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CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

コルナゴのV5Rsが正式に登場(1)

2025-04-17 13:29:43 | ツーリング
 昨年、ポガチャルと共にトリプルクラウンを達成したコルナゴのV4RsがV5Rsへと進化します。ここまで、ポガチャルがイベントでカモフラージュ柄のバイクに乗っていたり、ヴォルタ・カタルーニャで試験的に使用されていたという噂があったV5Rsですが、ついにそのベールを脱ぐことになりました。

 未塗装のフレーム重量が685gという軽量でありながら、エアロ効果を落としていないというのがコルナゴの謳い文句のようです。ぱっと見では確かに少しスリムになった印象はありますが、エアロ効果が期待できるようには見えません。

 V4Rsに比べ12.5%もの軽量化は評価に値するデータです。ポガチャルの山岳での強力な武器になることは間違いないでしょう。これはカーボンレイアップを刷新し、V4Rs と同等の剛性、堅牢性を維持しながら、カーボン使用量を減らし軽量化を達成したというのです。

 コルナゴは「コルナゴ史上最軽量」を謳っていますが、初代のSupersix EVOはサイズ56の塗装済みで695gだったことやスペシャライズドのAETHOSのフレーム重量が585gだったことを考えると、驚くほどの数値ではありません。初代のSupersix EVOは軽すぎてUCI規定の6.8㎏を切ってしまうことになり、重りをシートポスト内に入れていたほどなのです。

 ただ、Supersix EVOもディスクブレーキ化やエアロ化が進む中でフレーム重量が増えつつあるのも事実です。コルナゴのV5Rsは「登りで優位差を得て、下りでその優位性をさらに決定的なものにする」と謳っています。これはエアロ効果を高めたという意味ではなく、新たに開発されたフォークとヘッドセットが軽量化に貢献するだけでなく、最もテクニカルな下り坂で必要なコントロール性と瞬発的な反応性を高めているという意味のようです。

 シートポストの形状やヘッドセット内部の構造が変わっているようですが、ぱっと見ではほとんど分かりません。全体的にはV4Rsがややスリムになっただけといった感じに見えてしまいます。V5RsはVRシリーズの進化系なので熟成度が高まっていることは間違いないでしょう。ただ、エアロ化が進んでいる時代にコルナゴが軽量バイクを敢えて出してくる意味が良く分からないのです。

コルナゴは昨年秋に最新エアロバイクのY1Rsを発表し注目を集めましたが、今シーズンでY1Rsの勝利はUAEツアーのポガチャルの2勝だけという結果に終わっているのです。ポガチャルのミラノ~サンレモ用に開発されたと思われるバイクが、登りでポガチャルの脚を削ったばかりか、チーム内から剛性が高すぎて乗り心地が悪いという悪評が漏れてきているのです。おそらくCANYONのAEROAD CFRも最初はそんな感じだったのだと思います。
 



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スポーツ自転車の価格高騰を考える(1)

2025-04-16 12:35:51 | ツーリング
 コロナ禍で一時目まぐるしい普及を見せていたスポーツ自転車の販売台数が減少し、売り上げ世界一を誇るシマノの最大のマーケットのヨーロッパで自転車部品の売上高が2023年度には1000億円もの減少を見せているのです。昨年度はさらに400億円も減少しているのです。シマノの日本における自転車部品売上高は2022年度が124億円、2024年は78億円ですから、いかにヨーロッパが自転車大国かが良く分かる数字でしょう。

 その一方で、スポーツ自転車の価格は大幅な値上がりをしているのです。勿論、シマノのようなパーツメーカーの値上げも影響しているのですが、2023年頃まではむしろカーボンロードバイクの価格が異様に下がっていると感じていたのです。おそらくコロナ禍での増産の反動で、在庫がだぶついた結果だったと考えています。

 それが、このところ一転して値上げが続いているのです。ツール・ド・フランスでも活躍するアメリカの有名な自転車メーカー、スペシャライズドにターマックという旗艦モデルがありますが、シマノのコンポーネント・アルテグラを搭載した完成車の価格が55万円から昨年は82万5000円にまで跳ね上がっているのです。

 今年に入り同じアメリカンブランドのcannondaleも旗艦モデルであるSupersix EVOの価格を10%ほど値上しています。これで、同じアメリカンブランドのTREKとほぼ同じ価格帯になることになりました。アメリカンブランドとはいえバイクの生産は主に人件費の安いアジアで行われているのが実情なのです。それでも、この値上げはトランプ関税発動前のものですから、今後、アメリカへ輸入されることになるバイクの価格はiPhoneの比ではなくなる可能性が大なのです。

 おそらくアメリカに本社を持つメーカーは生産拠点から世界各国にバイクを出荷しているため、アメリカ以外の国ではこの関税措置が大きく影響してくることは無いと見ていますが、そもそも高価なスポーツ自転車の値上げは、ユーザーを大きく減らしかねない大事件だと考えているのです。

 実際に私が乗っているcannondaleの第4世代のSupersix EVOは2023年モデルですが、399,000円(税込)で購入しています。それが、今年は全く同じモデルで価格は445,000円へ価格改定されているのです。かろうじて台湾メーカーのGIANTが30万円台のカーボンロードを販売していますが、ロードバイクが手軽に買える時代は終わろうとしているのかもしれません。

 加えて、ウクライナ戦争でアルミニュウムの不足から、年々アルミフレームとカーボンフレームの価格差が縮まって来ているのも、初心者には痛手でしょう。特に手軽に買えたクロスバイクも今では10万円近い価格になっているのです。

 カーボンロードでは30万円代の製品を持つGIANTもアルミフレームのコンテンド2は2019年に8万4000円で販売されていましたが、2024年は12万9800円と遂に10万円を超えてしまっているのです。これはロードバイク初心者の障壁を益々高くしてしまうのではと心配しています。かろうじてクロスバイクは10万円以下ですが、それでもGIANTの定番Escape R3は69,300円なのです。


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ポガチャルのパリ~ルーベ参戦が決定

2025-03-27 08:33:26 | ツーリング
 ミラノ~サンレモの熱いバトルから1週間と経たない内に、UAEチーム・エミュレーツがポガチャルの新しいスケジュールを発表しています。そこには何と4月13日のパリ~ルーベが含まれているのです。クラシックシーズンが始まる前にポガチャルがパリ~ルーベのコースを試走し、出場に強い意欲を見せていたのですが、ストラーデビアンケの大クラッシュで、チームから釘を刺される格好になっていたのです。

 ただ、ミラノ~サンレモでの敗戦を受けて、ポガチャルの闘志に火が付いたようです。ポガチャルの性格なら頷けることではあります。これまで、モニュメントの中でポガチャルが一度も出場したことの無いのがパリ~ルーベなのです。勿論、チームがツール・ド・フランスを優先し、リスク回避してきたことが要因ですが、既にツールは3度征しているので、ポガチャルにとっての優先順位はグランツールよりモニュメント完全制覇に向いていても不思議ではありません。

 特に今年の最大目標だったミラノ~サンレモをチプレッサから仕掛けてもファンデルプールに勝てなかったことが、相当に堪えていたはずです。表彰台では笑顔を見せてはいましたが、どこか目が虚ろだったからです。来年の再チャレンジでは満足できなかったのでしょう。

 ファンデルプールとはロンド・ファン・フラーデレンで再戦になりますが、こちらはポガチャルに有利なコースなので、ポガチャルに軍配が上がると見ています。現世界王者と前世界王者の壮絶なバトルが、パリ~ルーベでも見られるのは、ファンとしては嬉しい限りです。

 これまで、ミラノ~サンレモではファンデルプールが2度優勝していますが、イル・ロンバルディアではポガチャルが4連覇中。ロンド・ファン・フラーデレンはファンデルプールが3勝、ポガチャル1勝。リエージュ・バストーニュ・リエージュはポガチャルの2勝でファンデルプールに優勝はありません。

 ツールを3度、ジロは1度征しているようにポガチャルは偉大なGCライダーですが、クラシックレースでも強いというのはエディ・メルクスをして「自分を越えている」と言わしめるほどなのです。ヴィンゲゴーやファンデルプールといった強力なライバルの存在がありながらの成績なのですから、当然なのかもしれません。

 これまで、懸命に出場を思いとどまらせて来たチームがここに来て方針転換をした理由は明らかにされていませんが、おそらく、ポガチャル本人の強い意志があったものと推測しています。加えて、今季絶好調のアユソの存在も大きいと思っています。グランツールはポガチャルとアユソで住み分けをすれば良いとームが感じていても不思議ではありません。

 今回、発表されたスケジュールにはブエルタ・ア・エスパーニャが含まれていません。アユソはジロの後、ツールはスキップしてブエルタを狙うことをチームは計画しているのではないでしょうか?チームとしてはポガチャルがツールを勝ってくれれば何の問題も無いのです。ただ、ポガチャルとしてはツールよりモニュメントに気持ちが傾いているのかもしれません。

 ポガチャルは試走の後に思ったより難しくないとコメントしていますから、出る以上はファンデルプールの連勝を止めに来るはずです。正直、パリ~ルーベではファンデルプール有利と見ているのですが、ミラノ~サンレモでの借りを返したいポガチャルのモチベーションも相当なものなので、白熱したバトルが期待できます。
 



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Y1Rsの功罪を考える(1)

2025-02-09 11:13:07 | ツーリング
 ブエルタ・ア・ラ・コムニタット・バレンシアナのクイーンステージでバーレーン・ヴィクトリアスのサンティアゴ・ブイトラゴが勝利し、総合首位に立ちました。リーダージャージのアルメイダは集団スプリントに持ち込まれステージ7位に終わり総合2位へと後退してしまいました。

 前日の2位で何とか一度はリーダージャージーに袖を通したもののUAEチーム・エミュレーツのベテランアシスト勢の調子はイマイチのようです。絶対的な強さを見せるはずのチームTTで敗れた時から違和感はあったのですが、このレースではステージ優勝が1度も無いのです。今日の最終ステージは平坦なのでよほどの風でも無い限り8秒というタイム差を逆転するのは難しいでしょう。

 昨日から始まったツアー・オブ・オマーンではヴィスマ・リアースバイクのオラフ・コーイがスプリントで勝利しています。ポガチャルが出場するUAEツアー前の大切なレースのひとつですが、アダム・イエーツがどのような走りを見せてくれるのでしょう。

 このレースでアダム・イエーツがY1Rsに乗っている写真がXにアップされていました。写真を見る限りチームとして使うようではないようです。マイカはV4Rsに乗っていますし、この日スプリントで10位に入ったGen-Zのルカ・ジアイミもV4Rsに見えました。女子は全選手が使っていましたが、男子はエースだけが使うようです。

 この日クイーンステージを迎えたUAE女子ツアーで勝利したエリサ・ロンゴ・ボルギーニのバイクはV4Rsでした。前日の強風のステージで威力を発揮したY1Rsですが、やはり重量があるため山岳ステージでは使用されないようです。この日のステージで2位に2分以上のタイム差を付け、ロンゴ・ボルギーニがUAE女子ツアーの総合優勝を確実にしています。

 昨年はTeam SD WorxやLidl-Trekに圧倒されていたUAEチームADQですが、今年は今のところ女子ツアーのトップに位置しているのです。対して男子のUAEチーム・エミュレーツは移籍組と若手の活躍で世界ランク1位をかろうじてキープしていますが、ベテランアシスト勢には一抹の不安が残ります。UAEツアーでポガチャルのアシストは誰になるのか?アルメイダやシバコフはツール・ド・フランスに照準を合わせているのかもしれませんが、アダム・イエーツやラファウ・マイカの走りはどうなのでしょう。

 昨年暮れにコルナゴが最新エアロロードY1Rsを発表して話題になった時から感じていたことですが、V4Rsでも十分勝てるのに、Y1Rsを敢えて投入した理由です。コルナゴにエアロロードが無かったこともあるのでしょうが、実戦でどれほどのメリットがあるのか?ここまでの女子チームの成績を見ると強風区間等でのメリットがあることは間違いなさそうです。

 ただ、登りのステージではV4Rsを使っているので、スペシャライズドのターマックSL8やTREKのマドンGEN8、cannondaleのSupersix EVOのようなオールラウンドではなさそうです。ヴィスマ・リースアバイクのようにS5とR5の使い分けはある意味時代遅れなのです。

 バイク交換のタイムロスや2種類のバイクを管理するメカニックの負担が増えることは大きな問題になるからです。V4Rsに乗りなれた選手の中にもY1Rsを使わないという選択肢もあるのかどうか?この新型バイクの投入がUAEにとって吉と出るのか凶と出るのか、チーム内で選手が使うバイクが異なっている状況をどうみたらいいのでしょう?
 



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アルウラー・ツアー2025(1)

2025-01-29 12:14:42 | ツーリング
 ワールド・ツアーは真夏のオーストラリアから中東へと舞台を移し、サウジアラビアを舞台としたアルウラー・ツアーが開幕しました。極寒の日本からみると真夏の南半球は羨ましい限りでしたが、中東のサウジアラビアも1月の平均最高気温が20度ほどとロードレースには最適のようです。ただ、昨年観た感じでは風が強く、アスファルト上に砂が浮くような道もあり、個人的には走りたくないと思ってしまったのを良く覚えています。

 ツール・ド・フランスの主催者A.S.Oが主催するレースとあって、今年もイネオスからQ36.5プロサイクリングへ移籍したトーマス・ピドコックやスーダル・クイックステップのティム・メルリール、ジェイコ・アルウラーのディラン・フルーネウェーヘンといったビッグネームも名を連ねています。日本からも全日本王者の小林海と山本大喜擁するJCLチーム右京が参戦しています。昨年、総合敢闘賞を獲得していた岡篤選手はチームを離れてしまいました。
 この日真っ先にエスケープを決めたのは山本大喜選手でした。ただ、距離の短いスプリントステージで、こうした逃げが決まることはまずありません。新しいジャージのお披露目は出来ましたが、中間スプリントを取るのがやっとでした。

 ホストチームのジェイコ・アルウラーが積極的にペースを上げ、残り5km地点では集団落車が発生。逃げ続けていた山本と全日本王者の小林が落車、ウノエックス・モビリティのアレクサンダー・クリストフやチューダー・プロサイクリングのアーヴィッド・デクラインといったスプリンターやUAEチームエミレーツのラファル・マイカも地面に投げ出されてしまいました。幸い、右膝に擦過傷を作ったマイカをはじめ全員がフィニッシュしており、翌日以降もレース続行予定のようです。ツアー・ダウンアンダーでも毎日のように落車がありましたが、こうしたシーンは心が痛みます。

 レースはゴールスプリントに持ち込まれ、猛烈な勢いで残り500m地点を通過し、残り200m看板手前でスプリンター達が一斉に発進。伸び悩むヤコブセンを尻目に左脇からトップスピードに乗せたメルリールが、追いすがるUAEのフアン・モラノを寄せ付けずに勝利しました。
 UAEはツアー・ダウンアンダーでもジェイ・ヴァインが落車に巻き込まれていますが、マイカの落車の影響が気になります。今年のこのツアーは登りゴールのステージが2度あり総合優勝のためにはマイカの力が不可欠なのです。特に今回はGen-Zチームから参戦する若手が3名も含まれているので、ベテランのマイカの存在は大きいと思っているのです。

 今夜のステージは2つある登りゴールの1つが登場します。157.7㎞と距離は短めですが、けっこうなアップダウンがあるコースで登坂能力が問われるステージになりそうです。
 



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