CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

Y1Rsの功罪を考える

2025-02-09 11:13:07 | ツーリング
 ブエルタ・ア・ラ・コムニタット・バレンシアナのクイーンステージでバーレーン・ヴィクトリアスのサンティアゴ・ブイトラゴが勝利し、総合首位に立ちました。リーダージャージのアルメイダは集団スプリントに持ち込まれステージ7位に終わり総合2位へと後退してしまいました。

 前日の2位で何とか一度はリーダージャージーに袖を通したもののUAEチーム・エミュレーツのベテランアシスト勢の調子はイマイチのようです。絶対的な強さを見せるはずのチームTTで敗れた時から違和感はあったのですが、このレースではステージ優勝が1度も無いのです。今日の最終ステージは平坦なのでよほどの風でも無い限り8秒というタイム差を逆転するのは難しいでしょう。

 昨日から始まったツアー・オブ・オマーンではヴィスマ・リアースバイクのオラフ・コーイがスプリントで勝利しています。ポガチャルが出場するUAEツアー前の大切なレースのひとつですが、アダム・イエーツがどのような走りを見せてくれるのでしょう。

 このレースでアダム・イエーツがY1Rsに乗っている写真がXにアップされていました。写真を見る限りチームとして使うようではないようです。マイカはV4Rsに乗っていますし、この日スプリントで10位に入ったGen-Zのルカ・ジアイミもV4Rsに見えました。女子は全選手が使っていましたが、男子はエースだけが使うようです。

 この日クイーンステージを迎えたUAE女子ツアーで勝利したエリサ・ロンゴ・ボルギーニのバイクはV4Rsでした。前日の強風のステージで威力を発揮したY1Rsですが、やはり重量があるため山岳ステージでは使用されないようです。この日のステージで2位に2分以上のタイム差を付け、ロンゴ・ボルギーニがUAE女子ツアーの総合優勝を確実にしています。

 昨年はTeam SD WorxやLidl-Trekに圧倒されていたUAEチームADQですが、今年は今のところ女子ツアーのトップに位置しているのです。対して男子のUAEチーム・エミュレーツは移籍組と若手の活躍で世界ランク1位をかろうじてキープしていますが、ベテランアシスト勢には一抹の不安が残ります。UAEツアーでポガチャルのアシストは誰になるのか?アルメイダやシバコフはツール・ド・フランスに照準を合わせているのかもしれませんが、アダム・イエーツやラファウ・マイカの走りはどうなのでしょう。

 昨年暮れにコルナゴが最新エアロロードY1Rsを発表して話題になった時から感じていたことですが、V4Rsでも十分勝てるのに、Y1Rsを敢えて投入した理由です。コルナゴにエアロロードが無かったこともあるのでしょうが、実戦でどれほどのメリットがあるのか?ここまでの女子チームの成績を見ると強風区間等でのメリットがあることは間違いなさそうです。

 ただ、登りのステージではV4Rsを使っているので、スペシャライズドのターマックSL8やTREKのマドンGEN8、cannondaleのSupersix EVOのようなオールラウンドではなさそうです。ヴィスマ・リースアバイクのようにS5とR5の使い分けはある意味時代遅れなのです。

 バイク交換のタイムロスや2種類のバイクを管理するメカニックの負担が増えることは大きな問題になるからです。V4Rsに乗りなれた選手の中にもY1Rsを使わないという選択肢もあるのかどうか?この新型バイクの投入がUAEにとって吉と出るのか凶と出るのか、チーム内で選手が使うバイクが異なっている状況をどうみたらいいのでしょう?
 



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アルウラー・ツアー2025(1)

2025-01-29 12:14:42 | ツーリング
 ワールド・ツアーは真夏のオーストラリアから中東へと舞台を移し、サウジアラビアを舞台としたアルウラー・ツアーが開幕しました。極寒の日本からみると真夏の南半球は羨ましい限りでしたが、中東のサウジアラビアも1月の平均最高気温が20度ほどとロードレースには最適のようです。ただ、昨年観た感じでは風が強く、アスファルト上に砂が浮くような道もあり、個人的には走りたくないと思ってしまったのを良く覚えています。

 ツール・ド・フランスの主催者A.S.Oが主催するレースとあって、今年もイネオスからQ36.5プロサイクリングへ移籍したトーマス・ピドコックやスーダル・クイックステップのティム・メルリール、ジェイコ・アルウラーのディラン・フルーネウェーヘンといったビッグネームも名を連ねています。日本からも全日本王者の小林海と山本大喜擁するJCLチーム右京が参戦しています。昨年、総合敢闘賞を獲得していた岡篤選手はチームを離れてしまいました。
 この日真っ先にエスケープを決めたのは山本大喜選手でした。ただ、距離の短いスプリントステージで、こうした逃げが決まることはまずありません。新しいジャージのお披露目は出来ましたが、中間スプリントを取るのがやっとでした。

 ホストチームのジェイコ・アルウラーが積極的にペースを上げ、残り5km地点では集団落車が発生。逃げ続けていた山本と全日本王者の小林が落車、ウノエックス・モビリティのアレクサンダー・クリストフやチューダー・プロサイクリングのアーヴィッド・デクラインといったスプリンターやUAEチームエミレーツのラファル・マイカも地面に投げ出されてしまいました。幸い、右膝に擦過傷を作ったマイカをはじめ全員がフィニッシュしており、翌日以降もレース続行予定のようです。ツアー・ダウンアンダーでも毎日のように落車がありましたが、こうしたシーンは心が痛みます。

 レースはゴールスプリントに持ち込まれ、猛烈な勢いで残り500m地点を通過し、残り200m看板手前でスプリンター達が一斉に発進。伸び悩むヤコブセンを尻目に左脇からトップスピードに乗せたメルリールが、追いすがるUAEのフアン・モラノを寄せ付けずに勝利しました。
 UAEはツアー・ダウンアンダーでもジェイ・ヴァインが落車に巻き込まれていますが、マイカの落車の影響が気になります。今年のこのツアーは登りゴールのステージが2度あり総合優勝のためにはマイカの力が不可欠なのです。特に今回はGen-Zチームから参戦する若手が3名も含まれているので、ベテランのマイカの存在は大きいと思っているのです。

 今夜のステージは2つある登りゴールの1つが登場します。157.7㎞と距離は短めですが、けっこうなアップダウンがあるコースで登坂能力が問われるステージになりそうです。
 



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筋肉痛を考える(2)

2025-01-19 14:39:48 | ツーリング
 去年、足を骨折し、長い時間自転車に乗れなかった時のことを思い出します。骨折は初めてではありませんが、回復までにこれほど時間がかかったのは初めての経験でした。それが、装具が外れ仕事に復帰した直後に、ただ、歩いていただけなのに激しい筋肉痛が私を襲ったのです。それが、正直嬉しかったことを良く覚えています。痛みを喜ぶなんてと思われるかもしれませんが、これは骨折の痛みではなく筋肉痛なんだという実感が強かったからだと思っています。身体を動かせている証なのだという実感でした。

 「痛み」や「苦しみ」が生きていることを実感させてくれるというのは良くあることだと思います。勿論、癒すことの出来ない「痛み」や「苦悩」があることも知っています。だからこそ、この時の筋肉痛は生きていることを実感させてくれたのだと思います。

 これまで、筋肉痛は苦痛の種でしかありませんでした。特に歳を重ねる毎になかなか抜けてくれないと不満にさえ感じていたのです。ただ、改めて考えてみるとこの痛みは命に係わるものではないこと、身体が動かせている結果なのだと気づかされたのです。生きて身体が動かせることの喜びでした。
 人生100年といわれる時代に医療や介護に頼らずに全うすることは難しいと感じています。2021年の厚労省のデータでは2019年の日本人の平均寿命は男性で81.41歳、女性は87.45歳となっていて、2001年から右肩上がりで伸び続けているようです。一概に平均寿命が長ければ長いほど良いと言うことは出来ません。誰もが寿命を迎えるまで健康でいられるとは限らないからです。

 近年、平均寿命とセットで「健康寿命」という言葉がよく使われるようになっていますが、これは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を指しています。つまり、平均寿命と健康寿命の差は何らかの支援や介護を必要としながら暮らす期間で、その長さは男性で約8.7年、女性で約12.1年となっています。健康寿命を延ばし、自立した老後を送るためには、早い段階からの努力が不可欠なのです。
 



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ロードバイクのパーツ選びを考える(2)

2024-12-22 13:47:20 | ツーリング
 例えば、私が乗っている最新ロードバイクは第4世代のSupersix EVOですが、フレームは最下級グレードです。cannondaleは近年LAB71という最上位のカーボンフレームを開発しています。これまではHi-ModとStd-Modという2種類のカーボングレードでしたが、今は最上位にゼロカーボンを使用したLAB71があり、その下にHi-Modが位置することになったのですが、実際にプロが使用しているのはHi-Modグレードのバイクなのです。

 LAB71にはまだ試乗経験がありませんので、評価は控えますが、Hi-Modには何度も試乗しています。Hi-Modは他社でいうHMカーボンのcannondaleの略称です。HMとはハイモジュラスの略称でPAN系の高弾性率タイプ炭素繊維のことです。PAN系炭素繊維はその弾性率により低弾性率炭素繊維(LM:引張弾性率:200GPa以下)、標準弾性率タイプ炭素繊維(HT:引張弾性率:200~280GPa)、中弾性率タイプ炭素繊維(IM:引張弾性率:280~350GPa)、超高弾性率タイプ炭素繊維(UHM:引張弾性率:600GPa以上)の5種類に大きく分類できます。

 HMカーボンを独自の技術で部位ごとに厚さを替えた(バリスティックカーボン技術)のがcannondaleのHi-Modフレームです。Std-Modは中弾性率タイプ炭素繊維(IM:引張弾性率:280~350GPa)を使用しているようですがその詳細は不明です。どちらもバリスティックカーボン技術が使われているので、Hi-ModとStd-Modの違いはカーボン素材の違いによる重量と剛性の違いだけで、フレーム形状は全く同じです。これは最上位モデルのLAB71も同様です。

 個人的にHi-ModのSupersix EVOは私には硬すぎる感じでしたので、費用面も考慮してStd-Modを選びましたが、乗り心地はむしろStd-Modの方が良いと感じるほどなのです。確かに重量は重たくなりますが、クライマーではないので、そこはさほど気にしていません。LOOKなどは部位によってカーボンの種類を替えているメーカーもあるほどです。しかもUHMの使用割合はごくわずかなのです。必ずしも弾性率の高いUHMカーボンが優れているとは言い切れないとLOOKという老舗のフレームビルダーが証明しているように思えます。
 



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ロードバイクのクランクセット選びとギア比(2)

2024-12-07 14:46:36 | ツーリング
 数字の盲点というか、数字と実際に自分の脚が感じる疲労感には想像以上のギャップがありました。実際にCAAD12で走り始めると、登り坂でしか使用しないインナーの36Tより、常時使用するアウター52Tの方が問題だったのです。先の記事でもインナーのことしか書いていません。

 ただ、CAAD12で実際に走り始めるとアウターの52Tが途轍もなく辛く感じてしまったのです。ギア比的にはリアを一枚軽くすれば良いはずだったのですが、実際の走りは全く違うものになってしまいました。
 結局、1年苦しんだあげくチェーンリングを50/34Tのコンパクトに替えることにしたのです。幸いCAAD12のクランクセットはcannondaleオリジナルのHollowGram SIでしたから、チェーンリングをOPI Spiderrig SIの50/34Tに交換するだけでした。ただ、10アームのOPI Spiderrig SIは22,000円(税込)で、当時ULTEGRAのクランクセットと価格がほぼ同じで悩みました。BB30の心配もありましたが、軽さを重視してHollowGramクランクを継続することにしたのです。HollowGram SIクランクセットの重量はDura-Aceのクランクセットとほぼ同じ重量だったからです。

 このクランクセットは今は第3世代のSupersix EVOに移植されていますので、結果的にこの選択は間違いではなかったと思っています。ディスクブレーキの同モデルは今では50万円を超えているからです。また、ハンドルとクランクセットがHollowGramというモデルはもう在りませんから、世界で唯一無二のバイクになっているのです。

 時が流れ、昨年の秋に第4世代のSupersix EVOを衝動買いしてしまい、リムブレーキの第3世代のSupersix EVOはセカンドバイクになってしまいました。第4世代のSupersix EVOは今流行りのエアロロードバイクで、エアロ効果を考えてカーボンディープリムのHollowGram R45ホイールやVisionのエアロフレアハンドルバーを新たに購入しました。特にフレアハンドルの効果が絶大で、内向きのブラケットを握りこみ前傾するエアロフォームが走りを大きく変えることになりました。

 このフォームは下ハンを持つより顔が下を向かないので維持しやすいので、ロングライドに最適でした。しかも、ギアが1~2枚分軽くなるのです。SHIMANOのコンポの12速化に伴い、完成車には50-34Tのコンパクトクランクがアセンブルされていました。105の12速スプロケットは11-34Tと11-36Tのワイドレシオタイプしかありませんので、コンパクトクランクのインナー-ローのギア比は「1」以下になってしまいますし、アウター-トップでも下りでギアが足りなくなることが分かりました。

 そこでCAAD12の時とは逆にクランクセットを52-36Tのミッドコンパクトに替えることを検討中です。BBをウィッシュボーンのセラミックに交換した時に、一緒に交換してしまおうとも考えたのですが、自分の年齢も考えて、もう少し時間をかけて考えてみることにしました。
 CAAD12の時のトラウマもあります。あの時のアウター52Tの辛さは、単に脚力の問題だったのか?単純にエアロロードにフレアハンドルをアセンブルしただけで、ギアが1~2枚違うことを考えれば、あの辛さは空気抵抗のせいだったのかもしれないのです。加えて、コンポが12速化していて、リアスプロケットは最初から11-36Tが付いているのです。
 

 CS-HG710-12 11-36Tの歯数構成は11-12-13-14-15-17-19-21-24-28-32-36Tなので、インナー36Tに関してはインナー-ローのギア比が「1」になります。11速のCAAD12の時と同じです。アウター-トップがコンパクトの50T「4.55」からミッドコンパクト52Tでは「4.73」になります。

 私が普段のライドでよく使うギアはリア19Tと17Tでしたが、第4世代のSupersix EVOにエアロフレアハンドル取り付けてからは、15Tや14Tというギアも使えるようになっています。コンパクトのアウター50Tの場合、リアが19Tでギア比は「2.63」、17Tでは「2.97」ですから、ミッドコンパクトのアウター52Tならリアを21Tにすればギア比は「2.48」、19Tなら「2.74」ですから、数値的には逆に軽くなる計算になるのです。
 エアロ効果の分も考慮すれば、おそらくこれまで通り19Tと17Tも使えそうなのです。丁度内側にも外側にも5枚分のギアがある状態なので、チェーンフリクションも悪くならないと思います。加えて、第4世代のSupersix EVOにはウィッシュボーンのセラミックBBを使用しているので、クランクの回転もスムーズになっていることを考慮すれば、ミッドコンパクトに交換しても問題はなさそうです。


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