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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

「会計的に見る!」技術に思う

2008-09-28 | 会計・株式・財務
いつもご覧くださり誠にありがとうございます。

今回は本のご紹介。
ブックオフでこの本をゲット。
つい最近出版されましたが、もう店頭に出ていました。

会計的に見る!技術 [宝島社新書] (宝島社新書 276)
本郷孔洋
宝島社

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初心者向けの会計本は余り買わない私ですが、
著者の本郷先生は実務経験豊富で著作も多く、
現場体験に基づく見方・考え方は参考になるだろうと思ってゲット。
結果は、「当たり」でした。


主に中小企業の経理マン向けに分かりやすく書かれた本ですが、
節々で披露されるトリビア級の知見・体験談が面白い。
時折当ブログにコメントをくれる、経営コンサル「なべや氏」にも参考になると思います。
気に入ったものを備忘録的に書くと・・・・。


①有名な不正経理事件の当事者(経理担当者)はハードワーカーで
 猛烈に働いており、不正が発覚してからの周囲のコメントは日米とも共通で
 「日曜日も休まず働いていた。あんなにマジメな人はいなかった」だとか。
 担当者が休みだとか、担当替えになってはじめて不正が発覚することが
 あるので、たとえば制度的に、定期的に担当者をチェンジさせることは重要。
 コストもかからない不正防止対策となる。


②通常、「活気のある会社」はいい意味で使うが、
 倒産間際の会社も変に興奮気味で活気に溢れている。
 一見、活気があって経理部長が外出気味という会社はイエローカード。


③経験則で、決算書・試算表からもうダメだと思っても、
 (必死に金策に走るため)それからかなりの期間、延命する。


④ビジネス・商売は、通常は変動費型・狩猟型から固定費型・農耕型へと
 変わっていく。
(確かに、今の米国金融界で起きていることは、
 狩猟型の投資銀行から農耕型への商業銀行への回帰・・・・?)


⑤消費税アップで粗利益の低い商売は衰退する。
 内税方式での消費税アップが近い将来行われる。
 この時、消費者(ユーザー)への価格転嫁が難しいとなると、
 その分、自社の粗利益を削ることになるため。
 (この点は、私も全く同感です。エライことになりますよ、こりゃ)


・・・・とまぁ、こんな具合です。



ところで、
この本、1ページ目の1行目から、衝撃の展開となっております。

「のっけから品のない話で恐縮ですが」から始まる本文は、こう続きます。
「われわれの業界では、つい数年まで『経理マンとは○○○○である』という
 名言が流布していました。」


○○○○は皆さんのご想像にお任せします。とても書けません。
気になる方は、直接実物でご覧下さい。

ヒントですが・・・・・・・・・
そのココロは「肝心なときに役に立たない」ということだそうです。


以上、ご参考まで。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

さて、今回の1曲は、

先日の、継続企業に疑義のある会社を多数抱えている某監査法人に敬意を表しまして、
その名前にちなんだ名曲を和・洋2曲。

山本潤子 「翼をください」


PAUL McCARTNEY & WINGS  Listen to What the Man Said
(邦題:あの娘におせっかい)



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