ご無沙汰しております。
いきなりダジャレですいません。
まずは日経ニュースから。
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コカ・コーラウエスト、「青汁」のキューサイ買収 360億円で
2010/8/30
清涼飲料大手のコカ・コーラウエストは30日、健康食品のキューサイを買収すると発表した。
約360億円を投じ、完全子会社にする。キューサイは成長が見込める健康食品市場で「青汁」など
知名度の高い商品を販売している。コカ・ウエストはキューサイの子会社化により、
健康飲料などの商品開発やブランド力の強化につなげたい考え。
コカ・ウエストはNIFコーポレート・マネジメント(東京・千代田)など投資ファンド4社と
キューサイ経営陣が保有する同社の発行済み株式の全株式を10月1日付で取得する。
同社の藤野孝社長は続投する見通し。
コカ・ウエストの吉松民雄社長は30日、福岡市内で記者会見し、今回の買収について
「中長期的には健康飲料の開発などで相乗効果を出したい」と狙いを語った。
事業面での具体的な連携策などは今後詰める方針だ。
キューサイは福岡市に本社を置く健康食品大手で、青汁や「ヒアルロン酸コラーゲンなどの健康食品の
通信販売が主力事業。近年は総菜の宅配事業や農産物の直販事業にも力を入れている。
2009年10月期の連結業績は売上高が287億円、営業利益が24億円だった。
コカ・ウエストは09年12月期に上場来初となる75億円の最終赤字を計上。
本業の飲料事業が苦戦する中で、新たな収益源の確立が課題となっている。
民間調査会社の富士経済(東京・中央)によると、09年の健康美容食品市場は約1兆8000億円。
高齢化などを背景に同市場は今後も拡大する見通し。
コカ・ウエストはキューサイの子会社化で成長市場での事業拡大に力を入れる。
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(コメント)
・記事にあります通り、キューサイの業績は売上高が287億円、営業利益が24億円と
なかなか収益性は高いように見えます。
しかし連結EBITDAは50億円、買収金額359億円、ネットデット276億円ですから、
EV/EBITDA倍率は12倍強と割高です。
(すいません初歩的な計算ミスしていました)
しかも買収のプレスリリースに示された2期分の業績を見ますと、
2期連続で小幅ながら赤字となっております(H20/10期▲5億円、H21/10期▲2億円)。
保有資産での評価損などが出たのでしょうか、多額の特損が出たとみられます。
たった2期しか見えないのでなんとも言えませんが、営業利益が本当の収益力を示しているか、
つまり特損の中に毎期恒常的に発生する費用が紛れていないか、ちょっと気になるところ。
もっと言えば、上場廃止直前のH19/2期決算では連結売上284億円、経常利益48億円、純利益15億円
でしたから、上場廃止して投資ファンドが参加したとたん
収益力がガクッと落ちてしまったことになります。
何だかすかいらーくを彷彿とさせます。
健康美容食品市場は約1兆8000億円と言われているようですが、同じ富士経済の調査によると、
このうちリピート需要が根強い(青汁などの)グリーンチャージ市場の市場規模は455億円、
08年比0.7%増。
キューサイの売上のざっくり5割を青汁などグリーンチャージ商品だと想定しますとシェア3割。
なるほど、業界のパイオニア格だけあってさすがブランド力は強そうです。
でも市場の伸びは????。
そして青汁は他社の類似商品も結構多い。
意外と小さなシェアを奪い合う厳しい業界構造になっているかも。
であるとしますと、キューサイはまさにコカコーラウエストに救済されたのかも。
今後どうバリューアップされていくのか楽しみです。
さて
ちょっと気になるのは、リリース文
「中長期的には健康飲料の開発などで相乗効果」というくだり。
まさかとは思いますが、
「青汁入りコーラ」だけは勘弁してください。
・・・・・・ちょっとだけ飲んでみたい気もしますが。
なお、食品業の会計実務を深堀りしたい方には
以下の本をおすすめします。
いきなりダジャレですいません。
まずは日経ニュースから。
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コカ・コーラウエスト、「青汁」のキューサイ買収 360億円で
2010/8/30
清涼飲料大手のコカ・コーラウエストは30日、健康食品のキューサイを買収すると発表した。
約360億円を投じ、完全子会社にする。キューサイは成長が見込める健康食品市場で「青汁」など
知名度の高い商品を販売している。コカ・ウエストはキューサイの子会社化により、
健康飲料などの商品開発やブランド力の強化につなげたい考え。
コカ・ウエストはNIFコーポレート・マネジメント(東京・千代田)など投資ファンド4社と
キューサイ経営陣が保有する同社の発行済み株式の全株式を10月1日付で取得する。
同社の藤野孝社長は続投する見通し。
コカ・ウエストの吉松民雄社長は30日、福岡市内で記者会見し、今回の買収について
「中長期的には健康飲料の開発などで相乗効果を出したい」と狙いを語った。
事業面での具体的な連携策などは今後詰める方針だ。
キューサイは福岡市に本社を置く健康食品大手で、青汁や「ヒアルロン酸コラーゲンなどの健康食品の
通信販売が主力事業。近年は総菜の宅配事業や農産物の直販事業にも力を入れている。
2009年10月期の連結業績は売上高が287億円、営業利益が24億円だった。
コカ・ウエストは09年12月期に上場来初となる75億円の最終赤字を計上。
本業の飲料事業が苦戦する中で、新たな収益源の確立が課題となっている。
民間調査会社の富士経済(東京・中央)によると、09年の健康美容食品市場は約1兆8000億円。
高齢化などを背景に同市場は今後も拡大する見通し。
コカ・ウエストはキューサイの子会社化で成長市場での事業拡大に力を入れる。
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(コメント)
・記事にあります通り、キューサイの業績は売上高が287億円、営業利益が24億円と
なかなか収益性は高いように見えます。
しかし連結EBITDAは50億円、買収金額359億円、ネットデット276億円ですから、
EV/EBITDA倍率は12倍強と割高です。
(すいません初歩的な計算ミスしていました)
しかも買収のプレスリリースに示された2期分の業績を見ますと、
2期連続で小幅ながら赤字となっております(H20/10期▲5億円、H21/10期▲2億円)。
保有資産での評価損などが出たのでしょうか、多額の特損が出たとみられます。
たった2期しか見えないのでなんとも言えませんが、営業利益が本当の収益力を示しているか、
つまり特損の中に毎期恒常的に発生する費用が紛れていないか、ちょっと気になるところ。
もっと言えば、上場廃止直前のH19/2期決算では連結売上284億円、経常利益48億円、純利益15億円
でしたから、上場廃止して投資ファンドが参加したとたん
収益力がガクッと落ちてしまったことになります。
何だかすかいらーくを彷彿とさせます。
健康美容食品市場は約1兆8000億円と言われているようですが、同じ富士経済の調査によると、
このうちリピート需要が根強い(青汁などの)グリーンチャージ市場の市場規模は455億円、
08年比0.7%増。
キューサイの売上のざっくり5割を青汁などグリーンチャージ商品だと想定しますとシェア3割。
なるほど、業界のパイオニア格だけあってさすがブランド力は強そうです。
でも市場の伸びは????。
そして青汁は他社の類似商品も結構多い。
意外と小さなシェアを奪い合う厳しい業界構造になっているかも。
であるとしますと、キューサイはまさにコカコーラウエストに救済されたのかも。
今後どうバリューアップされていくのか楽しみです。
さて
ちょっと気になるのは、リリース文
「中長期的には健康飲料の開発などで相乗効果」というくだり。
まさかとは思いますが、
「青汁入りコーラ」だけは勘弁してください。
・・・・・・ちょっとだけ飲んでみたい気もしますが。
なお、食品業の会計実務を深堀りしたい方には
以下の本をおすすめします。
食品業の会計実務 (業種別アカウンティング・シリーズ) | |
中央経済社 |
プレスリリースを読むと株式の取得対価で359億円となっているようです。
キューサイのHPにある2009/10のBSを見ると、
Net Debtが276億円ありまして、その時点から変化が無いと仮定すると、EVでは635億円になります。
EQV=359/50=7.2x
EV=635/50=12.7x
・・・高いですね。
ご指摘の通りですね。