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航空会社の隠れ債務“マイル”に思う

2006-01-10 | 会計・株式・財務
いつもご覧下さり誠に有難うございます。
くだらないネタばかりで大変恐縮です。
(そして、温故知新さん、また数多くのコメント有難うございます。
明日の7&Ⅰ説明会で改めてご挨拶させて頂きます。)

さて今回のネタ。
10日の日経産業新聞の1面右上に「増え続けるマイル残高」というテーマで
コラムがありましたのでそのご紹介とコメント。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・英エコノミスト誌などによると、全世界の航空会社利用者は14兆マイル分を
未使用のまま保有している。

・航空券に交換するときのレートは平均で1マイル=約5.8円とみられ、
未使用マイル全体では81兆円強の価値を持つ計算。
昨年末の「円」の流通残高(紙幣+貨幣)を僅かに上回った。

・だが、航空会社にとって、未使用マイルは無料航空券などに交換され将来の
負担となる負債。
米アメリカン航空の親会社AMRの「マイル負債」は04年末で14億ドル。
同社負債の16%を占めている。実態経済に影響を与え始めている。

・マイルが原油高に苦しむ航空会社の新たな経営リスクになりかねない。
-------------------------------------------------------------------------

(コメント)
・AMRがどういう会計処理をしているか未確認ですが、マイル債務を
オンバランスさせているとすればエライ!。
というか、米国基準はそういう処理を要求しているんですね。

・翻って日本の2大航空会社。マイル負債どころではないのは良く分かりますが、
 両社の開示資料にはこれに関する記述が一切ない。
今後間違いなく問題視されるところではないでしょうか。
 株式セルサイドアナリストまたはクレジットアナリストの方々には、
ここを聞かずしてよく投資判断が下せますね!といいたいです。
  
・以前、日経で見ましたが、確かマイレージサービスの提携先(飲食店など)に
1マイル=○○円でマイルを販売。で、航空券に引き換える時のレートは
厳しくしてサヤを抜く・・・こんなビジネスモデルだったという記憶があります。
 
 ということは、マイルを販売した段階で収益が計上されるはず。
 となると、憶測の域は出ませんが、隠れ債務の問題だけでなく、利益の
 前倒し計上の問題も含まれているのでしょうか?

・ポイントカードを集客の武器としている小売業やカード業界では、
 将来のポイント使用に備え、「ポイント引当金」っていうのを計上して
 おります。計上基準とかはあいまいですけど。
 
 日本の航空2社がどういうマイル処理をするのか、今後の密かな注目点です。




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3 コメント

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似たようなものに (ハリマオ)
2006-01-11 08:31:31
似たようなものに、過去に大量に売られた切手

記念切手ですが、これって債務ですよね。

郵政公社のバランスシートに記録していないとか

郵政新会社は引き継ぐのかどうかとかいう議論を

聞いたことあります?



返信する
存じ上げております。 (dancing-ufo)
2006-01-11 22:46:41




ハリマオさま







いつもコメント有難うございます。







私も何年か前の日経の特集記事で

切手が隠れ債務、というのを

見たことがあります。







日本郵政、きちっと処理するのでしょうか?







期待薄ですかねぇ?





返信する
元切手コレクターの嘆き? (ハリマオ)
2006-01-12 08:33:10
まあ、郵政会社のサイズからみますと

かすり傷くらいの債務でしょうが

国民にとっては、複雑ですね。



オリンピックとか各地お国自慢の国定公園

浮世絵と何でもいいからシリーズで記念切手

として、ただの紙切れを印刷したらお金になる。

希少なものは凍死商品としてプレミアまで

ついた時代があったですね。



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