途中で目が覚めたときに反対側の壁の床に近い部分に、新たな穴を見つけました。
 穴の存在に気づいた真木栗は早速覗いてみますが、反対側の部屋は空き室なので誰も人はいません。
 馴染みの中華料理屋へ行くと、店主の飯田時子が真木栗に話しかけてきました。シズエは逮捕されたと言います。
 シズエはやもめ暮らしの男性を標的にして部屋に呼び、そのあいだにシズエの連れの男性が、標的の部屋に空き巣に入っていたのでした。つまり真木栗は被害者のひとりです。
 そこへ週刊誌の雑誌記者が、店主の飯田に詳しい話を聞こうとやってきていました。逮捕されたシズエが真木栗の部屋を荒らしたことを供述していたため、真木栗は取材対象になります。その代わりに記者は、交換条件を出しました。官能小説を書く予定だった小説家が行方不明になったので、空いた穴の連載を真木栗に依頼すると言ったのです。
 官能小説など書いた経験はないものの、連載がもらえるのは魅力でした。
 締め切りは3日後だと言われます。

 帰宅した真木栗は、部屋の穴を見てストーリーを思いつきます。
 アパートに一人暮らしをしている男性が、部屋の壁に穴が開いているのを発見するという話にしました。
 さらに隣の空き部屋に、若い女が引っ越してくるという内容を思いつきます。
 ただし、官能小説は書いたことがないので、向いていないとも思っていました。
 ああでもない、こうでもないと考えていた真木栗は、アパートの真下で出会った女性を見て、その女性が越してくるところを想像します。
 顔を合わせた女性をスケッチした真木栗は、それを小説のヒロインにして書き始めました。
 持病の片頭痛に悩まされる真木栗は、置き薬の頭痛薬を服用しながら、書き進めます。
 ときどき穴をのぞいては、隣の部屋を確認しては小説を書き続けました。

 編集者の女性・浅香成美が部屋にやってきます。
 成美は先日の中華料理屋で顔を合わせた女性で、自分が真木栗の官能小説の連載担当者になったと話しました。
 真木栗は覗き穴でちょうど隣室を覗いていたところだったので、びっくりします。
 ヨガをしていたと話してごまかすと、成美は納得します。
 その夜、隣家の男性・佐々木譲二が彼女を連れて帰宅しました。それを知った真木栗は部屋の明かりを消して、覗きます。
 恋人同士が肌を重ねる一部始終を、真木栗は穴に張り付いてただひたすら、むさぼるように凝視していました。

 真木栗がアパートの真下で見かけた女性は、水野佐緒里という名の女性でした。
 佐緒里はIT社長の男性・貞男の妻です。
 貞男が事業に失敗して借金を背負いました。貞男は佐緒里と離婚することで、佐緒里を借金取りから解放しようとします。
 家の前に群がるマスコミを避けて、佐緒里は裏口から家を出て、塀を乗り越えて去ります。
 真木栗が共同のトイレを掃除していると、宅配便が荷物を持ってきました。越してくる隣人の荷物を押し付けられた真木栗は、宛名を確認もせず受け取ります。
 夜、空き部屋だった部屋に人の気配を感じて覗いた真木栗は、自分が妄想したとおりにあの女性、佐緒里が隣室に越してきたと知って興奮しました。
 受け取っていた荷物を持っていきます。そっけなく対応して荷物を置くと去った真木栗は、部屋に戻るとまた覗きを再開します。
 佐緒里は箱を開けて、中に入った下着を取り出していました。
 固唾を飲んで見守っていた真木栗は、電話の音にびっくりしました。
 電話の主は成美で、原稿を翌朝に取りにいくという話でした。

 成美が原稿を取りに来ました。
 真木栗が書き終わるまで待つつもりです。
 真木栗が原稿を書いている最中に隣家の佐々木が恋人を連れて帰宅すると、隣で行為を開始しました。
 音を聞いて居心地が悪くなった成美は、飲み物を買ってくると言って中座します。
 成美がいなくなると真木栗は覗きを始めますが、戻ってくる気配がすると急いで原稿に戻ります。
 書いている小説が真木栗の実生活に近いので、成美は「実話」なのかと聞きました。真木栗は否定します。
 隣家の音に気付いていたと知った成美は、よく集中できますねと答えました。

 コインランドリーの帰りに隣の佐緒里と出会った真木栗は、トマトのおすそ分けをもらいます。
 部屋の入り口で受け渡しをしていると、佐緒里が1つ落としました。
 トマトの汁で服が汚れたので、佐緒里は部屋に戻ると着替えをします。
 その様子を、真木栗は必死で見ていました。 佐緒里の部屋に元夫の貞男が訪ねてくると、2人は身体を重ねます。
 そうした様子も真木栗はつぶさに観察し、知った情報はすべて小説に書き起こしていきました。 小説のストーリーに変化をつけたい真木栗は、名札を落としていった宅配の男性・秋田健の名前を借りることにしました。
 小説に秋田を登場させると、佐緒里が秋田を誘惑するストーリーを書きます。  
 すると不思議なことに、寸分の狂いもなく書いたのと同じことが、隣家で起きたのです。
 真木栗は驚くと同時に、これはいいと思いました。

 真木栗の運命は?

    〔ウィキペディアより引用〕