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スカートの中に何があるかより もっと大事なこと。
■監督・脚本 ダンカン・タッカー
■キャスト フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガーズ、フィオヌラ・フラナガン、エリザベス・ペーニャ、
キャリー・プレストン、グレアム・グリーン、バート・ヤング
□オフィシャルサイト 『トランスアメリカ』
ごく普通の女性として、ロサンゼルスでつつましく生活をしているブリー(フェリシティ・ハフマン)には
秘密がある。 実は彼女、男性であることに違和感を持ち、性転換手術を目前に控えたトランスセクシュアル。
ところがある日、そんなブリーの前に突然、トビー(ケヴィン・ゼガーズ)という少年が現れる。
なんとトビーはブリーが“スタンリー”という男性だった頃に出来た実の息子だったのだ。 ひょんなこと
からブリーは、実の息子であるトビーに自分が父親であることを隠したまま、共にアメリカ大陸横断の旅
(トランスアメリカ)に出ることになった。
おススメ度 ⇒★★★ (5★満点、☆は0.5)
cyazの満足度⇒★★★☆
不思議な“父親と息子”、いや最後は“母親と息子”が自分探し、親子探しを続けるロード・ムービーがこの作品だ。
性同一性障害の男性が、女性になると性転換手術を受けることを決めたとき、ひょんなことからかつて
別れた妻との間にできた息子と旅をすることになる。 息子は一緒に旅する怪しい女が自分の父親だとも知らずに・・・。
フェリシティ・ハフマンはこの映画の中で素晴らしい演技を観せている。 これは非常に難しい役であり、
最初から最後まで抑えた飾り気のない、だけど存在感のある演技をコミカルに演じてくれた。
まず彼女自身が女性であり、男性の仕草と女性になろうとしている男性の仕草と、一語一語を丁寧に
かつ時に大胆に魅せてくれた。 抑揚がないといえばそれまでなのかもしれないが、彼女なりの一貫した
この役への“強い想い”が観ている側にダイレクトに伝わってきた。
息子役のケヴィン・ゼガーズも荒削りながら、微妙な心の揺れを上手く演じていた。 彼はリバー・フェニックスの
再来と言われているようだが、その憂いある表情はリバーのそれとは異質なもののように感じたのだが。
むしろ若い頃のディカプを思わせるようなところがあったような。
面白いのは旅の途中でお金も底をつき、やむなくブリーが自分の実家に立ち寄るところだ。
母親は小汚い青年を孫だと知った瞬間、異様な愛着を示す。 この映画はロードムービーなのでストーリーは淡々と
進行していくのだが、このブリーの家族との触れ合い、特に食事に出かけたときのレストランでの会話は実に愉快だった。
もしかしたら、同じ屋根の下で二人が生活していたとしたら、きっと互いに分かり合うことができなかっただろうし、
むしろこういう旅を通して、失われた記憶と、新たな明日への道標を互いが求めるようになったことは、旅を続ける
過程で同じ血が通い合う父と子だからだろう。 そしてブリーが本当の女に変わったとき、それを息子は素直に
受け入れることができた。 もしこれが父のままだったとしたら、二人の関係は開かれることがなかっただろう。
映画を観終わって時間が経つほどに、フェリシティ・ハフマンが演じたブリーという女性の存在が大きくなっていくのが不思議だ。
彼女は私生活では名優ウィリアム・H・メイシーの奥さんだ。 映画はさほど多く出演していないが、ブロードウェイはもちろん、
オフ・ブロードウェイでも活躍している女優さんだ。
まるで本当に男性が女性の格好をして歩いているという感じが、本物の女性でありながら凄くよく映像に表れていた。
何だか錯覚が起きてしまうほどだった(笑) ラストシーンで、転換手術を受けてからしばらくして息子が訪ねて来たとき、
時間の経過と共に少し素に戻したフェリシティ・ハフマンの顔を見せてくれたら、もっと感動の度合いは大きかったと思った。
実はノーマークだったことに、彼女は今年の第78回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされていたのだ。
もちろんオスカーはリース・ウィザースプーンが獲ったことはご存知だと思います。 でもノミネートされた他の女優さんたちを
見ると、やはりこの作品の良さを彼女のノミネートが証明していたのかもしれません。 その際、ノミネートされた女優さんたちは
こんな方々でした~
□ 主演女優賞ノミネート作品
ジュディ・デンチ(「Mrs. Henderson Presents」)
フェリシティ・ハフマン(「Transamerica」)
キーラ・ナイトレイ(「プライドと偏見」)
シャーリーズ・セロン(「スタンドアップ」)
リース・ウィザースプーン(「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」)
派手さは少しもない映画ですが、それだけに淡々とストーリーが進んでいく中で、僕自身もどこかで一緒に、
“自分探し”をしていたような、心に優しい、人に優しくなれるような映画でした。 こういうタイプの映画は久しぶりだったので、
余計に新鮮に感じられた作品です
余談ですが、埋もれないで公開されたことはラッキーだと思いました
それは、第77回アカデミー賞の
主演男優賞にノミネートされていたドン・チーゲルの主演作、『ホテル・ルワンダ』が公開されて良かったように
余談続きで・・・
こんなこと書くと怒られそうですが、映画の中のブリーを演じたフェリシティ・ハフマンはティム・ロスが女装した感じだった(笑)?!
(もっと似ている俳優さんがいたのですが、ちょっと名前が思い出せないのです)
そして息子役のケヴィン・ゼガーズは、『ウォーク・ザ・ライン』の痩せたホワキン・フェニックスに表情が良く似ていると思った。
ん? ということは、リバーに繋がるのかな(笑)?!
1番ノリかな?ちょっと嬉しい♪
旅って相手や自分を見つめなおすには一番の方法かもしれませんね。
こういう映画を観るたびに私も旅に出てみたいって思っちゃいます(単純です 笑)
ケヴィン・セガーズはリバー・フェニックスの再来と言われていますが個人的にはあんまし納得してないです(苦笑
フェリシティの素晴らしい演技とユーモアが凄くよくて、
思っていたよりも素晴しい作品でした♪
何も解決していない、かもしれないけど前に進んでいくんだな…って思えるような余韻が何とも良かったです。
>旅って相手や自分を見つめなおすには一番の方法かもしれませんね。
そうですね^^ 客観的に自分を見れる気がします!
>ケヴィン・セガーズはリバー・フェニックスの再来と言われていますが個人的にはあんまし納得してないです(苦笑
ですよね(笑)
リバーの憂いとは違うと思いますよ!
>フェリシティの素晴らしい演技とユーモアが凄くよくて、思っていたよりも素晴しい作品でした♪
淡々としているけど、後で段々説得力があった演技だとつくづく思える作品です!
>何も解決していない、かもしれないけど前に進んでいくんだな…って思えるような余韻が何とも良かったです。
やはり旅は人をある意味優しくするんだとも思いました。 心は通じるものですね^^
フェリシティ・ハフマンの本当の姿も拝見
できてうれしいで~す。
ウィリアム・H・メイシーの奥さんでしたか!
なんとなくスーザン・サランドンと重なります。かっこいい!
私も映画好きで年間100本くらい観ます
そういわれれば、ホアキンにも似てますね。私は黒髪の時は、ガエル・ガルシアにも似てると思ったのですが、金髪姿は、晩年の金髪にしたときのリバーにすごく似てると思いました。
しかし、フェリシティ・ハフマン、美人じゃないですかっ!っていうか、化粧次第でこうなるって事でしょうか?
>フェリシティ・ハフマンの本当の姿も拝見できてうれしいで~す。ウィリアム・H・メイシーの奥さんでしたか!
そうなんですよね^^ 今作ではだんなさんは製作総指揮、納得です! やはり彼女のことをよく知っているからこそできた作品ですね^^
>なんとなくスーザン・サランドンと重なります。かっこいい!
サランドンよりは角がたってないですよねぇ(笑)
>そういわれれば、ホアキンにも似てますね。私は黒髪の時は、ガエル・ガルシアにも似てると思ったのですが、金髪姿は、晩年の金髪にしたときのリバーにすごく似てると思いました。
なるほど、ガエル・ガルシア、それもアリですね!
>しかし、フェリシティ・ハフマン、美人じゃないですかっ!っていうか、化粧次第でこうなるって事でしょうか?
いやぁよく化けてましたよね(笑)?
まるで男性の体つきで女性になりたい中身は女性、不思議です!