CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

苦を楽しむ(2)

2024-08-21 13:55:57 | ツーリング
 私は心拍数が上がり易い体質で運動が大の苦手でした。特に持久力を必要とする長距離走は大の苦手で、学校のマラソン大会を完走した経験がありません。そんな私がロードバイクに乗り始め、最初の壁が登り坂でした。初めて参加した富良野アースライドでは美瑛の丘でバーンアウト。心拍数を上げ過ぎてしまった結果、脳に酸素が回らなくなり、頭が真っ白になり、走り続けることが難しい状況になってしまったのです。ただ、しばらく脚を止めて休んでいたら心拍も戻り、かろうじて途中折り返しでゴールすることは出来ましたが、目標としていた『北の国から』の「五郎の石の家」へ辿り着けなかったことが悔しくて、坂トレを始めました。運動が大の苦手な私が坂トレです!!

 坂トレは心拍数が上がり、ただただ苦しかったのですが、富良野の悔しさが良いバネになってくれたようで頑張れました。そんな折、ショップのイベントで苦しい坂を登っていると、上から落ちて来た人に付いて登っていると「アレ」という感覚を覚えたのです。サイコンを見るとケイデンスが60rpmを切り、速度も10km/hを切っていたのですが、心拍が落ち着き比較的楽に登れている感じだったのです。
 これまでの私の登りは軽いギアでケイデンス80rpmというセオリーで考えていたのですが、これだと私の場合心拍数が上がり過ぎ長い時間登り続けることが難しくなっていたのでした。ケイデンスを60rpmまで落とすことで心拍数は上がらなくなり、速度は落ちますが脚を止めずに登り続けることが出来ることを学びました。富良野アースライドの頃は、前の人から遅れないようにと、人のペースで走っていたのです。

 このことで走りながら休むことを覚えました。走っている以上心拍数は上がるのですが、ケイデンスを落とす事で一定の心拍数を保つことが出来るので、長い登りも耐えられるようになって行ったのです。心拍数のコントロールの重要性を身をもって理解した瞬間でした。
 自転車はペダルの回転数やギアの選択によって身体への負荷を調節できるので、心拍数のコントロールが可能です。心拍数が上がり易い体質の私でも長い峠を登り切ることができるのです。マラソンなどでも走る速度を抑えれば心拍は抑えられるのですが、足は直接地面を蹴り上げることになりますから、心臓はもっても脚が疲労で動かなくなってしまいます。その点、自転車はハンドル、サドル、ペダルと体重は分割されるので、脚への負担は抑えられるのです。加えて変速機によって負荷を調整できるので、勾配に応じてギアを軽くすることで、一定の速度で長く走り続けることを可能にしてくれるのです。リハビリなどにエアロバイクが使われるのはそのためです。

 こうなると登りもあまり苦にならなくなりました。むしろ峠の頂上に到達する達成感が大きくなって行ったのです。それでも勾配が20%近くなると体力的に無理があり、未だに未踏の坂はありますが、札幌近郊の峠や山道はおおよそ踏破しています。
 苦しいけれど楽しいと思えるのは、この達成感故だと思っています。たとえメダリストでなくてもアスリートでなくても、達成感が得られれば苦しさを楽しさに替えられると私は信じています。最も辛いのは達成感が得られない挫折でしょう。
 



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スポーツクライミングに魅せられた理由(2)

2024-08-16 16:00:32 | ツーリング
 スポーツクライミングには、同じ条件で設置された高さ15mの壁を2人の選手が同時に登り速さを競う「スピード」、高さ5メートル以下の壁に設定された複数のボルダー(コース)を、制限時間内にいくつ登れたかを競う「ボルダー」、制限時間内に高さ12m以上の壁のどの地点まで登れるかを競う「リード」の3種目があります。スポーツクライミングが初めて実施された東京2020大会では、スピード・ボルダー・リードの3つによる複合種目として男女2種目が実施されました。パリ2024大会でも引き続きスポーツクライミングが実施されますが、東京2020大会とは異なり、単独種目としての「スピード」と「ボルダー&リード」の複合種目がそれぞれ男女で行われました。

 オリンピック毎に種目が増えているので、2028年のロスオリンピックでは「ボルダー&リード」の複合ではなく、「ボルダー」と「リード」をそれぞれ別種目として実施して欲しいと願っています。そもそも、ワールドカップでは3種目で行われているスポーツクライミングを複合競技にしているのはオリンピックだけなのですから。そうすれば今回のオリンピックのような「不公平」とか「かわいそう」といった意見は間違いなく減ると思います。

 競技種目おける体格差を考慮して。レスリングや柔道のように階級別の種目として実施している競技もありますが、あくまでも少数派です。陸上でも水泳でも球技でも身長差や体格差は考慮されていないのです。この体格差を差別だという人はいないはずなのです。バスケットボールで日本の河村選手の前に立ちはだかったフランスのビクター・ウェンバンヤマ選手の身長は2m24cmでした。河村選手の身長は172cmですが、この時の河村選手をかわいそうだと思った人もいないはずです。

 では、何故、森選手にだけ「かわいそう」とか「不公平」という感想が集まったのかというと、森選手の「ボルダー」と「リード」のギャップにあったと思っています。「リード」でのあの登りがなければ、これほど大きな反響は無かったに違いありません。誰もが感動した森選手の「リード」は間違いなく世界一で、金メダルに値するものなのです。

 日本の安楽選手を破り男子複合で金メダルを獲得したイギリスのトビー・ロバーツ選手が「With the legend」と森を称えたように、こうした動きがIOCを動かし、ロスではワールドカップ同様に「スピード」「ボルダー」「リード」の3種目として実施されることを願うばかりです。IFSC(国際スポーツクライミング連盟)はIOCに働きかけはしているのでしょうが、そこは資金力の問題があるのかもしれません。
 



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グループライドの楽しみ

2024-07-16 15:17:52 | ツーリング
 昨日の海の日は新型コロナの流行が初めってから5年ぶりに、ショップ主催のグループライドに参加して来ました。基本的にマイペースで走るのが好きなタイプなので、どうしてもグループで走りたいという気持ちがあった訳ではありません。ただ、久々に新しいバイクも買ったのでお披露目の気持ちが強かったのかもしれません。

 ただ、新しいバイクは私だけでなく。同じバイクの今年の新色モデルに乗っている人もいて、とても新鮮な気持ちになりました。5年ぶりの参加ということもあり初めての顔ぶれや、10年ぶりに見かける顔があったりと、新鮮さと同時に懐かしさも感じることができました。 私がショップのグループライドに参加したのは、富良野グレイトアースがまだ富良野アースライドと呼ばれていた頃のことで、10数年以上も前になります。当時は購入したばかりのCAAD10で勇んで参加したものの、美瑛の丘でバーンアウトしてしまい、北の国からコースを完走することができなかったのです。ショップの店長が富良野の宿まで予約して、マイクロバスで参加者とバイクを運ぶ念の入れようでした。

 ショップも大きくなり、客も増えるとなかなか細かなサービスが難しくなり、変わって始まったのが1泊2日のサマーツーリングでした。これも、宿泊施設を前もって確保しなければならず、結構大変だったようですが、このショップの恒例の楽しみとなりました。多い時は30人以上の参加者があり、到着してからのBBQとビールの味は格別で、今でも夏になるとその時のことを良く思い出します。
 ただ、こうしたイベントもコロナ禍を境に無くなって行きました。サマーツーリング以外にも羊蹄山一周ライドや洞爺湖一周ライドなど、コロナ前は楽しいイベントが沢山あったように思います。コロナ禍になって、ソロライドが始まり、それが日常になって行きました。それが、今年は足の骨折などもあり、仲間と顔を合わせる機会も激減していたので、久々の参加を決めた次第です。

 12人程度のグループライドで、グラベルロードや電動アシスト自転車やミニベロなど様々なバイクが揃い、なかなか楽しいライドでした。速度は25km/h以下と少々物足りないものでしたが、とにかく安全優先。コースも車通りの少ない道をくねくねと走り、同じ地域を走りなれている私も知らない道や、道順で色々と自分も勉強になりました。サイコンがガーミンならこんな走りもできるのかと感心させられました。
 実は前日に私が30Cのタイヤで走った地域だったのに、方向は同じなのに道が違うと景色が全く違うのものだと、改めて感じさせられました。毎回、ほとんど決まったコースしか走らないので、サイコンのマップ機能を使ったことは無かったのですが、ブライトンでもスマホにルートを落し込んでおけば、こうした走りも可能になるはずなので、今度試してみようと思っています。
 改めてこんなペースでも1日8時間走り続けられたらセンチュリーライドも可能なのにと思ってしまいましたが、今回は平坦がメインで、札幌を取り巻く山の内側を走った格好なので楽でしたが、札幌から160km走ろうとすれば少なからず峠や山を越えなければならないので、話はそう単純ではないのです。
 集団走行で縦一列で走らなければならなかったのですが、前の人に近づき過ぎるとスリップに入り前に出てしまいそうになるのが大変でした。縦距離を長くしたくないので、前の人との間隔を空け過ぎる訳にもいかず、今回はディープリムで参加しなかったのは賢明でした。

 初めて口にしたバーニーズのハワイ料理バニ・ポーク・ボウルの味が新鮮でした。海が見渡せるBERNRSEというお店でした。まさに海の日に相応しいライド&ランチでした。中には走り足りず坂を求めて走りに行った兵たちもいましたが、私は涼やかな海風を堪能して過ごしました。
 





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ポガチャルのWツール制覇を考える(8)

2024-07-07 10:27:46 | ツーリング
  酷暑の南イタリアからスタートした今年のツール・ド・フランスは一度アルプスを越え、一路北上し北フランスに入ると気温は急降下。暑さに弱さを見せたポガチャルにとっては、個人TTも無難に終え、今日は男子ツールとしては初めてとなる「白い道」、イタリアならストラーデ・ビアンケと呼ばれる未舗装路区間を走り抜けることになります。
 ぶどう畑の中に引かれた計14セクター・通算32.2kmの未舗装路は選手の路面判断とバイクコントロールが常用になります。勿論、パンクや機材トラブルが勝敗を分けることも少なくありません。近年はファンデルプールやファンアールト、ピドコック等のMTBやシクロクロスでも実績がある選手が有利とされています。

 ただ、本家のストラーデ・ビアンケでは今年ポガチャルが81kmの独走を決めて勝利を挙げているのです。ポガチャルもMTBの経験がありバイクコントロールには定評のある選手で、実際に過去5年は上記4人が征しているのです。内ポガチャルは2度も勝っている。
 ポガチャルがここでステージ優勝を狙いに行くとは考えにくいのですが、このステージでは得るものより失う物の方が大きい事は良く分かっているはずです。パリ~ルーベ等もそうですが、パヴェ区間に入る前の位置取りが重要になって来るのです。

 春のクラシックを沸かせたファンデルプールですが、どうにも調子が上がって来ていないように見えます。骨折明けのファンアールトも同様です。とはいえ、ワンデイレースではないので、総合上位陣は勝利よりエースを守ることに専念しなければなりません。総合2位のエヴェネプールは元サッカー選手で脚力はずば抜けたものがありますが、バイクコントロールに関してはポガチャルやヴィンゲゴーには遠く及ばないレベルでしょう。下りで遅れるのもそのためです。

 本格的な山岳に入る前にエヴェネプールを引きずり下ろすならまずこのステージだとチーム・ヴィスマは考えているのではないでしょうか?戦術を練りに練るチームですから、ヴィンゲゴーの遅れをそのまま放置しておくとは思えないのです。最終標的はポガチャルですが、その前にエヴェネプールを引きずり下ろすことは考えているはずです。
 ただ、こうした未舗装路ステージで最も安全策は独走することだと勝者たちは知っているはずです。先頭に出て、集団と1分の差を空けるとチームカーが間に入ることができるので、万が一のパンクや機材トラブルにも瞬時に対応が可能となります。今年のストラーデ・ビアンケではポガチャルが、パリ~ルーベではファンデルプールが取った戦術です。
 200km近い距離のステージですから、逃げる選手によっては容認される可能性はありますが、それとは別に総合勢にも絶対にタイムは失いたくないという心理は働きますので、早目の仕掛けでエースを前に置くことを優先するチームが出ることも考えられます。未舗装路区間で差を詰めるのは難しいので、舗装区間と未舗装路区間でのタイムの上げ下げが激しくなり、アシストの消耗もきつく成ります。特に平坦アシストが少ないUAEは最後の4級山岳から早目に仕掛けて来る可能性もあります。残りの平坦路に未舗装路区間が多いので、ポガチャルの独走でも間にチームカーが入ることが出来れば、今の気温ならポガチャルひとりでも大丈夫でしょう。明日は休養日なのでポガチャル、ファンデルプール、ファンアールト、ピドコックが先頭で走るシーンが見てみたい。
 今日のステージでは逃げが決まったとしても、集団ゴールにはなり辛いので、総合勢にタイム差が生まれる可能性が高くなりそうです。総合トップ4の中で未舗装路区間が得意なのは間違いなくポガチャルですから、UAEとしてはそれを最大限に活かす戦術が必要です。先手をファンアールトやティシュ・べノートといったヴィスマ勢に取られると、UAEは後手に回ることになってしまうかもしれないのです。
 



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ニューバイクで出し尽くす…

2024-06-30 14:25:25 | ツーリング
 金曜に第3世代のSupersix EVOで登りを中心に25kmほど、昨日はニューバイクで北海道スポーツサイクルフェスティバルの帰路にあいの里を廻り35kmほどのライド。今日は暑くなる前に石狩新港方面を45kmほどの距離を走って来ました。

 ニューバイクはディスクロードに45mmのディープリムとVisionMetronAeroの組み合わせ。VisionMetronAeroはエアロフレアハンドルで左右5mmずつフレアになっているエアロハンドルバーです。実は昨日、篠路拓北通りという片側4車線の道路で、ブラケットポジションを試してみたのですが、リア15Tで160Wほどの出力が計測されていました。向かい風の平坦路で心拍数は160bpmを超えいましたので、いい感じで走ることができたようです。向かい風基調ということもありケイデンスは80rpm前後でした。

 今までは追い風に乗って、ケイデンス90rpmで40km/h超えということはありましたが、向かい風基調で30km/hを超えて走ったのは多分初めてではないかと思います。今までなら25km/hを維持できればラッキーという感じでしたが、流石にエアロロードは違います。
 最大の特徴は向かい風基調でも脚が回ることでした。空気の壁を切り裂いて走るロードバイクの最大の敵は空気抵抗です。ロードバイクの全抵抗の80%は空気抵抗なのですから。これまでもこのバイクで2度走っていますが、いづれも既設のノーマルリムホイールでしたから、これはディープリムの効果も大きいと思います。

 加えて、エアロフレアハンドルを使用することで、ブラケット上部を握るエアロポジションが深くなり、これもギア1枚ほどの空気抵抗の削減効果がありそうです。実は昨日の感触が忘れられず、今日も朝から走り出したのですが、前半に調子に乗り過ぎて、後半はエネルギー切れを起こしてしまいました。通常なら、走るコースがほぼ同じなので、コンビニ補給も定期的にしていたのですが、今日は出来るだけ信号機の無いコースを選んでしまったため、コンビニが見当たらず。帰宅の4kmほど前にようやくセブンイレブンで補給。この段階で気温は30度になっていました。
 2日続けて真夏日のライドで、さすがに身体は悲鳴を上げていますが、気持ちはスッキリしています。今夜からは雨の予報なので、明日はゆっくり体を休めようと思っています。バイクが想像を超えた走りをすると、出力も上がるので、気持ちよく走っているようでも、普段よりエネルギー消費量が多かったようです。こんなにエネルギーがカラカラになったのは本当に久しぶりでした。
 



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