お疲れ様です。
新日本有限責任監査法人が12月8日に
「2008年 新規上場会社の分析」という簡単なレポートを
HP上で発表しておりましたので簡単にコメント。
新規上場会社は07年の121社に対して49社へと激減。
これを業種別にみると・・・・・
業種 2007年 2008年
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サービス 27 12
情報・通信 23 11
小売業 16 5
不動産 13 5
卸売業 4 3
医薬品 1 3
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合計 121 49
ご覧の通り、不動産会社は5社も新規上場しております。
どんな顔ぶれか、上場順で見ていきましょう・・・・・・
といっても、このうち2社はすでに拙稿で取り上げておりますけどね。
■モリモト
2月27日 東証2部上場
(担当:新日本監査法人)
11月28日民事再生手続開始の申立てをしました。
■グローバル住販
3月19日 ジャスダック上場
(担当:あずさ監査法人)
第1四半期報告書を見ました(7-9月)。18枚目のバランスシートに注目。
連結総資産137億円に対して、在庫(販売用+仕掛販売用不動産)が111億円。
自己資本が12億円しかありませんから、在庫の価値が1割悪化すると
債務超過の恐れ。
この第2四半期の内容如何では・・・いろいろと注目されるかも。
因みに、当社のHPを見ればお分かりのように
販売代理事業としてあのアスコットの「アスコットパーク」マンションも
手掛けております。類は友を呼ぶのか・・・・。
■ゲオエステート
3月27日 セントレックス上場
(担当:三優監査法人)。
「新築マンションの分譲事業」「不動産に関する企画・開発・マネジメント」を
軸とした不動産ビジネス。一区画の宅地から大規模な商業施設まで・・・・・。
こちらも中間決算で総資産108億円に対して在庫が88億円。自己資本15億円。
話題の企業目白押しのセントレックス。新たな伝説が作られるのでしょうか。
■アスコット
8月5日 ジャスダック上場
(担当:新日本有限責任監査法人)
東京都内を中心に「不動産開発」、「ソリューション」、「不動産ファンド」・・・・・。
ウヒャ~。
新日本も法人名に「有限責任」という文字が入ったもんだから、
気が大きくなって突っ走っちゃたのかも知れませんね。
12月10日 継続企業の前提に疑義との注記
■ヒューリック
11月11日、東京証券取引所市場第1部 新規上場
(担当:新日本有限責任監査法人)
みずほ系。東京23区を中心に100件以上の賃貸物件を有し、
オフィス用途を中心に賃貸可能面積40万m2 強を運用。
こう言う事業基盤のしっかりした会社なら上場は理解できます。
銀行系ですから資金繰りの不安も少ないですし。
・・・・ということでおおよそ予想はしておりましたが、
不動産会社5社中3社が新日本有限責任監査法人によるものでした。
これを踏まえて、冒頭でご紹介したレポートの最後を見ますと・・・・・・
「08年は07年に対して、全体的に新規上場会社数は減少していますが、
サービス、情報・通信業界の新規上場会社数は、他の業界に比べ多くあります。
さらに、米国のサブプライムローン問題により日本においても不動産業界の
業績不振が問題になっていますが、その環境下においても
不動産業界における新規上場は継続しています。」
・・・・っつうか、不動産業界の新規上場を継続させていたのが、新日本、あんたらじゃん
この一文が書きたかったがために、強引な上場をやっちゃたんですかね?