CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

ロードバイクとミトコンドリアの深い関係(2)

2025-03-01 08:37:55 | 自転車と健康
 ミトコンドリアは、絶えず融合と分裂を繰り返し、独自のDNAを持ち、細胞内で別の生物のように振舞っています。ミトコンドリア独自のDNAはミトコンドリアDNAと呼ばれています。太古の地球で生息していたミトコンドリアが生物の体内に取り込まれて共生し、現在の形になっているという「細胞内共生説」もあるほどなのです。

 ミトコンドリアは必要があれば分裂し増殖します。ミトコンドリアには細胞内でエネルギーを作る発電所の役割があります。ミトコンドリアは体内に取り込まれた酸素の最終到達地点なのです。ミトコンドリアの密度が高いほど効率よくエネルギーを作る事ができることになります。ミトコンドリアは刺激を受けて増殖しますが、ミトコンドリアを刺激するのは運動によるシグナル分子の活性化です。シグナル分子には以下の3種類があります。
  1)エネルギーを燃やすこと(運動)によるATP/AMP比の変化
  2)カルシウムのイオン濃度の変化
  3)活性酸素、メカノストレスの増加
  ※メカノストレスとは細胞が物理的な力や変形に対して感じるストレスのこと

 ミトコンドリアを増殖させるためには、シグナル分子を活性化させる必要があります。短く、きつい運動がシグナル分子を最も活性化させます。血中乳酸濃度も、ミトコンドリアの増殖に影響を与えます。他の要因を同じにして血中乳酸濃度のみを変化させたマウスを使った実験もあります。この実験では、血中乳酸濃度が高い方がミトコンドリアが増殖しました。

 ただ、短時間・高強度の運動のみがミトコンドリアを増殖させるわけではありません。ジョギングやウォーキングなど低強度・長時間の運動でも、シグナル分子が活性化されミトコンドリアは増殖することが分かっています。
 



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ロードバイクとミトコンドリアの深い関係(1)

2025-02-25 13:58:28 | 自転車と健康
 ロードバイクに乗るにはエネルギーが必要ですが、そのエネルギーの基になるのがATP(アデノシン三リン酸)だということはあまり知られていないと思っています。このATPからリン酸が切り離されるときに、エネルギーが放出されるという仕組みです。ATPはロードバイクなどのトレーニングだけではなく、全ての生命活動に必要な物質なのです。

 ただ、このATPは体内に貯めることができません。ATPは毎日生産され、消費されてしまうのです。一日に作られるATPは数十キロにもなります。体内でエネルギー(ATP)を作っているのが、ミトコンドリアです。

 ミトコンドリアという奇妙な名前は高校の生物で初めて目にすることになるのですが、細胞内に存在する小器官で、細胞の活動エネルギーとなるアデノシン三リン酸(ATP)を生成する役割を担っています。細胞の生死を司る存在とも呼ばれ、健康維持に重要な役割を果たしています。簡単に言うと食べ物からエネルギーを取り出す役割をする重要な器官ということになります。
 ただ、ミトコンドリアについて深く知っても、トレーニング方法が変わるわけではありません。ロードバイクが速くなったりもしません。それでも、自分の体内でミトコンドリアという不思議な器官がエネルギーを作り出してくれているということを知ることは、トレーニングに深みを与えてくれます。
 ロードバイクトレーニングに必要なエネルギー(ATP)を産み出すのはミトコンドリアです。ミトコンドリアは、細胞内に含まれる小器官で、1つの細胞内には300個から400個のミトコンドリアが存在し、人の体重の10%がミトコンドリアなのです。

 ミトコンドリアは酸素とグルコース(ブドウ糖)をエネルギー(ATP)と二酸化炭素に変換します。無酸素でエネルギーを作り出す時は、1分子のグルコースから2分子のATPができます。ミトコンドリアが酸素を使ってエネルギーを作り出すと1分子のグルコースから38分子のATPができます。無酸素運動が長く続けられない理由がここにある訳です。
 
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筋肉痛を考える(3)

2025-01-28 09:07:01 | 自転車と健康
 そこでスポーツ(運動)の重要性が益々高まると考えています。スポーツは筋力を維持し、バランス能力を向上させるため、要支援・要介護の原因である転倒・骨折の予防にも繋がります。今回の私の骨折もただ雪道で滑って転んだだけなのです。骨密度検査も受けましたが、40代後半からロードバイクに乗っていることもあり骨密度そのものは同年代の数値は上回っていいました。ただ、20代の若者の数値に比べれば明らかに下降しているのです。歳相応以上の骨密度でも転んだだけで骨折してしまうという事実はショックでした。

 運動していても骨折するじゃないかと言われるかもしれませんが、今年古希を迎える年齢ならそれも止む無しといえるのではないかと思っています。50代まではねん挫で済んでいたのが60代後半なら骨折になることもひとつの経験になったと考えているからです。抜釘はまだなので、今後どうなるかは分かりませんが、よほど運が悪くなければまたロードバイクで走ることが出来るはずです。

 もし、私が40代後半にロードバイクに出会わなかったらと考えたことがあります。おそらく体重は80㎏をはるかに超え、様々な病が私を襲っていたのではと容易に想像できます。仕事のストレス解消をアルコールに求め、運動は大の苦手と来ているのですから。私の従妹は40代で、叔母も50代で心臓病で亡くなっているのです。祖母も60歳の時に心筋梗塞で亡くなっています。

 このように私も遺伝的に本態性高血圧症で長年服薬しています。そんな私が運動もせず飲んだくれていたら今はこのような文章を書いていることもなかったかもしれません。今は本当にロードバイクと出会ったことを幸運だと感じています。体重はロードバイクに乗り始めた頃と変わっていませんし、血圧も服薬で安定しています。健康診断の数値も問題はありません。筋肉痛がそれの代償だと考えれば、その痛みに喜びを覚えたとしても不思議ではないと感じているのです。
 



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筋肉痛を考える(1)

2025-01-18 14:47:12 | 自転車と健康
 痛みにはいろいろな種類があります。切り傷や打撲による痛み、すぐに治る痛みや長く続く痛み、刺すような痛みやだるい痛みなど、さまざまな種類の「痛み」があります。また、痛みを感じる部分も、腰、首、頭、足など、いろいろです。「痛み」はとても不快な感覚ですが、「痛み」とはそもそも何なのでしょうか。自分の「痛み」を知って、「痛み」とうまくつきあっていくのも長生きの秘訣なのかもしれません。

 私たちは「痛み」を感じることで、身体に何らかの異常や異変が生じていることに気づきます。もし、「痛い」という感覚がなかったら、危険を察知したり、回避することができず、ケガや病気を繰り返したり、命の危険につながることもあります。「痛み」は本来、私たちの身体や命を守る、生命活動に欠かせない役割なのです。
 しかし、なかには「生命活動に必要ではない痛み」もあります。必要以上に長く続く痛みや、原因がわからない痛みは、大きなストレスになり、不眠やうつ病など、ほかの病気を引き起こすきっかけにもなります。このような場合は「痛み」そのものが“病気”であり、治療が必要です。

 切り傷や火傷、打撲などにより身体が刺激を受けると、「身体が傷ついた」という情報が発生します。その情報は電気信号に変換され、神経を伝って脳に届きます。脳がその情報を認識して初めて、「痛い」と感じるのです。通常は、痛みの原因となったケガが治ると、痛みも消えていきます。

 筋肉痛も「痛い」と感じるのですが、病気でも怪我でもありませんので、命の危険が無い痛みです。筋肉痛とは、広義には肉離れなども含み、また激しい運動の直後にもバーン(Burn)と呼ばれる「筋肉が焼け付く感覚」が生じる場合もあるのですが、一般に筋肉痛と呼ばれているのは、運動した数時間後から数日後に発生する「遅発性筋肉痛(Delayed Onset Muscle Soreness = DOMS)」のことをいいます。
 筋肉はスクラップ&ビルドで発達します。運動により筋繊維が破断し、それが回復する過程で違和感や痛みが発生する訳です。ただ、加齢により細胞の再生能力が低下すると、回復に時間がかかるようになり、筋肉痛も長引く傾向にあるようです。これを「老化」と呼ぶのでしょう。ただ、筋肉痛で人が死ぬことはありません。ある意味で心地よい唯一の痛みなのかもしれないのです。何故なら、筋肉痛は身体を動かせている証でもあるからです。
 

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骨折からの復活への道(16)

2024-10-07 15:48:57 | 自転車と健康
 冬場に足を骨折し、気が重い春を迎えることになりました。昨年秋にこの春を楽しみにエアロロードバイクの第4世代のSupersix EVOを購入していたからです。救急搬送から手術、退院してからも装具が外れる迄は自転車に乗る事もできず、気の滅入る時期が長く続きました。
 その間はJ-Sportsでサイクルロードレースを観ながら、何とかモチベーションを保っていたのが実情でした。GWには何とかフラットペダルで近場の公園へお花見ライドが出来るまでになりましたが、ロードバイクで本格的に走ることが出来たのは6月に入ってからのことです。

 春先のサイクルロードレースを観ていて、第4世代のSupersix EVOにエアロフレアハンドルを装着しました。これが想像以上に快適で、内向きのブラケットを握り込んだり、ブラケットの上部に掌を置いたりすることで、TTバイクのDHポジションに近いフォームになり、ギアが2枚ほど掛けられるようになったのです。

 ディープリムホイールにエアロフレアハンドルの組み合わせでの走りでは、向かい風の中で心拍数が160bpmを越える走りが出来てしまい、ガス欠になるという経験も味わいました。足のリハビリは続いていた頃のことですから、驚きでした。久々の快適な走りでアドレナリンが出ていたのかもしれませんが、骨折のリハビリ中の走りではありませんでした。
 そもそも第4世代のSupersix EVOは速く走ることを目的に購入したものではありません。同じスピードを低い出力で走るためだったのですが、スピードが出てしまうと、それが快感になり、アドレナリンが出てさらにギアを掛けてしまうのが人の性なのだと思い知らされたのです。
 自動車でも高速で走ると同じ事が起きていたことを思い出しました。スピード違反が無くならないのは、この全能感のせいではないかと思っています。アドレナリンはスポーツなどではプラスに働くことが多いのですが、誤った全能感に陥ってしまうリスクもあるのだと、今は自戒しています。
 それ以来、敢えてディープリムホイールは封印しています。骨折の治療は終わっていますが、骨折部位にボルトとプレートが入ったままで、来年の冬にはこのプレートを抜く手術が待ってるのです。本格的に走ることが出来るのは来年の夏頃になるのかもしれません。それまでは、敢えて抑える走りをするつもりでいます。

 昨日はようやくそのペースがつかめたような気がしています。北海道は一機に季節が進み、寒さや雨の影響で、なかなか距離を走ることが出来ずにいましたが、昨日は風も弱く日差しもあったので、最高気温は21度でしたが、石狩灯台迄走って来ました。7月半ば以来のことになります。同じホイールで同じ幅のタイヤですから、バイクの装備は全く同じでも、今回の方が速度が速く出力が少ない走りとなっています。

 確かにリアが17Tで走る時間が長くなっていたことは間違いありません。且つてはリア17Tでケイデンス75rpmは尤も効率的な走りでしたが、年々リア17Tで走り続けることが辛くなり、リア19Tを多用するようになっていたのですが、第4世代のSupersix EVOにエアロフレアハンドルを装着してからは、リア15Tでの走りも苦にならなくなっているのです。
 ただ、流石にリア15Tだと、速度域は30km/hを越えているので、心拍数は150bpmを越えてしまい、私にとっては長く走れる心拍ゾーンでは無いのです。何とか140bpm代で維持させることを意識して走っていました。結果、少ない出力でスピードアップが可能になったようです。

 少ない出力で速く走るためには、スピードのアップダウンを出来るだけ減らし、一定のペースを刻むことだと改めて認識することができました。ギアを掛けたいという気持ちを抑え、ペースを刻むのはなかなか難しいのですが、敢えてそうすることのメリットは脚の疲労が少ないことでしょう。また、走りにも余裕が出来、季節の風や風景を味わうことができたのもメリットのひとつでした。昨日の空と雲はまるで夏のものでした。ただ、日が陰ると一機に寒さを感じたので、季節は進んでいるんだなと思います。
 



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