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ユニコ・コ-ポレーションの破綻に思う 

2006-10-26 | 会計・株式・財務
いやぁ、更新が遅れてすいませんでした。
それでも昨日は久々に1000名様をクリア。
さしたる中身がないのに有難いことです。
また、先日のソフトバンクネタにコメントをくれた「なべや氏」。
経営コンサルを地でいくような分析、面白かったです。mOm


で、プロ野球日本シリーズ。
日本ハム3勝1敗。
このままいくと26日にも日本一が確定してしまうのでしょうか?
もちろん日本ハムは決めにいくでしょう。

ただ、忘れてならないのは、
「日本シリーズの最終試合=新庄の引退試合」。
試合の流れ如何では、
試合の後半あたりからは引退を惜しむ感傷的なムードが
場内を覆うと思われます。
中日がそのムードに飲まれてたら終わりなんでしょうね。

「日本一決定試合=引退試合」で私の印象に残るのは、
巨人・中畑(89年対近鉄)。
やはり球界の人気者には、
そういう「ご褒美」が付いてくるものなのでしょうか。
とにかく中日には最後の奮起を期待したい。



で、プロ野球で沸き立つ札幌から、上場会社の破綻ニュース。


(株)ユニコ・コーポレーションは、10月25日に
東京地裁へ会社更生法の適用を申請しました。
上場企業の倒産は2006年4月に民事再生法の適用を申請した
(株)アドテックス(大証ヘラクレス上場、10月に再生手続き廃止)に
次いで今年2社目。

ということで若干コメントしておきましょうか。

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■帝国データバンク大型倒産速報より抜粋
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2208.html

 当社は、1973年(昭和48年)2月設立の総合リース業者。設立以降、
道内を地盤として、東北、関東、関西地区などにも支店・営業所を開設し
業容を拡大、95年6月には株式の店頭上場を果たしていた。
土木建設機械と環境関連設備機器を主体に、産業用機械、工作用機械、
輸送用機械、商業用およびサービス業用機械設備などの総合リース業務を
手がけ、2004年12月期には年収入高約345億8600万円
(公表ベース)をあげていた。

 近年においては、公共工事削減などの影響から建設機械部門が伸び悩みを
余儀なくされるなか、2002年4月には環境・エネルギー事業部を開設し
環境関連部門を強化するほか、2003年以降は医療機器の取扱いを
開始するなど、銀行、ノンバンクなどから幅広く資金調達を行い、
新規分野への進出を行ってきた。

 しかし、今年8月に当社の会計監査人である監査法人より2001年12月期
以降の決算処理に関し、不適切な会計処理および内部統制システムの不備に
ついて指摘を受け、社内調査を実施した結果、複数年にわたり不良債権処理等
に関して不適切な会計処理が行われ、有価証券報告書の不適切な記載があった
ことが判明。このため、当社株は2006年8月9日付で上場している
JASDAQ市場において監理ポストに割り当てられる措置が取られていた。

 その後、過年度における債権分類の再検証による貸倒引当金の追加計上等を
求められた結果、2004年12月期、2005年12月期と2期連続債務超過
であったことが判明して対外信用は失墜、金融機関の支援も限界に達していた。
 
 負債は2006年6月末時点で約967億100万円。

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■当社の不適切な会計処理と損益に与える影響額(有価証券報告書等から)

① 平成13年12月期から平成16年12月期にわたり、
ある特定の取引先に対する金銭消費貸借契約について
割賦販売契約として経理処理を行なったうえ、
収益及び費用の計上基準に反して繰延処理をせずに、
一括して売上高及び売上原価に計上し利益を実現させた。
(→当中間期において過年度修正として期日未到来分約6億円の修正損が発生)

②平成17年12月期に、実態のない売上高10億円を計上し、
同額の売上原価を計上。
(→損益には直接影響がない
・・・・・何のため?事業規模を膨らませて見せるため?)

③平成13年12月期から平成17年12月期にわたり、不良債権の処理について、
貸倒損失として経理処理すべき6億円を売上原価に計上。
(→正規の貸倒処理に基づく貸倒実績率で貸倒引当金を計上すると、
約15億円の計上不足が発生)

④平成13年12月期から平成17年12月期にわたり、
債権分類の再検証による個別貸倒引当金の追加計上等により、
営業費用及び特別損失が増加。
(→営業費用及び特別損失が約63億円増加することになり、
平成16年12月期において債務超過となった模様。
債務超過の状態は、平成17年12月期においても継続していた模様)

会社側は、平成16年12月期において、債務引受取引により契約先の変更を
行なったと認識していた債権について、その引受け先との
契約形態の不備等をあずさ監査法人から指摘され、
個別貸倒引当金を追加計上することになった約46億円については、
平成18年12月期通期において、他の債権回収の方法を講ずることによって、
貸倒引当金の戻し入れ益が発生して債務超過が解消されるものと考えていたと。
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(簡単なコメント)

①あずさ監査法人は、私のイメージでは比較的監査も厳格、っていうイメージが
あったので今回の結果は残念です。
でももっと早く見つけられなかったのでは? とも思うんですけどね。

②有報からH13年12月期からの5期の業績推移を見ていますと、
H17年12月期は減収減益となったものの、それまでは売上・利益とも
ゆるやかながら順調に拡大。
ただ、営業の成果というよりは、粉飾の成果なのでしょうが。

直近5期の営業キャッシュフローはH17/3期を除き、大幅赤字が常態化。
5期合計で▲120億円。これを有利子負債の増加89億円などで補って
いました。
リース業の場合、営業活動キャッシュフローの中で賃貸資産の取得取引も
処理していることもあって黒字は出にくいかもしれません。   
 
 ただ、(今回の教訓になるのかどうか微妙ですが、)
 「利益は黒字でも営業キャッシュフローが大幅赤字」って会社は、
  やはり気をつけてみる必要があるかも知れませんね。

要は、利益だけでなく、キャッシュフローもよく見ましょう。
 ってことではないでしょうか。(安直な結論ですんまへん)

 

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