CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

パリ~ルーベもCANYONのCFR!!

2024-04-08 09:53:52 | クラシックレース
 第121回パリ~ルーベが4月7日に開催され、ディフェンディングチャンピオンのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が予想通り連覇を果たしました。それも60km/hを独走し、後続に3分もの差をつけてしまったのです。これで今年のモニュメントはCANYONのCFRが3連勝という結果になりました。

 ロンドの直後は疲労困憊で心配だったファンデルプールでしたが、パヴェ(石畳)区間に入ると水を得た魚のように軽快に走り始めると、途中パンク等で遅れたチームメイトを待つ余裕さえ見せ、ゴールまで残り60kmでセクター13のオルシーの石畳へ入ると、決定的なアタックを決めるのです。彼は瞬く間に差を広げ、5km先で15秒に広がっていました。
 後方ではリドル・トレックのピーダスンがアタックを試みる度に、ヴェルメールシュがそれを抑えに動き、ゴールまで残り48.5kmの、難易度5つ星のモン・サン・ペヴェールの石畳セクターを通過した時、ファンデルプールのアドバンテージは1分半を越えていたのです。UCIでは後続と1分以上差が開くとチームカーが入ってこられるというルールがあり、個人的にはこのチームカーが上がって来た段階で、ファンデルプールの勝利を確信しました。

 独走に入ったファンデルプールの最大の敵はパンクを含めた機材トラブルだけでした。チームカーが後ろに付くことで、万が一の時にバイク交換が可能になったのですから。それにしてもアルペシン・ドゥクーニンクのチームの強さが際立ったレースでした。後半の抑えに回ったヴェルメールシュは2022年UCIグラベル世界選手権でファンデルプール等を抑えて初のチャンピオンになっているのです。

 また。3分離されたものの、ヴェロドロームのスプリントで、鮮やかにインを差して2位表彰台を決めたフィリップセンは今年のミラノ~サンレモの優勝者で昨年のツールドフランスのマイヨ・ヴェールを獲得したスプリンターなのです。
 ファンデルプールを含めたアルペシンのこの3人は強烈で、他のチームが次々とアシストを失い孤立して行く中、アルペシンはパリ~ルーベの表彰台に2人、TOP10に3人きっちり揃えて見せたのです。

 この3選手の中でパンクも機材トラブルが無かったのはファンデルプールだけでした。同じバイクや機材でも乗り手によってここまで違うのかというのが正直な感想です。タイヤはVittoriaのCORSA PROの32Cで、空気圧は選手の体重や好みによって違うのでしょうが、同じバイクに同じタイヤでも、あのパヴェをノーパンクで走り切るのもファンデルプールのテクニックなのだと痛感させられました。荒れた路面でもバイクはほとんど跳ねることもなく、まさに水を得た魚でした。
 それでもフィリップセンがパンクで遅れた時には、集団の中でしっかりコントロールをしながら合流を待つ動きも見せているのです。その上で、自分は独走に入る。後続にはチームメイトが2人でアルペシンの鉄壁体制の完成でした。

 
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CANYON CFRはパリ-ルーベも征してしまうのか?(4)

2024-04-07 13:24:53 | クラシックレース
 骨折で未だ外を走ることができず、今年は久々にロードレースをじっくりと見る時間が出来ました。これまでは、ジロ・デ・イタリアからツール・ド・フランスという期間に限られていたロードレース観戦でしたが、今年はあまり観なかった春のクラシックレースから見ています。春のレースで緑は少ないですが、やっぱり欧州のロードレースの風景は美しい‼

 ジロやツールのようなステージレースでの総合優勝争いなら、UAEチームエミレーツかヴィスマ・リースアバイクが圧倒的に強いのですが、モニュメントと呼ばれるワンデーレースではアルペシン・ドゥクーニンクの強さが際立っているのです。特に今年はミラノ〜サンレモをヤスペル・フィリプセンが、ロンド・ファン・フラーンデレンをファンデルプールが優勝しアルペシン・ドゥクーニンクが2連勝でパリ~ルーベを迎えるのです。
 今夜始まるレースを前に、J-Sportsオンデマンドでロンド・ファン・フラーンデレンを全て見返しました。6時間を超えるレースを見続けるのは結構大変です。グランツール等は途中寝落ちすることも少なくありませんでしたが、3週間も続くグランツールと違い、ワンデーレースは落車は勿論、一度のパンクでも着順が大きく変わってしまうので、寝るに寝られず…

 270kmを超える距離を僅か6時間程で走り切るなんて、私のようなホビーライダーには夢のような世界です。平均速度は45km/hにもなるのですから。それも最大勾配が20%を超える石畳の登りもあってのものなのです。
 昨日迄はファンデルプールの連覇が濃厚とみていましたが、レース後のインタビューの姿を改めて見たら、シクロクロスをフル参戦し、春のクラシックをここまで走って来た疲労が結構あるのかもと思ってしまいました。これで、トム・ボーネンやファビアン・カンチェラーラと並ぶロンド3勝目を挙げることになったので、チームとしてパリ~ルーベはロンド不参加だったヤスペル・フィリプセンがヴェロドドームでのスプリント勝利を狙っているのかもしれないのです。実際にミラノ〜サンレモではファンデルプールはフィリプセンのアシストをしているのですから。

 ファンアールトやヴィンケゴーといった有力選手が落車による骨折で不参加なので、アルペシン・ドゥクーニンクがどちらで勝ちに来ても優勢には変わりはないのです。ただ、有力選手が出場しないことで他チームからのマークは厳しくなるのは間違いがありません。ロンドでもチームのアシストがバラバラにさせられていたのです。自力の差でコッペンベルフからの独走での勝利となりましたが、パンク等の機材トラブルを考えると、アシストの働きが重要になるのがパリ~ルーベというレースなのです。
 ちなみにAmazonPrime会員ならJ-Sportsが2週間無料で見られますので、ロードレースに興味のある方は、是非、試聴してみてはいかがでしょう?
 


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CANYON CFRはパリ-ルーベも征してしまうのか?(3)

2024-04-06 09:15:05 | クラシックレース
 それにしても、雨で濡れた急勾配の石畳を先頭で駆け上って来たロンド・ファン・フラーンデレンのファンデルプールの姿には感動さえ覚えました。これまでも雨の日のレースには強さを見せていたのですが、あのスリッピーな石畳の20%を超える急勾配をどうしたら登れるのかを真剣に考えました。

 考えられる理由のひとつは彼のシクロクロスでの強さだと思います。オフロードのシクロクロスでは、砂の上を走ったり、芝の上を走ったりするため、タイヤへのトルクの掛け方が非常に上手いのでしょう。以前はペテル・サガンのバイクコントロールの上手さが注目された時代がありましたが、彼はMTB競技出身者でした。オフロードを上手く走ることが、スリッピーな路面や悪路の石畳やストラーデビアンケ等で生かされることは間違いないでしょう。

 昨年のパリ~ルーベでファンデルプールはVITTORIA CORSA PROの32Cを履かせて臨んだと言われていますが、カタログスペック上でCFRのタイヤクリアランスは30Cとなっているのです。彼がいったいどの位の空気圧にしていたのか迄は分かりませんが、メーカーのスペックを越えた太いタイヤを選ぶというのは空気圧を低目にできるからと考えるのが一般的だと思います。VITTORIA CORSA PROの推奨空気圧は同じ体重なら24Cと32Cで約1.5Barも違うのです。

 エアロロードが石畳を駆け抜けられる理由は、ロードバイクのディスクブレーキ化で太いタイヤが装着できるようになったことが大きいと思います。勿論、タイヤの進化もあるはずです。Corsa PRO は320TPIのコットンケーシングを使用し、プロ仕様のしなやかさ、柔軟性、快適さを提供し、さらに柔軟で空気力学的で信頼性の高いタイヤ構造をしているといわれているのです。そしてこのタイヤが今季ここまでのクラシックレースのほとんどで優勝に貢献しています。

 一昨年まではコンチネンタルのGP5000Sも注目されていましたが、昨年のパリ~ルーベを征したのはVITTORIAのCorsa PROで、3大グランツールを征したのもCorsa PROでした。昨年はユンボ・ヴィズマ(今季からはヴィスマ・リースアバイク)が独占してしまった結果だったのですが、グランツールに強いヴィスマ・リースアバイクとワンデーレースに強いアルペシン・ドゥクーニンクが共にVITTORIAユーザーであることを考えると、今季はVITTORIAの圧勝になるかもしれません。
 今年のパリ~ルーベはここまでの好調さと、最大のライバルだったファンアールトが先週の落車により鎖骨と肋骨骨折で離脱を余儀なくされ、ファンデルプールの連覇が濃厚とみています。今年はオリンピックイヤーで、しかも開催地がパリということもあり、現地の盛り上がりは大変なものになると思います。
 
 
 


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CANYON CFRはパリ-ルーベも征してしまうのか?(2)

2024-04-05 09:35:23 | クラシックレース
 アルペシン・ドゥクーニンクは創立当初はメンバーわずか9人の小さなシクロクロスチームでした。2014年に、当時18歳のマチュー・ファンデルプールが加入すると、流れが大きく変わり、同年マチューがチーム創設初の「プロ」ロード勝利を献上し、その後も1クラスやHC(現プロシリーズ)で勝利を量産。「シクロクロスとマウンテンバイクも続けたい、でもクラシックも挑戦したい」というマチューの野望を叶えるべく、2019年、ついにチームはプロ登録に踏み切ったという経緯があるのです(2019~2021年はプロ。コンチネンタル)。

 ファンデルプール自身はプロ・コンチネンタル時代の2021年のツール・ド・フランスの第2・3ステージ連勝しマイヨジョーヌは着ているのですが、アルペシン・ドゥクーニンクはUCIプロツアーの中ではまだグランツールの総合優勝者を出すような資金力豊富なチームではありません。ただ、ワンデーレースでの強さや、グランツールでのスプリントの強さを考えると、CANYON CFRというエアロロードはチームには不可欠な存在になっていることは間違いないでしょう。

 Canyon Bicyles GmbH (略称: キャニオン)はドイツ コブレンツに本社を置くロードバイク・マウンテンバイク・トライアスロンなどの競技用自転車を製造する総合自転車メーカーです。1985年、Roman Arnoldと彼の兄弟であるFranc Arnold (現在は企業運営に関与していない)が、’Radsport Arnold GmbH’として競技用の自転車パーツ販売を開始。CANYONというブランド名が登場するのは1996年以降という新しいメーカーで、UCIプロツアーへの参戦は2007年です。

 CANYONといえば店舗を持たない通販のみの販売のため、これまで実車を目にしたことはありませんでしたが、ここのところのファンデルプールやフィリプセンの活躍を目にすると、否が応でもCANYON CFRが気になり始めています。ロードレースは優勝争いするとライダーもバイクも良く映るので尚更でしょう。
 
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CANYON CFRはパリ-ルーベも征してしまうのか?(1)

2024-04-04 09:54:08 | クラシックレース
 UCIの2024シーズンが開幕して1ヶ月、モニュメントと呼ばれる伝統あるワンデーレースもミラノ〜サンレモ (Milan-Sanremo)とロンド・ファン・フラーンデレン (Ronde van Vlaanderen)は終わり、いよいよパリ〜ルーベ (Paris - Roubaix)が今週末に開催されます。
 フランスのパリからルーベまで、およそ260Kmを走る「クラシックの女王」とも「北の地獄」ともあだ名されるこのレースのポイントは総数30弱、総延長で50Km前後にも及ぶ握りこぶし大の石が敷き詰められたパヴェ(石畳)です。

 SpecializedのRoubaixはこのレースのために開発されたといわれています。TREKのDomane、cannondaleのSynapseも同様です。ただ、近年はTREKもcannondaleもエアロロードで走るようになっているのです。

 というのも、昨年ロードの世界選手権を征しアルカンシエル(世界チャンピオンジャージー)を着ているアルペシン・ドゥクーニンクのマチュー・ファンデルプールが昨年のこのレースをCANYON(キャニオン)のエアロロードCFRで勝利し、今季もE3サクソクラシック、ロンド・ファン・フラーンデレン (Ronde van Vlaanderen)と連勝しているのを見れば明らかでしょう。

 ファンデルプールが強すぎるのか、CANYON CFRというバイクが凄いのかは分かりませんが、今のところ両者の組み合わせがワンデーレースでは最強だということは間違いないでしょう。3月のミラノ〜サンレモを勝ったヤスペル・フィリプセンもファンデルプールと同じチームでバイクもCANYON CFRでしたから、今季のモニュメントの優勝バイクは全てCANYON CFRだったのは事実です。

 彼らが所属するアルペシン・ドゥクーニンクというチームはワールドチーム昇格3年目の新しいチームですが、一昨年は34勝、昨年はワールドツアーで35勝を挙げています。それも、マチュー・ファンデルプールがミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベ、ロード世界選手権を制し、ヤスペル・フィリプセンがツール・ド・フランスで区間4勝と共にマイヨヴェール(ポイント賞)、カーデン・グローブスがブエルタ・ア・エスパーニャでマイヨプントス(ポイント賞)という凄まじい成績を収めているのです。そして、今季は既にモニュメント2勝に加え春のクラシック1勝という結果なのです。
 
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