メダルを取るために国費、つまり税金を投じる事に懐疑的な人もいるでしょう。貧困に苦しむ国民も少なくない中で年間100億を超える税金がスポーツに使われているのですから。ここでは税金よりスポーツの意義が問われることになるのでしょう。つまり、スポーツに税金を投じる価値があるか否かという問題です。私はあると思っていますし、国家予算が100兆円を超える国で100億という金額は決して多いとも思えません。
そもそもスポーツの意義とは何でしょう。文科省には「スポーツ振興基本計画」というものがあり、「スポーツは、人生をより豊かにし、充実したものとするとともに、人間の身体的・精神的な欲求にこたえる世界共通の人類の文化の一つである。心身の両面に影響を与える文化としてのスポーツは、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成や個々人の心身の健全な発達に必要不可欠なものであり、人々が生涯にわたってスポーツに親しむことは、極めて大きな意義を有している。」と記されています。
スポーツをしない人には興味がないかもしれませんが、スポーツ=運動と考えてみると、自らの健康に直結することでもあることが分かってもらえると思います。運動習慣のある人とそうでない人との健康寿命の差は歴然です。私もスポーツと呼べるレベルではないかもしれませんが、40代後半からロードバイクに乗り始めて初めてそのことに気付かされました。今では一定強度の運動を1回30分、週に3日以上することで生活習慣病が20%改善し、うつや関節痛の症状も50%以上改善し、その結果、医療費も20%削減できるということが科学的に明らかになっているのです。
個人的にもストレス発散を飲酒に頼っていたのですが、40代後半からロードバイクに乗り始め、飲酒の費用がバイクの費用になってしまったことで酒量も減り、心拍を上げて走ることで、頭の中が真っ白になり、ストレスも徐々に消えていったのです。今季は骨折もあり満足のいく走りは出来ていませんが、ロードバイクで走ることで心身ともにリフレッシュ出来ていることは確かです。4年に1度のオリンピックはこうしたスポーツの意味や意義を改めて考える良い機会だと思っています。また、興味を持った競技があればやってみる機会にもなるはずです。