◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

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上場廃止MBO続出の理由に思う

2023-12-04 | 事業再生・M&A
トップの写真は神宮外苑近隣の銀杏並木の紅葉。
今回はかように熟した企業群を対象としたネタです。

私もよく読んでいる月刊「選択」12月号に、『上場廃止「MBO]続出の理由』なる記事がありました。
原文は皆様にてぜひ読んでいただくとして、私は備忘のためにざっくりと要約を記しておきます。

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◆2023年11月に発表されたMBO 件数は7件と狂乱状態。
 だいたい1年に10件あるかないかなので異常事態。
 顔ぶれは、
 ・大正製薬
 ・ベネッセHD
 ・シダックス
 ・ジャパンベストレスキューシステム 
 ・ツルハHD(観測報道)

◆では、何がMBOに走らせているのか?
  ⓵上場に伴うコスト、面倒くささがここ数年でかなり拡大。
    四半期決算開示、英文開示、非財務情報を組み込んだ統合報告書の作成、IR活動。
    おまけにガバナンス改革(→オーナー系企業では「オレの会社」への口出しに拒絶反応高い)
  ②「買収されるリスク」の高まり
    今年8月に、経済産業省が「企業買収における行動指針」を発表
     →敵対的買収であっても企業価値を高めてくれるものならば真剣に検討しろと
         ↓
    オレの会社を取られたくない→MBOで株式市場から退出

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なるほど、経産省報告書が影の仕掛人だったワケですな。
となれば、M&A仲介業者や証券会社などは、低PBRで買収リスクの高いオーナー系上場会社をターゲットにMBOの話をどんどん持ち掛けることになるのでしょうね。11月が異常状態だったのはその成果ってワケですね。

もっとも、MBOは単にオーナー株主が買い戻して非上場化するだけではない。
先日のニチイHDネタでも申し上げた通り、再上場や別の投資家への転売により「二度儲けることができる錬金術」のネタともなりうる。
そのオーナー及び関係者がどれだけ強欲かを推し量るためにも、「非上場化した後」にも注目したい。

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